日本航空(JAL)V字回復                 2016年2月
−日本航空だって出来た−日本経済は必ず再生する!
稲盛和夫・日本航空名誉会長
出典:文藝春秋 2012年8月号 第166頁〜第175頁


バブル経済後、20年以上経過しても、日本経済は低迷を続け、
最近では、日本経済の象徴的存在であった大手家電メーカーでさえも、
大幅な赤字決算を発表している。

昨年の東日本大震災や原子力発電所事故、さらにはタイの洪水や
異常ともいえる円高などにより、現在の日本経済はかつてないほどの
停滞感と閉塞感に包まれている。

一方、バブル期には日本を代表する企業の一つと言われたが、近年では、
逆に日本経済衰退の象徴とさえいわれていた日本航空(JAL)が2年前の
破綻を経て、再生しつつある。2次破綻必至とも言われた日本航空(JAL)が
なぜ予想を大幅に超えるような業績を上げているのか。

そのことを伝えることによって、日本経済の復活のヒントを示すことが
出来るのではないかと考え、今回、経営を任された者として、その経過を
説明させていただくことにした。

本稿を進める前に、
日本航空(JAL)の再生という手段を選択いただいた政府、
新しい会社更生の取組みを行っていただいた裁判所、
多額の債権放棄に応じていただいた多くの金融機関、
100%減資という形でご負担をおかけした株主の皆様、
具体的な再建計画を立案いただいた企業再生支援機構の皆様、
そしてなによりも、
日本航空をご愛顧いただいているすべてのお客様に
心からの感謝を申し上げたい。

さて、2009年の夏ごろより、日本航空(JAL)の経営がいよいよ危ない
のではないかとの記事が新聞などを賑わすようになった。

日本航空(JAL)は日本を代表する企業の一つであり、華やかなイメージを
持つ会社であっただけに、そのようなニュースは、社会的に大きな反響を
呼び、連日大きく報道されていた。

その中には、「日本航空(JAL)は倒産して当然だ」とか、「再建は不可能だ」
とか、大変厳しい意見も数多くあった。

私自身も、利用者の一人として、当時の日本航空(JAL)の温かみのない
サービスを快く思っていなかった。また、会社組織も官僚的であると聞いて
いたので、そのような見方が出ても仕方がないと感じていた。

新しく生まれた民主党政権にとっても、日本航空をどのように処理するかが
大きな問題となっていた。

経営に行き詰っていることは明らかであったものの、空の公共交通機関として、
国内・国際ネットワークを支える重要な機能を有していることから、
どのような形で支援すべきか議論されていたようだ。

最終的には、倒産という悪いイメージはあるものの、強制力を伴うリストラが
可能な法的整理が選択されるとの見方が強くなっていた。

無給が就任の条件

そんな折、同年末に、政府と企業再生支援機構から、法的整理に基づく
会社更生法を適用した後の日本航空(JAL)の会長に就任してほしいとの要請が
突然にあった。

私自身、航空業界には全く素人であり、しかも、当時、既に、77歳と
高齢であったので、その任ではないと即座にお断りをした。

それでも、日本経済を救うためにもどうにか受けてほしいと繰り返し要請を
受けるうちに、そのことを真剣に考えるようになった。

家族や知人は、「体力が持たないだろうから」、「晩節を汚すことになっては
大変だから」と皆反対だった。

しかし、悩みに悩んだ末、私は、自分の、「世のため、人のために役立つことが
人間としての最高の行為である」という人生哲学に照らせば、会長職を受け、
日本航空の再建に全力を尽くすことが正しいのではないかとの結論に至った。

ただし、体力的なことなどもあり、毎日出勤できるわけでもないので、
無給を条件にさせていただくことにした。

私は、どのようなことであろうと、新しくものごとを始めるには、
「なぜ、それをしなければならないのか」という
明確な意義がなければならないと考えていた。

そこで、会長として日本航空を再建させるには、
どのような意義があるのかを考え続け、
次のような
3つの大きな意義、大義があることに気がついた。

先ずは、日本経済への影響である。
日本航空(JAL)は日本を代表する企業の1つであるだけでなく、
日本経済を象徴している企業でもある。
その日本航空(JAL)が衰退から抜け出せずに、2次破綻でもすれば、
日本経済に悪い影響を与えるだけでなく、
日本国民もさらに自信を失ってしまう。

逆に再建を成功させれば、日本経済にもいい影響を与えることができる。

2番目は、日本航空(JAL)に残された
社員たちの雇用を守るということだ。
再建を成功させるためには、残念ながら、多くの社員に職場を離れて
もらわなくてはならない。しかし、再建を成功させれば、残された多くの
社員の雇用を守ることはできる。

3番目は、利用者の利便性のためである。
もし、日本航空(JAL)が破綻すれば、日本国内に大手航空会社は1社だけとなる。
そうなると、1社独占となり、競争原理が働かなくなってしまう。
運賃は高止まりし、サービスも悪化してしまう。
それは決して利用者のためにならない。
複数の航空会社が切磋琢磨する中で、利用者により安価でより良い
サービスが提供できるようになるはずだ。

日本航空(JAL)の再建には、このような3つの大義があることに気づき、
私は、この大義のために全力を尽くそうと決意した。

2010年1月19日、日本航空(JAL)は、会社更生法の適用を申請し、
企業再生支援機構の支援のもと、再生への道のりを歩み始めた。

私は、2月1日に、信頼できる2人のスタッフを連れて会長に就任した。
しかし、私は航空業界に関しては何の知識もない素人である。
私にあるのは、経営者としての50年あまりの経験と私の経営哲学である

「フィロソフィ」と、私が考えだした「アメーバ経営」と呼ぶ
部門別採算管理制度だけである。

それだけを持って、日本航空の改革に乗り出すことにしたのである。

八百屋も経営できない

私が就任した頃は、連日のようにテレビや新聞で、再建は無理であり
「日本航空(JAL)の2次破綻は必至」と報道されていた。

「日本航空(JAL)」は変われない、社員の意識も変われない日本航空(JAL)
というのが世間の見方だった。確かに、過去、会社更生法を申請した企業
のうち、再生に成功したのはそれほど多くはなく、再上場にこぎつけたのは
僅か6・5%しかないという。

日本航空(JAL)ほど放漫な経営をしていた企業が、
すぐに再生できるはずはないという批判は、
ある意味では、もっともな見方ではあった。

更に「日本航空(JAL)の再建計画は机上の空論」という論調も数多くあった。
再建計画は、大幅な路線の縮小、人件費を中心としたコスト削減の徹底、
人員削減など、大変厳しいリストラ策から成り立っていた。

例えば、グループの社員数は、2008年度の5万3000人から
3万1000人に減らし(2万2000人解雇)
社員の給料も、20〜30%削ることになっていた。

大幅な路線縮小により、売上は2008年度対比、
約40%(約7300百億円)も減る見込みとなっていた。

破綻によるイメージ悪化で、同業他社に大量のお客様が流れることも
予測されていた。

他方、再建計画では、営業利益の目標は、1年目が641億円、
2年目が757億円となっていた。

破綻直前には、2000億円ほどの赤字
見込まれていた会社が、
短期間でそんな利益を出せるわけがない。路線をさらに縮小し、
社員ももっと減らすべきだ」との批判を受けていた。

この様な厳しい世論の中、私の日本航空(JAL)での仕事が始まった。
当初は、週2,3日だけ出勤する予定だったが、そうもいかず、
毎日のように出社し、会議に出席したり、現場を訪問するが続いた。

その中で、次の4点の大きな問題があることに気がついた。

1点目は、経営陣の資質である。

当たり前のことであるが、企業経営をするうえで一番大事なことは、
経営幹部に立派な人間性を持つリーダーを据えることである。

どんな困難に直面しても、逃げることなく真正面から取り組む勇気があり、
また、部下や仲間を大切にする優しさも持っているような、
また常に謙虚で努力を怠らないようなリーダーでなければ、
会社はおろか、小さな部門さえまとめることはできない。

しかし、日本航空(JAL)の幹部は、学歴とプライドだけは高かったが、
当事者意識に欠け、評論家的な言動に終始するような人が目立った。

倒産したにもかかわらず、
その原因をSARSや、リーマンショックなど
外的要因にばかり求め、
素直に自ら反省し、
勇気を持って改革を進めようという
リーダーはいなかった。

それでは再建はおぼつかない。

素晴らしい
リーダーを育てること、それが一番の課題であった。

2点目は、幹部が企業経営の基本を全く理解していなかったことである。

企業を経営するためには、最低限、
現在の経営の実態が数字で分かっていなければならない。

例えば、いつ誰に聞かれても、部門長は、自部門の前月や当月の売り上げ、
経費、採算などを即座に答えられなければならない。

それが全く出来ていなかったので、記者会見で
(当時の日本航空(JAL))の経営者たちは)
八百屋も経営できない」と
失礼なことを言ってしまった。

実際、当時の日本航空(JAL)では、経営実績が集計されるのに2ケ月もか
かっていたので、
そのような
数字が分かっている幹部はだれもいなかった。


そもそも、利益に対する意識が非常に薄く、公共インフラを担っている
のだから、利益を追求することはおかしいのではないかと主張する者さえいた。

航空会社にとって安全が最も大事なことは当然のことであるが、
安全を守るためにも、利益を生み、それをもとに安全のための投資をする
ことさえわかっていなかったのである。

3点目は、本体と子会社、本社と現場、経営幹部と一般社員が
バラバラで一体感がなかったということである。

実際、本社内さえも本部間の壁は厚く、横の連携が取れていなかった。

その原因は、キャリアとノンキャリアに類似した官僚的ともいえる社内制度に
あると思えたが、私にはそれ以上の根本的な原因があると感じられた。
それは、経営の目的が明確ではなく
社員全員が持つべき共通の価値観もない
ということであった。

だから、形式的にどんな施策を取っても、幹部社員を含め全社員が一枚岩に
なれなかったのである。

4点目は、お客様の視点が欠けていたということである。

航空産業は高額な機材を多数使うため、巨大な装置産業と思われがちであるが、
私は、そうではなく、究極のサービス産業であると考えた。

高価なチケットを購入し搭乗する以上、お客様が最高のおもてなしを
期待するのは当然である。しかし、私が乗客として利用していた時から、
日本航空のサービスはマニュアル通りで、心がこもってないと感じていた。
それではお客様に心から満足いただけることはないだろう。
それはサービス業である日本航空(JAL)にとっては致命的なことになる
と感じていた。

日本航空(JAL)版アメーバ経営

このような4つの問題、つまり、

「真のリーダーの不在」、

「経営数字に対する意識の希薄さ」、

「会社としての一体感の欠如」、

「お客様視点の薄さ」


などが日本航空破綻の要因だと思えたので、
私は、京セラから連れてきたスタッフや、現場の幹部社員と一緒になって、
それぞれ、次のような取り組みを始めた。

先ずは、リーダーの育成である。
2010年6月より、経営幹部約50名を集めて、
リーダー教育と称して、1か月間にわたり、
毎週4回、合計17回の徹底した教育を行った。

内容は、私が常日頃考えている
「リーダーとしての在り方」や
経営をするために必要な「管理会計」などである。

その中で、私自身も6回出席し、直接講義をすると同時に、
彼らと、缶ビールと餃子や焼ソバなどでのコンパを行い、
率直な議論を重ねた。

最初のころは、あまり乗り気でなかった人もいた。

今まで、仲間内の人間関係を大切にしてきた幹部ばかりで、
「人としての正しい考え方」や「熱意」が大事だといわれても
理解できなかったのかもしれない。

私は、そんな彼らに繰り返し、
「日本航空(JAL)は倒産した。
それは今までの考え方が間違っていたからだ」と説いた。

そうストレートに言われ、最初はムッとしていた幹部も、
だんだんと目の色が変わってきた。
そして「もっと早くこのような教育を受けていたら、
日本航空(JAL)は倒産することも無かった」と発言する人も出てきた。

また、1か月にわたり同じ厳しい教育を受けた仲間として、
幹部間に強い一体感も生まれてきたようだ。

この最初のリーダー教育を受けた上司が、人間的に大きく成長するのを
目の当たりにして、自分も受講したいという幹部社員からの強い希望もあり、
次第に対象を広げ、これまでに3000名以上の管理職社員が、
同じようなリーダー教育を受けている。

また、現在でも100余りの経営幹部社員に対しては、
私も出席するリーダー勉強会を毎月開催している。

この結果、大西賢会長や植木義晴社長をはじめとし、
以前とは見違えるような、熱意と使命感にあふれる素晴らしいリーダーたちが
それぞれの現場で次々と育っている。

次に取り組んだのは、部門別採算制度の導入である。

前述のように、日本航空(JAL)では、数字で経営するという感覚が希薄であり、
誰も経営実績に関心を持っていなかった。

そこで私は、経理部門に、月次の経営実績を出来るだけ早く、
しかも部門別に出すように指示した。

ようやく、夏ごろからはそのような数字が出るようになったので、
それをベースに、各本部や子会社のリーダーの方々に集まってもらい、
自部門の実績について発表する「業績報告会」という月例会議を始めた。

私は意味のわからない数字を見つけては、
「なぜそのような数字になるのか」を徹底して質問していった。

このような会議を続ける中で、数字で経営することが当たり前になり、
現在では、それぞれの部門長が、
その部門の経営者として、如何に経営の改善に努めてきたか、
これからどう採算をよくしていくかなどを自らの思いを込めて発表している。

一方、私は、航空業界の利益はフライトから生まれるのだから、
路線ごと、便ごとの採算がリアルタイムにわかるような仕組みを作らなければ、
会社全体の採算を向上させることは出来ないと考えていた。

残念ながら、それまで、そのような仕組みも考え方もなく、
実際、どの路線が、またどの便がどのくらい収益を上げているのか
分からなかった。

そのため、赤字を垂れ流し続けた路線も数多くあった。
そこで、路線別の収支が即座に分かるような仕組みを
現場の社員と議論しながら作った。

そして、路線別に責任者を決め、その責任者が中心となり、
収益性を高めるために、創意工夫を重ねていけるようにした。

また、整備や営業など多くの現業部門でも、
部門を出来るだけ小さく分け、それぞれの責任を明確にするとともに、
経営実績が詳細にわかるような仕組みを作り、
関係する社員すべてに公開するようにした。

日本航空(JAL)版アメーバ経営ともいえる管理会計の仕組みを作ったのである。

これは昨年4月より導入され、収益性の向上に大きく貢献している。

3つ目は、社員の一体感である。

どんなに多くの優秀な社員がいても、経営の目的が明確でなく、
社員の考え方がバラバラで自分勝手な行動をとっていては、
企業は本来持っている力を発揮することはできない。
その典型的な例が破綻前の日本航空(JAL)だったかもしれない。

そのため、私は、日本航空(JAL)という会社の経営の目的、
つまり企業理念を改めて作るよう、
また、日本航空(JAL)全社員が持つべき共通の価値観、
つまりフィロソフィを定めてほしいと指示した。

早速、幹部社員による、日本航空(JAL)フィロソフィ策定委員会」が
設立され、私の講義や著作などを参考にしながら、徹底的な議論が行われ、
2011年1月には、【日本航空(JAL)フィロソフィ】が策定されるとともに、
次のような企業理念も制定された。

日本航空(JAL)グループは、社員の物心両面の幸福を追求し、
@お客さまに最高のサービスを提供します。
A企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。

【日本航空(JAL)フィロソフィ】は、手帳にまとめられ、
2011年春には、全社員に配布された。
その最初の項目は、「すばらしい人生を送るために」というものである。

つまり、企業理念にしろ、【日本航空(JAL)フィロソフィ】にしろ、
日本航空(JAL)の経営の根幹は、社員を大事にするということ、
社員が主役であることを明確に示しているのである。

【日本航空(JAL)フィロソフィ】手帳を配布後、
各職場では、毎朝輪読をしたり、独自の勉強会を開催したりしている。

また、全社員を対象に、職場横断的なフィロソフィ教育も行われている。

現在では、どの職場でも、若手の社員から幹部社員に至るまで、
日々の業務の判断をこのフィロソフィをペースに行うようになっている。
そして、職場が違う社員同士が、フィロソフィという共通の価値観を持つ
ことにより、協力し合う姿が日常の風景になってきたのである。

最後のお客様視点については、
会長就任時から多くのお客様より大変厳しいご批判のお手紙を頂いていたので、
早急に対策を打たなくてはならないと痛感していた。

担当の役員などに細かい指示を出していたが、それだけでは不十分だと思い、
私自身が直接空港に出向き、実際にお客様に接しているキャビンアテンダントや
パイロット、また空港カウンターで働いているスタッフの皆さんに集まって
もらい、「これからも大変厳しい状況が続くけれど、
お客様が一番大切なのだから、これまで以上に、
心を込めたサービスに努めてほしい。一線に立つ皆さんが、
新しい日本航空(JAL)の象徴になる」と直に話をして回った。

このように、4つの課題に対し、まだまだ不十分ではあるが、
私なりにできる限りの対策は取ってきたつもりである。

しかし、この間も、更生計画に示された数多くの構造改革の案件も
具体的に進めていかなくてはならなかった。

そのため、毎日のように結論を下さなければならない重大な案件が次々と
上程されてくる。それを幹部社員皆で、ひとつひとつ議論しながら、
結論を出していった。

年齢的なこともあり、体力的にも精神的にも大変厳しい時ではあったが、
そのなかで、社員の意識が変わり、会社がいい方向へ向かっていると
実感できることが増えてきたことが大きな救いとなった。

お客様から「パイロットの機内でのアナウンスが素晴らしい」、
「客室乗務員の心温まる対応に感激した」などのお褒めの手紙を頂くことも
増えてきた。経営幹部も、リーダーとして、率先垂範して改革に取り組む
ようになってきた。

業績報告会の中でも、経営数字に対する感度が上がっていることが
明確になってきた。整備やグランドハンドリングの社員達も
それぞれの立場で自主的に経費削減などに努めている。

自分の勤めていた会社が倒産し、職場では数多くの社員が辞めていった。
航空会社の生命線でもある路線も大幅に縮小された。
賞与も無くなり給与も大幅に下がった。
社員が意気消沈して、職場は暗くなっても仕方がない。

しかし、日本航空は違った。全社員に仲間意識が生まれ、
経営者意識も芽生え、職場に活気が生まれてきた。

大変厳しい環境の中、苦労を惜しまず経費削減や効率化のため
進んで創意工夫を凝らし、必死な努力を続ける健気な社員たち。
彼らこそが私の誇りであり、日本航空(JAL)の宝なのである。

その結果、自然と月次の実績は予想を上回るスピードで改善され、
安全指標も他社を上回っていった。疲労困憊(ひろうこんぱい)の毎日を
送っていたが、私は確かな手ごたえを感じることができていた。

東日本大震災の衝撃

こうして、「これで初年度は予想を超えるいい実績で終えることができそうだ」
と思っていた矢先に、東日本大震災が起きた。

海外からのお客様は激減し、国内の需要も低迷した。一瞬不安がよぎった。
しかし、社員たちは違った。「人間として正しいことをやるべきだ」という
フィロソフィを学んだ多くの社員たちが自発的に行動し始めた。

仙台空港では、自分たち自身も、空港ターミナルで孤立したり、津波の被害に
あった被災者であったにも拘わらず、被災者の皆様の救済・支援に、率先して
取り組んでくれた。復興支援の意味も込めて、数多くの臨時便を東北に飛ばして
くれた。

一方、売り上げが減るとわかると、さらなる経費削減に努めてくれた。

その結果、四月は赤字になったが、五月からは黒字に戻ったのである。

このときにはじめて、私は、日本航空(JAL)には、数多くの素晴らしい
リーダーが育っているだけでなく、社員にもフィロソフィが浸透し、
日本航空(JAL)再生のために、各自が全力を尽くしていることが確信できた。

こうして、大震災以降、日本経済が低迷する中で、日本航空(JAL)は
毎月、計画を上回る実績をあげることができた。

私は、就任当初より、3年間は責任を持って経営にあたる旨約束してきた。
ちょうど2年が経過しようとするときに、バトンタッチの準備をすることに
した。今年の2月に、私は一歩退き名誉会長に就任し、日本航空(JAL)が
最も厳しいときに、私と一緒に全社員を鼓舞し続けた大西社長に会長に就任
してもらい、路線統括本部長である植木専務に社長に就任してもらうことにした。

また、常務以上のメンバーによる常務会を設置し、経営上重要な事項は、
大西新会長、植木新社長を中心に、全員で徹底的に議論し、合議の上で結論を
だしていくような経営体制とした。

2012年5月には、2012年3月期の経営実績を発表することができた。

東日本大震災やタイの洪水など大変厳しい経済環境の中、当初の営業利益目標
757億円を大幅に上回る、2049億円を計上することができた。

それには、会社更生手続における財産評定による減価償却費や、円高による
燃油費の削減も寄与したが、一番大きな要因は、全社員のたゆまぬ努力である。

売り上げの伸びが余り期待できない中、全社員が自主的に経費削減に取り組み、
計画より800億円近く経費を減らすことができた。そのために、大幅に
目標を超える営業利益を残すことができた。

このような予想をはるかに上回る実績を上げたことに対し、高い評価を
いただく一方、会社更生手続の適用を受けた企業がこのように急回復する
のは何か不公平ではないかとの意見を耳にすることを、私は心から残念に
思っている。

競合他社の立場で考えるなら、国に頼らず自助努力で今期最高益を達成した
にも拘わらず、倒産した会社の方が業績が良かったことは不本意に感じられる
であろう。

しかし、日本航空(JAL)に対する支援内容の枠組みについては、
公的支援を決定した当時に、法律に基づき、欧米の事例なども踏まえ、
関係省庁や企業再生支援機構にて議論がなされて、社会的にも理解される
形で決まったものである。

結果として、業績が予想以上に良かったからといって、法律そのものに
不備があり、支援の枠組み自体が間違っていたのではないかという議論は、
まったく意味をなさないと感じている。

会社更生法が適用されるということは、それまでの経営が全面的に
否定されることであり、血を流すような厳しいリストラが義務付けられる
だけでなく、社会から厳しい糾弾を受け、企業イメージは著しく毀損する。

その代わり、債務カットが行われ、資産・負債評価の見直し手続である
財産評定が行われ減価償却費が減少する。これは、更生法適用会社に対する
一般的な制度であり、特別に日本航空(JAL)が優遇されたわけでは決してない。

また、日本航空(JAL)は、機構の支援により、約3000億円の融資を受けたが、
その資金を使い、安値販売をしたり、新鋭の機材の購入などに使うなど、
競争環境をゆがめたことはなく、1年以内に金利を含め全額を返済している。
さらに、日本航空(JAL)は多額の繰越欠損金があるため、課税所得の圧縮を
受けているが、これも一般の赤字会社と同じ扱いを受けているだけであり、
特別な優遇措置を受けているわけではない。また、再上場が成功すれば、
支援機構から出資いただいた3500億円を超えてお返しできるものと思う。

以上が、日本航空(JAL)のあらましである。

日本経済を復活させるためには、このような形で、国が出資する企業再生
支援機構のようなファンドが一定の役割を果たすケースも増えてくると
思われる。

その意味では、日本航空(JAL)の再生は、ひとつの先行事例になるであろう。

一方、今回のように、結果的に企業再生に成功した事例をもって、
不公平な支援があったのではないか、今後の活動を縛るべきではないか、
という方向になることは避けなければならない。

グローバルな競争の中で、欧米諸国には見られない日本特有の、
「出る杭は打つ」ような間違った風潮を助長することは、
今後、日本航空(JAL)のように復活を目指す多くの企業の足枷になってしまう
からである。

リーダーの条件

日本航空(JAL)は、まだまだ再建途上であり、お客様へのサービスなど改善する
余地は無限にある。新経営陣を先頭に、これからも決して慢心することなく、
さらなる努力を全社員で重ね、安全を堅持しつつ、本当にお客様から愛され、
全社員が物心両面で幸福を感じられるような、また国民の皆様からも支援して
よかったと思われる会社にしていきたいと思う。

さて、日本航空(JAL)は、長期低迷を続け、日本の衰退を象徴する企業であった。
しかし、お客様を含め多くの関係者の皆様のご支援と社員の懸命な努力により、
まだ多くの問題が残されているが、予想を超えるような復活を遂げつつある。

では、私が何か特別なことをしたかというとそうではない。難しい経営戦略を
練ったり、競合相手を出し抜くような策を考えたことは一切ない。

ただ、私は、前述したような、当たり前の改革を着実に実践していっただけであり、
どんな困難に直面しようと、逃げることなく、全員で力を合わせて、
それを乗り越えようと社員を励まし、縁あって同じ会社に勤めているのだから、
同じ価値観を持って、助け合い、前へ進もうと話してきただけである。

人間として、経営者として、当たり前のことを愚直に実行してきただけである。

しかし、現在の日本の大企業ではその当たり前のことが出来ていない
のではないだろうか。

目標を掲げ、優秀な一部のスタッフがそれを達成するための戦略を立案する。

トップは、それがまるで既に実現したかのようなプレゼンテーションを社内外で行う。

しかし、経済環境は当然変化し、すぐに大きな困難に直面する。
そのとき、それに真正面から取り組むことをせず、言い訳を探し、
そこから逃げようとしていないだろうか。

それでは、決して社員の協力を得ることはできず、
目標を達成することもできない。

どんな困難な状況に直面しようと、
リーダーは自らが掲げた目標に対し、
必ず達成させるという信念を持たなければならない。

そのうえで、全社員の力を結集させ、それに真正面から立ち向かわなければ、
成功はありえない。

そのためには、リーダーには、どんな苦労をしても物事を成し遂げようという
強い覚悟と意志、つまり不挽不屈の精神が必要となる。

また、一緒に苦労を共にする社員と、常日頃より、心の絆を結んでおかなければ
ならない。

私は、どんな苦境にある企業であれ、
リーダーが、素晴らしい社員に恵まれていることに感謝し、
社員を信じ、社員と一体となって、懸命な努力を重ねるなら、
道は必ず開けていくと確信している。

そして、そのような企業が増えていくなら、
日本経済は必ず復活できると信じている。
以上

日本航空(JAL)再生への3年間

−俺は君らの親父か爺さんぐらいの年や。素直に言うことを聞け
−稲盛和夫名誉会長が語る
出典:週刊朝日2013年3月22日号 第38頁〜第41頁

京セラや第二電電(KDDI)の創業者として知られる稲盛和夫氏(81)が、
会社更生法を適用された日本航空(JAL)の再建を引き受けて丸3年が過ぎた。

大方の下馬評を覆して業績をV字回復させ今期限りで取締役を退任する。

再上場に至る苦難の道のりと組織再生の秘訣を聞いた。

週刊朝日・森下香枝記者:
日本航空(JAL)は2010年1月、会社更生法を適用されて倒産
しましたが、2013年3月期の決算では、連結営業利益見通し
1860億円で好調を維持しています。

稲盛和夫名誉会長:
2013年1月7日に、米ボストン・ローガン国際空港で、ボーイング
787型機がバッテリーの発火事故を起こしました。日本航空(JAL)は7機を
保有し、ボストン線やサンディエゴ線など収益性が高い国際線6路線で
導入していました。事故原因がわかるまで運航停止になって、国際便が
多数欠航に追い込まれ、期末の決算に大きな影響が出ると覚悟して
いたんです。しかし、関連部門が代替機の運用などで一生懸命やり繰りし、
影響を最小限に食い止めることができました。不測の事態でしたが、
欧米や東南アジアの需要が好調に推移していることもあって運航停止に
伴う損失は挽回できる見通しです。

週刊朝日・森下香枝記者:
3年前、どん底だった日本航空(JAL)の再建を78歳という高齢で、
なぜ引き受けたんですか。

稲盛和夫名誉会長:
政府や企業再生支援機構から何度も繰り返し頼まれました。
最終的に引き受けたのは、三つの大義があると考えたからです。

一つ目は、日本航空(JAL)がつぶれると日本の航空会社は全日空(ANA)の
1社独占になってしまい、適正な運賃など国民にとって望ましいサービスが
提供されなくなるのではないかという懸念。

二つ目は、日本航空(JAL)のような大企業がつぶれると、日本経済全体の
先行きがどうなるかわからなくなるという危惧。

三つ目は、今のような就職難の時代に雇用をできるだけ守りたいと思ったことです。

倒産によって、4万8千人の従業員のうち1万6千人が去ることになりましたが、
3万2千人の雇用は何とか守れました。

週刊朝日・森下香枝記者:
再生の過程でいちばん苦労したことは何ですか。

稲盛和夫名誉会長:
日本航空(JAL)は、ナショナル・フラッグ・キャリアとしてもてはやされてきた
エリート集団で、官僚の天下りも大勢受け入れてきたので、倒産したとき、
社員たちは「自分たちのせいでつぶれたわけじゃない。経営の責任だ。
国が悪い」などと、どこか他人事のようで、当事者意識が希薄に見えました。

政府や企業再生支援機構が支援し、飛行機を飛ばし続けながら再生する
という手法を選択したので、つぶれた実感がないのかもしれない。

それなら、社員の考え方そのものを変えなければならないと決意しました。
そこで、「飛行機を止めると会社が再起不能になるので事業は継続しているが、
日本航空(JAL)は完全につぶれたんですよ。

政府の支援がなければ、皆さんは今頃、職業安定所に行って職を探さなければ
ならなかった。

これだけの迷惑を多くの関係者にかけ、再生しようとしている現実を直視し、
謙虚になってください」と諄々(じゅんじゅん)と説きました。

週刊朝日・森下香枝記者:
当初は日本航空(JAL)の二次破綻も取りざたされました。

稲盛和夫名誉会長:
日本航空(JAL)は倒産したので株主優待券がなくなり、
全日空(ANA)との価格競争になると非常に不利だと幹部たちは弱音を吐きました。

でも、「それは仕方ないだろう。うちが再上場すれば、株主優待券はまた出せる。
それまで辛抱して頑張ろう」と叱咤しました。

とはいえ、資金繰りの相談をすると、銀行から手厳しく叱責され、なかなか
お金を貸してもらえない。苦労の連続でした。

まあ、日本航空(JAL)が借金を踏み倒したんだから仕方ありませんが、
これはキツかった。

銀行幹部にお目にかかると最初に「多大なご迷惑をおかけし、
申し訳ありませんでした」と頭を下げましたが、「何を担保に、カネを貸してくれ
と言うんですか」と、けんもほろろの扱いでした。

経営を安定させるため、企業再生支援機構が注入してくれた3500億円の
資本金に加えて、機構から500億円程度増資すべきだとのお話があり、
一緒に出資者を探しましたが、127億円しか集まりませんでした。

エリート集団を「評論家」と一喝

週刊朝日・森下香枝記者:
会長就任後1カ月半の会見では、「毎日赤字を出しているのに、
責任体制が明確になっていない。日本航空(JAL)の役員たちは八百屋も
経営できないだろう」と酷評しました。

稲盛和夫名誉会長:
経営判断に必要な数字を要求しても、決算データが出てくるのは数か月後と
いう遅さでした。

これじゃあ、きちんと現状を把握できないと思い、早く出すように毎日のように
言っていました。

幹部たちは皆、エリートで自負心が強く、最初は私の言うことを素直に聞かず、
半信半疑の態度でした。

役員会で「あんたは評論家か」「俺は君らの親父か爺さんぐらいの年なんだから、
素直に言うことを聞け」と怒鳴ったことも度々ありましたね。

そこで意識改革のために、京セラでやっていた「コンパ」というコミュニケーション
ツールを持ち込みました。

週刊朝日・森下香枝記者:
それは何ですか。

稲盛和夫名誉会長:
50人ぐらい入れる会議室に長机とパイプいすを並べ、午後6時ぐらいに缶ビールと
おつまみを用意します。役員会などで堅苦しい議論をした後、ここで缶ビールを開け、
テーブルごとに和気あいあいとやる。最初は「倒産企業なのに不謹慎だ」という批判も
社内から出ましたが、再建へのいろんな課題を侃々諤々(かんかんがくがく)
ぶつけ合った効果は大きかった。今では嫌な顔をしている人はいませんね。
費用も一人千円ずつ徴収してやっています。

週刊朝日・森下香枝記者:
当初は、議論が白熱して、稲盛さんが役員におしぼりを投げつけたこともあった
と聞いています。

稲盛和夫名誉会長:
このコンパを通じてだんだんとうち解けていきました。幹部たちも経営に興味を持ち、
おもしろくなったんだと思います。そうすると、もともと航空知識が豊富で有能な社員が
多いので回復は早い。東日本大震災が起こったときも、社員が自分たちで判断して、
東北の空港へ臨時便をどんどん飛ばしましたし、今年のボーイング787のトラブルの
ときも自主的に動いてくれました。

週刊朝日・森下香枝記者:
会長就任前は、慇懃無礼な印象の日本航空(JAL)が嫌いだったそうですね。

稲盛和夫名誉会長:
以前の日本航空(JAL)は、一握りの経営陣と経営企画本部の連中が会社を動かして
いました。経営陣と一般社員、日本航空(JAL)本体と子会社は、いずれもバラバラで
一体感がなかった。

経営陣は責任を回避しているように見え、社員たちは常に上からの指示を待って
マニュアル仕事をするだけ。一致団結しようという覇気が感じられませんでした。

そうした意識を改めるため、「経営目的の一つは、全社員の物心両面の幸福を追求
することだ。全員で会社を経営していくというマインドを持とう」と理念に掲げました。

株主のためではなく、自らのための再生だと。

役員たちは「そんな理念は社会的に受け入れられない」と反発しましたが、
それまで無関心だった一般社員が目覚めました。

週刊朝日・森下香枝記者:
具体的にどう変わったんですか。

稲盛和夫名誉会長:
良い業績データだけでなく、悪いデータもきちんと開示すると、社員たちは納得して
業務改善に取り組んでくれました。例えば、機内販売の成績が振るわないと指摘すると、
キャビンアテンダントたちは、お客さまがどういうものをほしがっているかを徹底的に
市場調査し、自分たちで仕入れもするようになりました。

良い商品をより安く販売することで、利益をあげられるシステムを見事に作りました。

整備部門も、油だらけの手袋を捨てずに、洗って再使用したいと言いだした。
現場のマインドがみるみるうちに変化したんです。

週刊朝日・森下香枝記者:
再生の手応えを感じたのはいつごろですか。

稲盛和夫名誉会長:
リーダー教育を開始した10年6月ぐらいから徐々に成果が出始めました。

会社更生法を使った再建計画は強制力があり、金融機関との調整もスムーズに
いきました。

さらに、私が京セラなどで実践してきた「アメーバ経営(小集団の部門別採算制度)」の
導入も大きな効果があった。翌2011年3月期の連結決算は1884億円の利益が出て、
2012年3月期では2千億円を超える過去最高益を計上しました。

うまくいきすぎ国会でやり玉に

週刊朝日・森下香枝記者:
アメーバ経営の要諦は小集団ごとに「売り上げ最大、経費最小」にすることだ
とされています。コスト削減を社員に迫ったのですか。

稲盛和夫名誉会長:

いいえ。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長のようにコスト削減を強調するのではなく、
社員に経営のしかたをわからせることを重視しました。

パイロットは、コックピットの計器類の数字を細かくチェックしながら、
「まだ燃料は大丈夫か」「安全に飛んでいるか」といったことを判断します。

数字が少しでも狂えば、操縦に大きな影響を及ぼします。

経営者もパイロットと同じで、数字やデータに対する注意が最も重要です。

燃料不足なのに丼勘定で飛行機をむやみに動かし、乱気流に巻き込まれて
フラフラしたら、経営になりませんから。

常に数字を意識し、コックピットで操縦桿をしっかり握るというシンプルな論理を
説きました。コストカットを強いるより、社員たちに経営者感覚を身につけさせるほうが、
よほど効果的です。

週刊朝日・森下香枝記者:
再上場後、日本航空(JAL)への風当たりがまた強くなっています。

稲盛和夫名誉会長:
褒めてくれる人、ケチをつける人など世の中の反応は様々で、
困ったことだなと思っています。

週刊朝日・森下香枝記者:
日本航空(JAL)が再生できたのは、巨額の公的資金を注入され、
銀行に借金を棒引きしてもらったおかげなのに、倒産企業として法人税減税の
特別措置まで受けた。これは競争上、アンフェアだという批判もあります。

稲盛和夫名誉会長:
倒産後も飛行機を飛ばし続けるには資金が必要で、国から3500億円をお借り
しましたが、会社更生法が適用され、社員たちが必死に頑張った結果、
公的資金は金利をつけて、国庫へ全額お返ししました。

ただでいただいたお金は一銭もありません。

つぶれた会社がよみがえり、財務的に強くなることが、他の航空会社に直接何らかの
被害を与えたかというと、そうではないと思うんですよ。

日本航空(JAL)が不当な値引きをしたり、規模を拡大したりしていれば、
話は別ですけど。

週刊朝日・森下香枝記者:
2月に自民党議員が国会質問で、再上場した日本航空(JAL)が、
株を保有する外国人投資家に配当することを問題視しました。

稲盛和夫名誉会長:
税金も払わないで株の配当をするとは何事だと批判されますが、株式を上場し、
マーケットに出れば、配当するのは企業として当然のことです。

投資家は、株価の値上がりや配当を目当てに株を買うわけで、配当しなければ、
誰も日本航空(JAL)の株を買わず、国からお借りしたお金も返せませんでした。

こうしたご批判には困惑しています。

会長を引き受けストレスで喫煙

週刊朝日・森下香枝記者:
ずっと禁煙していたのに、JALの会長になってまた、
たばこを吸うようになったそうですね。

稲盛和夫名誉会長:
日本航空(JAL)に行ってストレスがたまり、一服して心労を紛らすようになりました。

ところが2013年1月末に、ダボス会議(世界経済フォーラム)の主催者、
クラウス・シュワブ氏から経営哲学を講演してほしいと招かれ、スイスへ行ったところ、
会場内は喫煙所がなく、零下10度の屋外でたばこを吸う羽目になった。
鼻水は出るわ、のどは痛いわ、風邪はひくわで、金輪際やめようと決めました。
まあ、業績も安定してきたので、もういいですよ。

週刊朝日・森下香枝記者:
この3年間に日本を見舞った最大の事件は東日本大震災でした。
被災地の復興の遅れが指摘されていますが、どうすれば早期に再建できるでしょうか。

稲盛和夫名誉会長:
本当に不思議なのは、
地震や津波で壊滅した場所の多くが、いまだに更地で、建物がほとんどないことです。

暴論かもしれませんが、終戦のときみたいに、被災した人々にバラックでも
何でもいいから家を造らせればいいのにな、と思います。

非常時なので、お金がないなら、政府が復興資金を低金利でどんどん貸せばいい。
物事を決めるのに時間ばかりかかって、被災者の気持ちがなえていくのが、
一番よくないですよ。

週刊朝日・森下香枝記者:
稲盛さんは民主党政権で内閣特別顧問を務めましたが、
昨年の衆院選で民主党は惨敗しました。

稲盛和夫名誉会長:
昨年末に顧問を辞め、官邸の通行パスなどをすべて返してから、
政治にはかかわっていません。

今の民主党には特に要望はありませんね。

民主党は今回の敗北を真剣に反省し、残った人たちだけでも結集するべきなのに、
バラバラで勢いがないのは残念です。

小沢一郎さんとも、もう長いことお目にかかっていません。民主党政権が迷走し、
振り子が振れた結果、自民党政権が復活しました。アベノミクスで経済が順調に
立ち直れば、政権は安定するかもしれませんが、いずれまた振り子が逆に振れる
こともあり得ます。政治は、振り子が大きく左右に揺れることを繰り返しながら進化
していく。国民がまた望めば、二大政党政治になるでしょう。

週刊朝日・森下香枝記者:
昨年、産業能率大の「社長が選ぶ今年の社長」で第1位になりました。

稲盛和夫名誉会長:
いやあ、もう81歳なので、第一線からは身を引かせてもらいたい。

日本航空(JAL)の取締役の任期は6月の株主総会までですが、
3月末に辞表を出す予定です。

今後も経営陣の相談には乗るつもりですが、
これからは理事長を務める「稲盛財団」や、企業家・中小企業経営者らを育成する
経営塾「盛和塾」などのボランティア活動を中心に据えたいと考えています。
以上













The Resolution to achieve  Aug.18, 2014

The Purpose of Business
from the book written by Kazuo Inamori

One year after I founded Kyocera, I realized that I had started
something outrageous.

Eight of us started the company to prove that the technology
we developed could be accepted by society.

But before long, several young people we had hired demanded
that we guarantee their future income!

I had to seriously ponder the question, "What is an enterprise?"
I was in no position to guarantee anybody's future livelihood,
not even my own family's.

Still, these employees were entrusting their future to our company.

There was no way that we could betray the expectations of
our employees, who were basing their lives on their jobs with us.

Three days and nights of impassioned discussions made me change
Kyocera's corporate mission.

We shifted our priority from technology to employees.

Kyocera's management rationale is to provide opportunities
for the material and intellectual growth of all our employees, and,
through our joint effort, contribute to the advancement of society
and mankind.

Our business shall strive first to provide opportunities
for our employees. Building upon this, we shall jointly contribute to
the progress of technology, society, and humankind.

I believe these are the only worthwhile objectives of our business.

Make Customers Happy

It's a cliche to say that the way to a profitable business is to
"make customers happy."

Still, some companies misunderstand the real meaning of "profit"
and run their business solely for their own benefit.

Such an attitude should never exist.

The principle of business is to please people.
We must certainly make our outside customers happy.
And we must please our internal customers, too - the other employees
and departments who depend on us.

The reason we work hard to meet a deadline is to deliver our products
when our customers need them. We make state-of-the-art products
to meet and exceed our customers' expectations.

We continually develop new products to help our customers
make more profit themselves.

Everything we do in business derives from our principle of pleasing
our customers.

Too many people think only of their own profit. But business opportunity
seldom knocks on the door of self-centered people. No customer ever
goes to a store merely to please the storekeeper.

Persons who can successfully manage a great business are
those who can make their customers more profitable.

This attitude will invite more business opportunities and bring profit
to their own company.

The Essence of Business

As society develops, age-old truths get lost among complex circumstances.

In managing a business, we should never forget what the essence of
our business is.

Right before the first OPEC oil crisis, a land boom started inJapan.
Many companies vied with one another to purchase land, expecting prices
to skyrocket. Our banker, in fact, came to plead with us. He said he was
delighted that we were depositing our profits with him - yet as our banker,
he felt compelled to advise us that we could be making a fortune by investing
in real estate!

I politely replied that our business was to make profit in the traditional way
by manufacturing products and adding value, not by speculating on land prices.

Then the old crisis came, and most companies had their money tied up in land.
Kyocera, however, was able to use its liquid assets to invest in plants and
equipment. I was praised for our excellent balance sheets and my "clairvoyance."

Of course, no one can foresee the future. But while others looked
at the facade, I held on to basic truths and principles and adhered
to what I believed was the essence of our business.

Follow Profit & Loss Daily

You cannot successfully manage a business like a guru(religious leader)
in seclusion, looking down on others at a gret distance and occasionally
bestowing a few words of wisdom. Instead, think of it as a slow
accumulation of daily routine activities.

Managing a business, whether it is a large corporation or a small shop,
is a daily accumulation of numbers. We can't manage without analyzing
expenses and sales on a regular basis.

But looking at a monthly income statement to run your business is still
not enough. Your monthly profit is based on the daily accumulation of
operational results.

Therefore, you must behave as if your profit and loss statement is being
produced every day, and manage your operation accordingly.

Operating our business without paying attention to the daily figures
would be like flying an airplane without looking at theinstrument panel.

We would lose track of where we were flying and where we were
supposed to land. The same can be said of operating a business.

If we don't keep an eye on daily business operations,
we will never reach our goal.

An income statement is a portrait of how the manager has behaved daily.

Passion Leads to Success

When I evaluate anyone, I consider that person's talent and ability.
But I believe it is equally important to consider the passion that person
possesses.

That's because if you have passion, you can accomplish almost anything.

If you don't have ability, but have passion, you can arrange to have
capable people around you. Even if you don't have funds or facilities,
people will respond to your dreams if you allow your passion to persuade
them.

Your passion is the source of success and accomplishment;

the stronger your will, enthusiasm, and passion for success, the
better your chance to succeed.

Passion is a state in which you think of something 24 hours a day,
even as you sleep.

In reality, it is impossible to keep thinking consciously 24 hours a day.

However, it is important to maintain such an intention.
In so doing, your desire will reach your subconscious mind - which can
indeed remain focused asleep or awake.

The key to success is your passion.


The Drama Called "Enterprise"

I regard a company as a theatrical troupe of sorts which performs a drama
called "Enterprise."

Many different roles are needed to stage a drama.

A famous actor and actress may play starring roles.
And there are protagonists, heroes, villains, and enemies.
The backstage crew, musicians, and electricians all work together
to produce the play.

All human beings are equal;
these actors merely have different roles.

If the stars wore stagehands' work clothes, the drama probably
wouldn't make sense. Actors and actresses have to dress and
act their part.

And, so it is with a company. Being the president is just a role.
If the chief executive officer is shabbily dressed, the company's
image may suffer.

Officers also receive certain privileges that are commensurate
with their responsibilities, because it is their role.

However, this does not permit them to be opportunistic or take
advantage of others - that would constitute an abuse of authority.

The quality of a company reflects the passion for excellence that
each member of the cast displays.

While the roles may differ, each actor or actress is a professional
in his or her own right.

Passion with a Pure Mind

True passion can bring you success.

But if the passion arises from your own greed or self-interest,
the success will be short-lived.

If you become insensitive to what is right for society, and start
pushing ahead thinking only about yourself, the same passion
which brought you success initially will cause you to fail in the end.

Ultimately, success depends on the purity of the desire that reaches
our subconscious minds.

It would be ideal if we could rid ourselves of our selfishness and
have completely altruistic and pure desires for humanity and society.

But it is almost impossible for us, as human beings,to fully eradicate
our self-interest and greed. And we should not feel ashamed of this.
We need some egotistic desires as part of the self-preservation
mechanism that keeps us alive.

But we also need to make an effort to control them.

We should at least shift our work objective from working just
for ourselves to doing so for our group.

By shifting our objective away from ourselves to others,
the purity of our desire will increase.

Eventually, the strong desire of a pure mind will prevail.

It has often been my experience, when I am agonizing and worrying
over a purely selfless desire, to suddenly see a solutionto the problem.

I like to think of this as a Higher Power granting me an insight
by letting my desperate but pure desire reach my subconscious mind.

Pursue Profit Fairly

Employees have to achieve profitability for the sake of their enterprise
and their people.

This is nothing to be ashamed of. In the free market where
the principle of free competition functions, the profit we gain is
a just reward for doing business in a rightful manner.

We streamline our operations to deliver high-valued products
to our customers at minimal cost.

Managers and workers earn profit byworking hard.

We should be proud of it.

However, we should not let the pursuit of profit overwhelm us.
We should never succumb to the temptation to seek profit shamelessly.
We must remain on the path of righteousness.

We gain profit fairly through hard work to provide the quality
products our customers demand.

We should never dream of making a fortune at a single stroke
through underhanded means.

For example, at the height of the oil crisis, some executives directed
their companies to hold back their merchandise deliberately and
raise prices.

I wonder how many of these unscrupulous managers are still
in executive offices today.

In a free market, profit is society's reward for those who serve its interests.

Ameba Management

"To drive a car, you need to turn your starter to get your engine going,"
I have been telling my executives.

Likewise, to start a major project, you need managers who share your
passion and use it to motivate their employees.

When
Kyocera was building its second plant, I became concerned.
We were a young company, growing rapidly because of our entrepreneurial
passion. But I worried that we might eventually become like any other
large corporation - a bureaucracy without any pioneering passion.

I wanted to raise entrepreneurs in Kyocera.

I thus divided our company into small profit centers called
amebas.
Each is a small venture business with one person acting as the leader,
or nucleus. A typical
ameba buys everything it needs from outside
the company or from other
amebas.

It profits by selling its products and services to others or to outside
customers. Each
ameba shares in the passion of the ameba leader,
and is evaluated by its hourly efficiency - the average added value
per work-hour of its members.

Several small
amebas make up larger amebas which, in turn,
are grouped into even larger
amebas.

Kyocera itself is a gigantic ameba, composed of thousands of amebas
all over the world.

Ignite your managers with your passion, so they may ignite passion
in their subordinates.


Pricing is Management

I tell my staff that pricing is management.

It is commonly believed that your price should be slightly
below the market price to compete in the marketplace.

You may lower your profit and sell as much as you can;
or you can price your goods near the market price,
maximize your margin, and expect to sell a lower quantity.

There is an infinite choice of pricing.

In other words, we try to maximize the mathematical product
of the quantity sold times the average selling price.

But many factors influence sales.
No simple answer is found.
It is very difficult to estimate the volume of sales
at any given profit margin.

But, because this pricing will have such an important influence
on business performance.

I believe that only the top management should ultimately set prices.

In pricing, the goal is to find the maximum price customers
will be happy to pay for your product. If it is too high,
customers will not buy.

If it is too low, customers may be happy but gross margin may be
inadequate to maintain your operation no matter how much you sell.

The philosophy at the top will decide the pricing.

An aggressive manager will set an aggressive price
while a cautious manager will price conservatively.

Pricing affects business performance.

It is a reflection of management's capability and philosophy.


Market-set Pricing

In pricing, I don't start from the cost accounting concept.
That is, I don't establish a price by using a preset profit margin
in this common formula:

Price =Cost of Goods + Overhead Costs + Profit

Generally, price is decided by the free-market mechanism.
In short, the customers decide the price.

Since the price is decided by the market, we must continually
minimize our manufacturing costs. The difference between our cost
of goods and our price is the base for our gross profit.
That means our effort to minimize manufacturing costs is, in fact,
an effort to maximize our profit.

To minimize manufacturing costs, we should eliminate all preconceptions
and common knowledge, such as worrying about the ideal percentages of
material cost, labor cost, overhead expenses, and so on.

We should scrutinize all areas and eliminate any unnecessary expenses.
We have to come up with the least costly method of manufacturing
our product with the quality and price the market demands.

In this sense, a penny saved is, indeed, a penny earned.

Maximizing profit while fully satisfying our customers' needs and desires
- this is the essence of business!


After-tax Profit

Think of taxes as necessary business expenses paid
to support the communities in which we operate.

For business executives, paying taxes is as painful as cutting our
own flesh. Each year, we have to surrender more than half of
the profit we worked so hard to earn.

And even though some of our profits are in receivables and other
noncash forms, we still have to pay our tax in cash.

Taxation is merciless!
Perhaps only executives can appreciate this feeling.

Employees may think it's just the company's money.
But for us, it almost feels like someone is stealing our savings.
That's why some executives will resort to any cheap trick to avoid
paying taxes.

This, of course, is wrong.

A company's profit does not belong to the executives.

Further, the taxes we pay are used to benefit society.
We should not selfishly hide our profit from taxation.

To avoid "tax resentment," we must look at our profit objectively
for what it is. Profit is a grade or a score, like in a game, of the credit
that society gives us in return for our contribution.

When I look at profit that way, I can be more objective and not so
possessive. In other words, only after-tax net profit is the true profit.
Taxes are business expenses which we must incur.

After-tax profit is the only profit given to us for our business efforts.

Taxes are our necessary business expenses

Some owners of very profitable businesses deliberately take measures
to keep their profit low. In other words, they splurge on lavish entertainment,
boondoggle trips, and unnecessary expenses to reduce taxable income.

It is true that more than half our profit is taken away each year in taxes.
Still, the rest is left to the company. The true spirit of business management
should be to cherish the after-tax profit.

It is said that the equity ratios of most Japanese companies are very low
because of Japan's tax system. I rather think it is a matter of the philosophy
of business executives.

No matter how much we have to pay in taxes, we must never stop our efforts
to raise our profitability.

I now treat taxes as a part of our necessary business expenses, and
assiduously accumulate after-tax profits within our company.

Today, we have hefty internal reserves which provide stability and flexibility
to our company and work opportunities for our employees. This strength
also enables us to tackle challenging new ventures.

Set a Visible Goall

When we set our annual master plan, I challenge myself and others
against setting low, easily attainable targets.

Rather, I want each ameba to have ambitious goals based upon our
strong desire to achieve.

I say, "Boast and then make it come true."

Even though someone may fail to achieve his or her plan,
I do not necessarily go after the results only. But this does not
mean it is all right to let our plans go unachieved;

if the plan continues to be unachieved year after year,
our employees will lose their confidence and ability to attain goals.
It is important to meet our targets.

Everyone has to share the same goal to achieve a target.
If the only people interested in attaining the goal were top executives,
the goal would never be achieved.

Structure your company so that even the smallest units of the organization
have their own plans.

Persuade each person to work hard to pursue his or her part of the plan
and to help the division meet its plan.

Then, as each ameba's plan is met, the overall plan for the organization
will be accomplished as a matter of course.

Set plans every month to translate the annual plan intoa more tangible
and motivating target.

A master plan must be shared with all employees and translated into goals
that are ardently desired by all.

Any Economy has been operatng on a cycle

When a recession hits, many business owners look to government
for a solution. They ask for additional spending, tax cuts, or
lower interest rates to stimulate growth.

Everyone seems to have his or her own opinion.

In truth, any economy has good and bad periods - and no single cycle
has ever lasted forever. Japan, for example, has experienced many
recessions of varying degree and used each one as a stepping stone
to the next phase of growth.

On the whole, Japan's economy has progressed continually upward.

But because of this historic background, many Japanese managers
erroneously believe that their economy will keep growing forever.

The most fundamental fact is that any economy has been operating
on a cycle. The bull and the bear are facts of life, and preparing
for bad times during the good is the most basic rule of management.

Unfortunately, many of today's managers have forgotten this rule
and have become weak-kneed - dependent on government or
some divine intervention for a recovery.

In my opinion, the term "management" should refer to managing
- building a reserve during good times so a recession won't leave
us crying for help.The cycle of good and bad times is a matter of
course in business.

In fact, a painful recession teaches managers something precious:
it instills within their hearts the desire to manage conservatively
during the "boom," and to build a reserve that can outlast
the inevitable "bust."

During Japan's so-called "bubble economy," however, anyone could
get rich by simply buying land or stock. Debts of millions of dollars
were nothing to worry about. Money came easily in vast amounts
as if it simply bubbled up from nowhere.

Yet nobody ever sounded a warning, and hardly anyone exercised
restraint. Instead, an entire generation kept silent as the profits rolled
in - and then, at the sight of the first loss, we panicked.

This mentality also led the stock market into a "loss-compensation"
scandal. At that time, people were getting rich in stocks by simply
entrusting large sums of money with securities firms.

Once these people began to lose money, they had the nerve to demand
compensation - and they got it!

Bulls and bears are the basic tenets of trading.

Corporate financiers have attempted to defy this rule, almost
as if they could defy gravity - and had they succeeded,
they might have destroyed the entire stock market.

Be the Center of possitive achieving action
- Vortex Center


There are three basic types of materials.
They are combustible material, noncombustible material, and
very slowly combustible material.

Combustible material begins to burn when it comes near a fire.

Noncombustible material does not burn, even when it is in the fire.

Very slowlycombustible material begins to burn when it become
too hot from inside.

I classify human beings in the same way.

The most productive person is a very slowly combustible man and
woman when they become a selfstarter. Because enthusiasm and
passion in their minds are the basic factors necessary for achieving anything.

A noncombustible person is one who may be talented, but is nihilistic
and insensitive, and are usually unable to feel emotion and passion.

Noncombustible people are usually unable to accomplishanything difficult
in spite of their abilities with no enthusiasm and no passion .

Combustible people can at least become motivated when surrounded
by motivated people. They can at least start burning when they come
near motivated people.

We really need motivated people who have become fired up with
their own energy. Such people can burn and give energy to others
around them. You must engulf others in your enthusiasm and passion.

There is a limit to what one person alone can achieve. In your work,
you have to cooperate with people around you - your supervisors,
subordinates, and colleagues.

However, you should aggressively pursue your work so the people
around you will be spontaneously cooperate with you.
This is what I call "working in the center of the possitive achieving action."

You might end up being outside the possitive achieving action
with someone else in the center of it. In a company there are many
business , the possitive achieving actions like currents eddying everywhere.
If you are just floating around them, you will be engulfed in them.

To experience the real joy and zest of work, you have to be in the center
of the possitive achieving actions - vortexes, and tackle your job as
aggressively as if you were engulfing the other people around you.

Whether or not your way of thinking is independent aggressive enough to create
your own possitive achieving action will decide only the result of your work,
but also the result of your life.


Re:
志村英盛 黒字経営実践

「感謝貢献」の経営理念を明確にする

予習挑戦型へ脱皮して潜在能力を開発する


参考サイト:
82歳国際派診断士のチャレンジ「学習時間は自分で捻出するもの」 2017年5月


『生きる場を広げるため学び続ける仕組みを創れ』

未経験のこと、すなわち、今までやったことのないことに挑戦すると、
失敗はつきものである。従って、うまくいかないことや、挑戦失敗を、
苦にしたり、悔やんだり、悩んだりすることはない。

しかし、挑戦失敗を教訓にして、学び続けることは必要である。
学び続けることによって新しく蓄積されていく知識・情報が生きる場を
広げる力
(ちから)そのものなのである。

高江常男さんが、何万回もの失敗を乗り越えて、あきらめずに、
学び続けた生き方に深い感銘を受けている。


学び続けることは最高の幸福です。
意識
身体も、使わないと、どんどん錆びつく!
学び続けることは

廃用性萎縮を防ぐ最良の健康法です。





2015年12月 文化出版局 発行

志村冨美子・横浜レース教室、八王子レース教室、本郷台レース教室

TEL:045−352−7184







以上