私は今、ビルの屋上にいる。私は少し前、いや、ごく最近まで社長をしていた。
しかし、今ではニート状態だ。
あれもこれも、あの酢好鬼死魔汚とか言う奴が、警備員から私の会社に入り、私の会社、「プロンディア」を乗っ取ったせいだ。
そう、ここは「プロンディア」の屋上だ。最期に奴に一矢報いるため、私はここから飛び降りるのだ…。

「お待ちなさい!そこの悩める貴方…」

後ろから声がしたような気がしたが関係ない。

「多分、気のせいだろう…」

そう自分に言い訳して、いよいよ、飛ぶ!という時、また後ろから声がした。

「貴方ですってば!聞こえてんでしょ!」

振り向くと、見馴れない女が立っていた。
それにしてもキテレツな格好だ。羽根がついた妖精のようなコスプレをしている。

「気のせいじゃなかったのか…」

私が呟くように言うと、女は、「いやいや、木の精ですよ。」と言った。

…よくわからない。女は続けた。

「私はこの真下に生えている木の精です。ここで飛び降りられると非常に困るんですよ。調度私の住む木の上に落ちるんですよね…」

こんなことを言って、私を止めようとしているのだろうが今頃遅い。もう誰にも止められやしないのだ…
飛び降りようとする私は、止めようとする女と取っ組み合いになった。

「あっ…!」

足が滑り、私は落ちた。女の腕を掴んだまま…


下では肉瑰と、折れた木が、無惨に、そして無造作に転がっていた……

後には、ただただ人々の悲鳴が響いていた…のかもしれない。

FIN