P-0501 九州保健福祉大学 QOL研究機構 

川島慶樹 - 風の谿 明日咲く花 -

(アンジュコ・オバンコールローズウッド・黒壇)

ステンレススチール

     2005年 W380 x H290 x D40cm

九州保健福祉大学 QOL研究機構 DATA

所在地 宮崎県延岡市吉野町

設計  (株)丸川建築設計事務所

施工  (株)大本組 / 上田工業 (株) JV

竣工  2005年2月

九州保健福祉大学のキャンパスには「美術散歩」と題しての、現代的な美術作品が建築と調和したかたちで随所に見られます。丸川建築設計事務所の大倉氏の建築と美術に対するあつい想いをうかがい知ることができます。氏は今までも、自ら設計する建築に美術家とのコラボレーションを通じて多くの美術家を支え励ましてこられました。この度は大学に付帯するQOL(=Quality of Life)研究機構の研究情報交流スペースという天井高8mの空間、「材となっても命の続く」という木の特質が、「保健、福祉、医学を通じて本来の人間生命に取り組む」という同研究機構のテーマと重なり合うということから、木のウォールレリーフをということでした。

 川島慶樹は4種類の木材とステンレススチールを素材として制作をしました。ステンレススチールの部分は数多くの3~5cmの小片を溶接しこれを磨かないことで、有機的な形態となっています。それがサブタイトルとなっている「明日咲く花」を支えています。ここでは、木は生命の、そして、多くの小片が集まっている支えは「介護や福祉」のメタファーとなっています。作品のタイトルである「風の溪」とは、川島慶樹が数年前に訪れた標高3,000mをこえる厳しい自然のムスタン王国で目にした光景「風の強い谿で健気に咲こうとする小さな花」に由来しています。

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