第七回!だから何って感じですが。
〜この話からの追加キャラ設定〜
クロス・ワドズン→常に紳士な態度を維持している初老の男性。この人の影響でオキタも大人しい性格になったと思われる。
趣味:芸術鑑賞
イスズ・ミルメリア→オキタの使用人。重火器の扱いに優れている。家事は料理以外は得意。
今回は、4コマの代わりにS/S/S(ショート・サイド・ストーリー)を用意しました。
この物語は、本編では決して語られる事のない、登場人物それぞれの物語である。ただただ朽ち果てていく歴史の一部を、堪能していただきたい。
S/S/S of MIRELL
〜『Still in the misery』〜
――――魔王の死により、人間軍への潜入任務から解放されたミレル。今の彼女にとって最も優先すべきこと…それは、何もしない事だった。
…長年、ミレルは両親の仇である魔王を討つため、魔王の優秀な手駒として、与えられた役割と任務を果たしてきた。
どれほど偉大で強大な者であろうと、いつかは必ず隙を見せる。
ミレルは獲物を狙う捕食者の如く、常に精神を研ぎ澄まし、『その時』に備えていた。
…しかし、終焉は呆気ないほど唐突に訪れた。
仇は別の者の手によって討たれ、ミレルの復讐が叶うことは、永遠になくなった。
今の自分は、何の為に存在しているのか…?
どれだけ考えても、答えは出なかった。
―――丁度、そんな時だった。かつては、共に同じ場所から、同じ夢を見た仲であるゼツ・クウガが怪しい動きを見せ始めたのは。
そして、ミレルは重なった偶然により、ゼツが次期魔王候補であるフィアラを何かに利用しようとしている事に気付いてしまう。
ミレルはその時、一つの決心をした。
フィアラを…かつての部下を、残酷な運命から救ってみせる、と。
―――――次の仕事は容易なものだ。まぁ、仕事とは言っても、これはミレルの独断での行動なのだが。
その仕事は一、二言、言葉を交わすだけで…そう、一瞬で、終わる。フィアラは自分に傾倒…いや、心酔している。そう、まるで姉を異常なまでに慕う妹のように。
…しかし、それは同時に…不確定な要素となりうる。
もし、袂を分かつ事になったなら――――
自分に、フィアラを討つだけの覚悟はあるのだろうか?
それを考えた時、気丈な彼女の表情には、ほんの一瞬だけ、陰りが見えた。
ミレルは、自分の愛銃を手に取り、見詰めた。
これは、もはや戦友とでも言うべき代物だ。ミレルは魔法と『生命力吸収』の能力や『再生』の能力、魔力操作による怪力…そして、この銃とともに戦場を渡り歩き、生きてきた。
「―――因果なものだな…フィアラ。」
誰に聞かせるでもない静かな呟きは静寂に溶け、ミレルは静かに銃を握り締めた。
END
襲撃前のミレルさんの話です。彼女のファンの方々は、彼女の時折見せる弱さが好きなのかもしれません。