チェンマイ発・トレッキングツアー体験記

まえがき

今回タイに行った目的のひとつに、「チェンマイでトレッキングに行く」と言うものがあった。チェンマイ発のトレッキングツアーは、四輪駆動のジープで山奥まで入っていき、さらに自分の足で歩きながら山岳民族の村々を巡り歩くというモノだ。ただ鉄道に乗って北線の美しい風景を見るだけではもったいない。友人(高校時代の山岳部仲間)も乗り気だったので、今回は迷うことなくトレッキングツアーに参加した。

どこで申し込もうか?

今回はチェンマイでの宿泊先「チェンマイ・トラベルロッジ」でトレッキング・ツアーを申し込んだ。この宿はちょどゲストハウスとホテルの境界線のようなレベルの宿だ(トリプル3人利用で1泊1部屋ACつき500バーツ)。チェックインの際に「トレッキングツアーに参加したいんだけど、どこかいいところある?」と聞いたところ、「うちの宿で扱ってるから、説明しましょうか?」ということになり、説明アルバム!?を見せてもらった。

この宿ではさまざまなタイプのツアーを扱っているが、1泊2日のものは「ジープで北の方に行き、滝、温泉を見学した後にカレン族の集落を2カ所まわり、翌日にはゾウに乗り、さらにバンブーラフティングをしてチェンマイに戻る。1日目の昼食から2日目の昼食まで4食付きで1人1000バーツ」という内容だった。

ガイドブックでは、このようなツアーの相場は1300バーツくらいと書かれていたし、ホアランポーン駅の代理店では同じようなツアーが1600バーツもしたので、即決でこのツアーに参加することにした。宿泊料はチェックアウト時に精算(カードOK)だが、ツアー参加費は現金で、それもなるべく早くということだったので、とりあえず500バーツをデポジットとして預け、夕方に残金を支払った。

※チェンマイ・トラベルロッジ:053-272-448 前日に部屋だけ予約した。結構空いていた。スタッフはみんな親切で、居心地が良かった。

ミーティングと準備

ホテルの人に「午後6時からツアーガイドとのミーティングを行うので、ロビーに集まってください」と言われたので、その時間にロビーに行った。すると、ガイドの人はすでにロビーで待っていたらしく、早速説明が始まった。

ガイドさんはもちろんタイ人。でも英語は達者で、日本語も単語ならば少し話せる。ちゃんとTAT(タイ政府観光局)の免許をもったガイドの人だった。まず、荷物をつめるためのバックパック(小型のナップザック)を手渡され、その後コースの説明、他の参加者の説明(人数・国籍)、持ち物の説明が続いた。ガイドさんの話によると、1日目に歩く時間はおよそ3時間。翌日は全く歩かず、ゾウ・いかだ・ジープだけで行動とのことだった。これなら結構楽そうだ。

持ち物は英語で書いたリストをくれるので、それに書いてあるモノを、手渡されたバックパック・または手持ちのナップザックに詰め込めば良い。ただし渡されたバックパックはどれも使い古されていて、使えないほどではないがあまりきれいとはいえないので、手持ちのナップザックで参加することにした。また、もしこのリストの中に書いてあるモノで、今日中に購入できないものがあれば、ツアー初日にマーケットに寄るのでそのときに買えば大丈夫というアドバイスを受けた。

説明が終わってから部屋に戻り、早速荷造りをした。ふつうのナップザックだが、リストに書いてあるモノを防水のためビニール袋で密閉して詰め込むと、ほぼいっぱいになった。なお、僕はレインコートをもってきていなかったので、翌日マーケットで買うことにした。

いよいよ出発

翌日は朝9:30と、少し余裕の出発。明日の夕方に再度このホテルの戻って1泊するが、一旦荷物はぜんぶまとめてチェックアウト状態にしなければならないので、荷物を「トレッキングに持っていくモノ・持っていかないモノ・貴重品」の3つに分け、フロントに持っていった。

フロントではまず貴重品を紙袋に入れ、紙製のガムテープで封をし、そのテープの上から僕が署名をした(このあたりは去年台湾で行ったラフティングツアーと同じだ)。そしてそれをフロント横の貴重品ボックスに入れ、南京錠でカギをかけて、そのカギを渡してくれた。貴重品以外の荷物も、クロークルームで預かってもらった。荷物の預け入れが終わると、まだ9:15だったがすでにジープが待っていて乗り込むとすぐに発車した。

ジープはチェンマイ市内のゲストハウス約4軒と旅行会社のオフィスをまわり、その後ツーリストポリスに向かった。ここでガイドさんが、パスポートのコピーと保険の加入証明書、さらに麻薬ツアーでは無いという旨の署名を持って出頭し、許可書を持ってきた。

ツーリストポリスを出たジープは、北に約1時間ほど走って小さなマーケットに着いた。ここでは30分の休憩&買い物があった。そして、買い物を終えると、ジープは山道に入っていき、約1時間ほどで滝に到着した。
滝であそべる

この滝では、まず滝壺付近で水に入って遊び、その後昼食(タイ飯とフルーツ)を食べ、またジープに1時間ほど乗って、今度は山奥の駐車場に着いた。

ここからは、約3時間の歩き。歩いて10分ほどのところですぐに温泉(あんと100度!)があり、温泉を見学した後で1時間ほど歩くと、カレン族の1つめの集落に到着した。この村は、家は10個もないけど、水田があって、豚がいて、鶏が居て、生活感が漂う場所だった。でも、こんなに山奥に暮らすなんて、さぞかし大変だろうに・・。
100度の温泉

そして、今度は山を登ること1時間半、見晴らしの良い山頂(ミャンマー側が見える!)で記念撮影をし、その後山を下って2つ目のカレン族の集落へ。ここではなんと、牛や馬が放し飼いになって、民家の下を走り回っていた。
ミャンマーが見える山頂 カレン族の集落

そしてさらに歩くこと40分。ようやく今日の宿泊地「エレファント・キャンプ」に到着した。
カレン族の集落 カレン族の集落

エレファントキャンプ

エレファントキャンプには、約100人の人が暮らしているそうだ。ここには炊事場、トイレ(もちろんタイ式)、川、そしてツアー客用の宿泊小屋が用意されていた。まずは荷物を置いて、川で水浴び。3時間の山歩きで、もう汗だくになっていたので、かわに入って体をあらわないとやっていられない。水着に着替えて川で遊んで、その後石鹸で体を洗って完了!どうやら地元のおばあちゃんや、若い女の子(13歳だそうな)も、川で石鹸を使って体を洗っていた。
エレファントキャンプ エレファントキャンプ

水浴びが終わる頃、ちょうど食事の支度ができた。食事はガイドさんと、村の人たちが作ってくれる。3時間半の山歩きでみんな腹ぺこなので、量は大盛り。おかわりも含めて、ほとんどがあっという間になくなった。

食事がおわると、村のおばあちゃんが「マッサージ」と言ってマッサージを進めてくる。ガイドさん達はやってもらっている用だったが、ツアー参加者はみんなビールを飲みながら10時くらいまでおしゃべりをしていた。

この村には水道はおろか電気も届いていないので、夜のあかりはローソク。村の人たちがたまにローソクを補充してくれる。このとき、ちょうどローソクを持ってきてくれた女の子に話しかけてみた。彼女はカタコトの英語ならば話せるらしく、質問するとゆっくりと答えてくれた。歳は13歳だけど、あまりの山奥なので学校に行ったことはなく、英語は旅行者たちに教えてもらっているとのことだった。

ゾウ乗りとバンブーラフティング

翌朝は6時ころに目が覚めた。地元のひとのように、川べりで歯磨きをし(もちろん川の水)、散歩をしていると、諸の奥からゾウの一団が村に向かってきた。(これが今回乗るゾウ)

ガイドさんが作ってくれた朝食(パン・スクランブルエッグ・コーヒー)を食べ、荷物をまとめて8時ころの出発。「カメラだけを持って、あとはナップザックのなかへ」とのことだったので、カメラだけを持ってゾウに乗った。

ゾウは2人乗りだが、今回は人数が多かったので、首のところにも1人が乗り、計3人が1頭のゾウにのって移動した。乗った時間は約1時間半。ゾウの肌の感触が直につたわってきた。
ゾウに乗って 目指す集落が見える

ゾウは急な坂や川も、平気で歩いていき、たまに好物の草があればそれを食べ、何もしなくても勝手に歩いていく。よく調教されているなと思った(ほとんど自動操縦!?)。のんびり歩くこと1時間半、川縁の集落で記念撮影をしてからゾウを降りた。

ゾウを降りたら、今度はショートパンツ、下は水着、上は濡れても良いTシャツに着替え、持ち物はすべてビニール袋に入れて完全防水にし、今度は竹製のいかだにのってバンブーラフティングとなった。

いかだは5〜8人乗りで、今回は11人の参加者が居たので、ガイド2人をあわせて5人と8人にわかれてラフティングを楽しんだ。ラフティングは約2時間。ジャングルのなかをのんびりと進んでいく。しかし、途中にはやや急な瀬があり、このような場所ではうまく竿でいかだをコントロールしないと、いかだが転覆してしまう(もう1方のグループが、何度も転覆しそうになった)。だが、ガイドさんも慣れていて、転覆しそうになってもうまく処置してくれた。
いかだの船 ラフティングの終着点

チェンマイへ

約2時間いかだで川を下ると、橋・電柱・道路という近代文明のモノが久々に目に入ってきた。この集落でいかだを降り、昼食を食べ、着替えをしてからジープに乗り込んだ。
村の子ども ジープで帰る

帰りのジープでは、みんな疲れて寝てしまっている人がほとんどだったが、約1時間半で、チェンマイに通じる国道に出た。途中のコンビニで休憩した後、約30分ほどで市内に到着。ゲストハウスを何個も回って参加者をおろしていき、僕らも無事にトラベルロッジに帰ってきた。

1泊2日だったが、思う存分夏を満喫できたような気がした。(あ、ここはいつでも夏かぁ・・)

アドバイス

水は山奥でも、途中の村で白いボトルのものが買えます。1本15〜20バーツもしたけど・・。同様に、缶ジュースやビールも売ってます。カレン族の皆さんの貴重な収入源のようです。

冒頭にも書いたように、ナップザックは持参した方がいいです。100バーツにはザックのレンタル料も含まれているけど、自分で持参した方が無難です。

水着は忘れないでください。これがないと遊べないし、汗をかいても水浴びができないです。また、いかだのラフティングは必ず濡れるモノと思って準備してください。

ビニール袋は必需品。余分に持っていった方がいいです。でも、あまりにたくさん持っていったら、他の参加者から「ちょうだい」コールをたくさんあびてしまいました。

保険の加入手続きや、ツーリストポリスへの届け出のために、パスポートのコピーが必要になります。チェンマイでコピーを探すのは難しいので、日本で数枚コピーをしておいたごうが良いです。

川に入っても脱げない(足首にバンドがついた)サンダルも必需品です。流れが速いので、ビーチサンダルは流されます。でも買っていく必要はないです。チェンマイのナイトマーケットで139Bで売られてました。

レインコートは70Bでした。もし持っていなければ、途中に寄るマーケットで買えます。

山岳民族の人たちに「おみやげ」を持っていくと喜ばれます。ペン、ノートetc...なんでもOKです。今回はアメリカ人の参加者が、マニキュアを配ってました。

こういうツアーは信頼出来る場所で申し込んだ方がいいです。信頼できる宿に泊まれば、貴重品も心配なく預けられるし、ちゃんとしたツアーを紹介してもらえます。ラフティング中にすれ違った他のツアーは、なんと「ガイドが麻薬中毒で、さっきも吸ってたみたい。なにもしてくれないからぜんぜん船がすすまない!」と、かなり大変な目に遭ってるようでした。

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