未来からのメッセージ

はじめに

近未来ではなく、百年以上先の未来の社会の姿がどのようなものになっているか興味ありませんか？ 現在の社会をどうにかしてほしいのに、自分が生きてはいない社会の姿などどうでもよいと考える人もいるかもしれません。しかし、思い描いた未来の社会の姿から、現在の社会を改造していく道筋が明らかになってくることもあるのではないでしょうか？ 未来は非常に科学技術が進歩していることは間違いないでしょう。だが、それだけでは決してないはずです。封建制社会に生きた人々は現在のような社会の姿を想像できたでしょうか。同様に、百年以上先の世界では人間の寿命が大幅に延びているでしょう。そして、経済や政治の仕組みや世界の仕組みが根本的に異なったものになっているだけでなく、ものの考え方、つまり価値観や社会規範といったものがが劇的に変化し、家族関係、会社組織、宗教すらも変貌を遂げている筈です。 ここに描いたのはそのような世界です。小難しい未来社会論としてではなく、物語をとおしてこのような未来社会の姿を紹介したいと考えてこの小説を初めて本にしたのは平成17年です。その後少なからず書き足し、タイトルなども変えて今日に至っています。 2018年版では主人公を高校3年生に改め、「アンドロイドの神」に宇宙生命に関する話などを盛り込みました。 2021年版では新たに「安全な原子炉」の話を盛り込み、地球温暖化問題をこれに取り込みました。

2021年3月 廣田和夫

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