「名曲の地を訪ねて」  〜 アンコ椿は恋の花 〜  2008年6月8日

 今回の曲は、「アンコ椿は恋の花」です。
 前回と前々回の歌碑に続いて、この勢いで、以前に行ったことのある、伊豆大島の歌碑の紹介します。
 ネタが無いというか、出かけないけど更新はしたいので、やけくそ気味です。
 では、どうぞ。


さて、いきなり歌詞にあります「波浮港」(はぶみなと)です。



伊豆大島の南側にある、静かで小さな港。

伊豆大島で一番栄えている元町(元町港)から車で20分かからないくらいです。
島は一周しても約50kmぐらいかな。


港を囲む山の上に「見晴らし台」と「歌碑」があります。




「歌碑」です。

題名の「アンコ」と、歌詞中の「あんこ」は、なぜかカタカナとひらがなとになっていますので、
歌碑を尊重してカタカナをタイトルにしました。




「歌碑」と「見晴らし台」全景です。手前の道路は210号線、島の環状です。
この向こうに港を見下ろせます。



では、見下ろしてください。



この日は小雨で、少しガスっぽくなってます。残念。


上の写真の右側になります。港の出入り口側です。





これはおまけです。
「筆岩」と言います。波浮港よりさらに南に走るとこの光景があります。
なぜこのような形になったのでしょうね。




さて、歌詞には三原山も出てきますね。
次は三原山です。
伊豆大島のほぼ中央になります。


写真のような険しい登山道を進んで行きます。



実は、きれいに整備された舗装道路があり、バスやタクシーでもほぼ山頂まで行きます。
物好きなので登山道を行きました。


はい、到着。
山頂駐車場付近から火口(お鉢)に向けた写真です。




三原山の詳しいデータや登山日記は、
「山頂を訪ねて」のページで紹介しています。


ここからは、火口に向かっては徒歩で進むことになります。

途中まで舗装されています。

火口です。


歌詞には煙が上がってる話になっていますね。
今でこそ静かで、火口付近も遊歩道になっていますが、歌は1964年のことです。

1986年に大噴火しました。島内の火山博物館でも紹介しています。



写真ではわかりにくですが、煙がもやもやと出ています。

とても歌のように町から見えるような煙ではありません。
ちょっと湯気のような煙が出てるかな、と言う程度です。



下は、2001年に三原山に行った時の写真です。
馬に乗って観光できるようになっていました。

今回(2008年夏)に行ったときは、ぜんぜん馬の気配や看板すらなかったなあ。



歌のタイトルには「アンコ椿は恋の花」とあり、歌詞にも何度も「あんこ」が出てきます。
ところで、この「あんこ」って何でしょう。ご存知ですか?

「あんこ」は伊豆諸島での方言のようです。
意味は、なんとなくふさわしい順に、「姉さん」「お姉さん」「お姉ちゃん」「島の娘」「娘」「お嬢さん」を指します。特に、年上の女性に親しみを込めて呼ぶ場合に用いるようです。
「姉っこ」「姉こ」がなまって「あんこ」になったとか。
年上の女性とはいっても、歌詞では、若い娘さんを表してるようですね。

なぜ、「あんこ椿」なのかは不明です。 「椿娘」「椿のお嬢さん」、「ミス椿」と言ったところでしょうか。


じゃあ、なぜ「椿」が出てくるのか?
椿は、伊豆大島の名産品です。椿油が有名です。他に、明日葉、クサヤ、塩、牛乳(乳製品)があります。

椿の花はご存知ですよね。では、実は?



写真は「椿の実」です。

コーヒーの実にをひと回り大きくしたような感じに見えます。




メインは椿油ですが、実や、枝を使って、民芸品などもつくります。



これは、民宿の門ですが、塀の内側に椿の木があります。
向かって左上の木がそうです。

身近な木であることがわかりますね。


余談ですが、伊豆諸島を就航している、東海汽船の「かめりあ丸」は、この椿のラテン語(英語?)からとったと思われます。
 椿 = camellia (カメリア) です。
この camellia は、椿を自国ヨーロッパに持ち帰った、モラヴィアの宣教師G.J. Camellusから由来しているようです。

東海汽船で思いだしましたが、伊豆大島では定期船の発着が、元町港と岡田港とを利用しており、当日にならないとどちらに発着するかわかりません。 東京から大島に着いて、どちらの港に着くか直前まで不明ということです。二つの港はバスで20分ほど離れています。

潮や波、風、天候の違いでしょうか?
そんなに違わないような日もありますので、未だ不明です。平等性かな。でもそれなら、当日急にじゃなくて、前もって発表できるだろうし。
次回、聞いてみます。
なぜこんな話をするかと言うと、歌詞に、「三日おくれの 便りをのせて」とあります。これを聞くたびに、東海汽船の運行を思いだしてしまうのです。
島は天候によって運行状況がかわりますからね。



「かめりあ丸」 横浜国際大桟橋にて
疑問が沸いてきました。
波浮港は漁船らしき船しか見当たりませんでしたが、もしかして、貨物は波浮港で客船が元町港、岡田港なのかなぁ。
椿は花びらがバラバラに散るというより、「花」ごとポトッと落ちてしまうので、この様子が首のところからから頭が落ちる様子を連想することで、病人や受験の方々には忌み嫌う花とされています。
ですが、赤いその艶やかさから、古くから親しまれています。
とうとう、「恋の花」になってしまいましたね。
皆さん、ちゃんと咲かせてますか?

私は、ハラハラ散って・・・、 いえ、花が丸ごと落ち・・・・、あっ、まだ咲いてな・・・・、あー、芽も出てなかった。

以上、「名曲の地を訪ねて」でした。


◆『アンコ椿は恋の花』データ

  『アンコ椿は恋の花』(あんこつばきはこいのはな)   作詞 星野哲郎   作曲 市川昭介 唄 都はるみ   昭和39年(1964年)

三日おくれの 便りをのせて
船が行く行く 波浮港
いくら好きでも あなたは遠い
波の彼方へ 去ったきり
あんこ便りは あんこ便りは
ああ 片便り


三原山から 吹き出す煙
北へなびけば 思いだす
惚れちゃならない 都の人に
よせる思いが 灯ともえて
あんこ椿は あんこ椿は
ああ すすり泣き


風にひらひら かすりの裾が
舞えばはずかし 十六の
長い黒髪 プッツリ切って
かえるカモメに たくしたや
あんこつぼみは あんこつぼみは
ああ 恋の花



◆場所
    *伊豆大島
    *歌碑がある所 : 東京都大島町波浮港17付近  道路210号線脇

◆今回のスケジュール
    *「山頂を訪ねて」の三原山のページを参照ください。


◆行きたくなってしまった人へ
    *「山頂を訪ねて」の三原山のページを参照ください。
    *本文に書きましたが、船で伊豆大島に行くと、元町港に着く場合と岡田港に着く場合があります。あわてないでください。びっくりした私です。
    *三原山は徒歩で登山しても、3時間かかりません。バスが運行していますが、本数が少ないのでご注意を。
    *島内の移動はレンタカーがいいと思います。
    *移動は思い通りに行かない場合があります。観光は帰りの船の時刻にご注意を。

◆服装と持ち物
  下記の表は、日帰りの持ち物の参考です。
   品目に○が付いているものは、「あればいいかな」というものです。
   それ以外は必需品です。が、使わないでも「嘘つき!」とは言わないでください。

    *「山頂を訪ねて」の三原山に同じ。
品目 詳細内容 備考


◆その他
   波浮港は、野口雨情の「波浮の港」が有名のようですね。私は知りませんでしたが。

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