色んな江戸小唄

小唄には沢山の曲があります。
その中から簡単なものを幾つかご紹介しましょう。

曲目数は段々増やしてまいります。

♪とんとんとんがらし♪

とーん とーん 唐辛子(とんがらし)の粉(こ)
ひりりと辛いは山椒(さんしょ)の実
香りのよいのは 紫蘇の葉

【解説】
春木流で一番最初に習う、短い唄です。歌詞は「江戸の物売りの売り声」です。
江戸の町には、色んな物を売り歩く棒手振り(ぼてふり)という人達がいて、
その中に「七味唐辛子売り」も居たわけですね。
今でいう「金魚〜えぇ〜、金魚!」や「い〜しや〜き芋〜」と同じです。

♪行きに寄ろうか♪

行きに寄ろうか 帰りにしよか
ならば 行きにも帰りにも しょんがいな

【解説】
これも初心者向けの短い唄です。
男の人の気持ちを歌ってます。
ちょいと惚れた女(遊女かな?)から「遊びに来てよ」と艶のある連絡。
男は用事があるのでしょう。行きがけに寄ろうか、帰りにしようか、迷います。
でも結局は、「えぇい、行きにも帰りにも寄っちゃお!」ということに。
最後の「しょんがいな」というのは、「しょうがないなぁ」という意味です。

♪せかれ♪

せかれせかれて くよくよ暮らすえ
たまに逢う夜は せかれては逢い
逢うてはせかれ 別れともない 明けの鐘

【解説】
吉原の遊女の気持ちを唄っています。
遊女とはいえ、惚れた男ができるもの。
でも男は客ですから、逢いたい時に逢えるってものじゃない。
だから、逢えない日にはくよくよ暮らし、やっと逢えたと思ったら夜はすぐ明ける。
「別れたくないわ」と思うのに、夜明けを告げる鐘の音がしてきます。

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