「名曲の地を訪ねて」 〜 無縁坂 〜 2009年5月4日
前回の『檸檬』で紹介した「聖橋」のついでみたいな感じで行ってきました。
曲としては、この『無縁坂』のほうが有名ですね。今回は、『無縁坂』(むえんざか) 作詞・作曲:さだまさし。
歌:グレープ
行ってきたのは、タイトルそのまま「無縁坂」です。
前回の『檸檬』で紹介した「聖橋」や「湯島聖堂」から北へ約1.5km歩いて行きました。
では、写真をどうぞ。
「無縁坂」は上野の不忍池から西側にちょっと離れたところです。 普通の住宅街ですが、この坂の隣(壁)は、旧岩崎邸です。 「無縁坂」の由来は、この坂の上に無縁寺があったからだそうです。 ん?今でもあるのかな。 「無縁坂」を見上げたところ。 左側の壁が旧岩崎邸です。 石垣は趣がありますが、レンガはなんだか古い刑務所のように感じるのは私だけでしょうか。 刑務所って、あまり見たことありませんが。 |
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坂の途中に、「無縁坂」を紹介した看板があります。 「無縁坂」を説明する看板。 内容は、森鴎外の「雁」の一説にこの「無縁坂」がでてきて、 親しまれているという内容です。 さだまさしさん、もしくは、「グレープ」のことは一切書いていません。 でも、小説の一部に出てくる「無縁坂」と、 「グレープ」の「無縁坂」を聞いて訪れる人と、 どちらが多いかというと、後者だと私は信じて疑いません。 でも、今後、歌は忘れ去られて、小説は残りそうなのは残念です。 |
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「グレープ」とは、さだまさしさんと吉田正美(吉田政美)さんが結成していたグループ名です。 デュオとして活動していたわけですね。 私がさださんの曲を知ってファンになったのは、もう、ソロ活動をしていたときです。 「無縁坂」を見下ろしたところ。 この壁の向かい側(写真の左側)は、普通のマンションです。 |
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壁の向こうの旧岩崎邸は見学できます。 もちろん、岩崎家とは、三菱の創設者の家系ですね。 「旧岩崎邸の正面門」 この通りを行って、交差点左が「無縁坂」です。 |
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正面門から、庭園のジャリの坂道を登っていくと、立派な洋館があります。 旧岩崎邸の設計は、英国人ジョサイア・コンドルさんで、 御茶ノ水にある「ニコライ堂」の設計もコンドルさん設計だそうです。 「旧岩崎邸」玄関 中庭から ほとんど各部屋に暖炉があります。 また、室内の壁紙が特徴で、金唐紙(きんからがみ)といわれるものが貼ってあります。 |
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歌詞の話しに戻ります。 若干、暗い歌ではありますが、母親のたくましさを感じます。 「後ろだけは見ちゃダメと」の節は、 立派な言葉や長い説明よりも単純明解です。 子供に言うと同時に、改めて自分にも言い聞かせているようです。 この言葉には私も力をもらっています。 ![]() |
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「運」の良し悪しは確かにありますね。 「運」も「実力」のうちとは良く言ったものです。 ![]() |
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でも、ボーッとしていて、幸運が降ってくることは、まずありません。 ときどき、勘違いしている人がいると思うのですが、「プラス思考」とか、「前向き」とかって、 根拠の無い幸運を期待して待っている人とか、不運に鈍感な事ではないですよね。 課題に対して、次は何をしたらいいか、こうすればうまくいくはずとか、次の行動を思考して実行できる人のことかと思います。 何か意にそぐわないことがあっても、次は何かしら対策や予防をする。 危機は危機で、マイナス要素を予測することは「マイナス思考」ではありません。ダメージを最小限に抑える。 不運の中にも、最大限の可能性と喜びを見出す思考でしょうか。 |
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ちょっと、カッコいいことを書いてみました。 理屈ではわかっていても、感情が邪魔するときってありますけどね。 でも、やっぱり居るんですよ、根拠の無い幸運を待ってるだけの人。 あるいは、前述の危機予測やマイナス要素などの予測、つまり、リスクマネージメントができない人もいます。 重傷は、リスクマネージメント的マイナス予測をあえてしない人や、それをマイナス思考として嫌う人。 その反対の人もいます。 そのまま、マイナス思考です。 なんでも「どうせ、うまくいかない。」「これはこうだからダメ」って思う”だけ”の人。自らの幸運を潰す人。 |
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![]() 「無縁坂」の歩道 坂の歩道には、並木の根元ごとに無縁坂の文字が埋め込まれています。 他に、野鳥などの案内も埋め込まれています。 |
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歌詞に、「ささやかな僕の母の人生」とあります。 母親、もしくは妻、女性としての幸せってなんでしょうね。 よく、偉業を成す人(男性)を支える妻(その他女性)みたいな話を耳にしますが、 その反対って、あまり聞きませんよね。いえ、無いとは言いません。 家族を支える存在として、また、家族の喜びを自分の喜びと感じて それに向かって努力することができる存在ですよね。 いえ、もちろん男性にそれができないと言うわけではありません。 ![]() とにかく、女性が、あまり「私が私が」と、前面にでることは少ないようです。 日本は特にそうかもしれません。 社会がそうしてしまったのでしょうか。 それとも、生物的にそのような思考ができるようになってるのでしょうか。 女性には男にはわからない幸せも実感できるようになってるのかもしれません。 しかし、男の私には永遠にわかりません。 |
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ところで、私の母は、強烈なプラス思考です。 その母に私は全然親孝行らしい事をしていません。 でも、ひょっとすると、文句を言いながらも、 私の世話をやくのが母の幸せなのじゃないかなと思い、 いい大人になっても、世話をやかせてあげてます。 |
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歌詞にあるように、やっぱり、「いつかしら僕よりも母は小さく」なり、もう、長いこと経ちます。 運がいいとか悪いとか確かにあるかと思いますが、 どうか、何かいいことが母にあってほしいものです。 |
◆『無縁坂』データ
『無縁坂』(むえんざか) 作詞・作曲:さだまさし 歌:グレープ 1975年リリース
母がまだ若い頃僕の手をひいて
この坂を 登る度
いつも ため息をついた
ため息つけば それで済む
後だけは見ちゃだめと
笑ってた 白い手は
とても やわらかだった
運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
そうゆうことって 確かにあると
あなたをみてて そう思う
忍ぶ 不忍(しのばず)無縁坂 かみしめる様な
ささやかな僕の 母の人生
(間奏)
いつかしら 僕よりも
母は小さくなった
知らぬまに
白い手は とても小さくなった
母はすべてを暦に刻んで
流して来たんだろう
悲しさや 苦しさは
きっと あったはずなのに
運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
めぐる暦は季節の中で
漂い乍ら 過ぎてゆく
忍ぶ 不忍無縁坂 かみしめる様な
ささやかな僕の 母の人生
◆場所
* 無縁坂
東京都 文京区 湯島4丁目
旧岩崎邸は、台東区池之端1-3-45 です。
◆今回のスケジュール
*休日の10:30頃に御茶ノ水駅に到着。ホームから早速「聖橋」を撮影。ライトアップ用のライトも撮ってみた。
「聖橋」と「湯島聖堂」を見学してから、徒歩で「無縁坂」へ。
先に、「旧岩崎邸」を見てから、「無縁坂」を見学。
弥生美術館(竹下夢二美術館)も見学。
上野動物園内を通って、上野駅へ。
この日は、みどりの日で、「旧岩崎邸」と「上野動物園」は無料でした。行ってから知りました。ラッキー。
◆行きたくなってしまった人へ
*坂は普通の住宅街の坂です。ついでに「旧岩崎邸」や「不忍池」、上野の美術館まで足をのばしましょう。
◆服装と持ち物
下記の表は、日帰りの持ち物の参考です。
品目に○が付いているものは、「あればいいかな」というものです。
それ以外は必需品です。が、使わないでも「嘘つき!」とは言わないでください。
考え方: 無縁坂は観光名所になっているが、観光地ではない。 通行の人達に迷惑にならないようにしましょう。 |
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品目 | 詳細内容 | 備考 |
○カメラ | 写真を撮ることぐらいしかできません。 | 旧岩崎邸も写真OKみたいですが、フラッシュ攻撃はなるべく 控えましょう。 |
◆その他
この日、「弥生美術館」に寄って、やなせたかし展も見てきました。
そう、アンパンマンの作者です。
私が小さい頃読んだことのある、「キンダーブック」に作品を掲載していたようです。
そこに、見たことのある挿絵と物語が。
「やさしいライオン」て、やなせたかしさんの作品だったのですね。
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