地人会の目指したもの


 《地人会》は1981年、演出家・木村光一が設立した演劇制作体です。

 特定の所属俳優を持たず、公演ごとにその作品にふさわしい俳優やスタッフを広い分野から集め、 新鮮な舞台を創り上げようという姿勢で活動してきました。
 新鮮とは、ことさらに時代の先端をゆく演劇形態を指すのではありません。 また限られた演劇愛好者のための演劇や、娯楽性だけを追求する演劇も地人会の意図ではありません。 ごく普通の生活者の日常感覚に沿った、生活の中で素直にふれあえる、楽しくて心にしみるような芝居創りをと心掛けてきました。

 《地人会》という名称は、詩人・宮沢賢治が若い農民を集めて設立した『羅須地人協会』から採られています。 その‘労働を芸術に高める精神の改革’という賢治の理想を指標としたからです。
地人会のマーク
 また地人会のマークがイギリスの社会思想家ウィリアム・モリスのモリス商会のそれを借用したのも、 モリスの‘生活の芸術化’の理念への共感からです。


 2007年10月末、活動に幕を下ろすまで、このような理念のもと八千回を超える公演を重ねました。

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