たべさんのマレー鉄道体験記

掲示板に投稿していただいた旅行記を、「たべ」さんのご厚意で私のHPで公開させていただけることになりました。Thanks! たべさん。「旅行記公開してもいいよ」と言う方、せひご一報ください!!

出発前(5月マレー鉄道体験記)

nobu さんお久しぶりです!5月に待望のマレー鉄道に乗ってきましたがその後帰国して帰還報告なしに今日の今日までやってきてしまいました...。
ちょっと(かなり)タイムラグが生じてしまいますが、そこはかとなくマレー鉄道体験記(んな大げさなもんじゃないですが 笑)です。

4月29日からバンコクから南下予定で、日本にいる時に全てのチケットを手配して(ピースさん)、現地(バンコク)の協力会社みたいなとこで受け取りまして、いざ出発!ってな感じだったんですが...。前日、カンボジアから帰国する際に、朝屋台で食べた鳥肉にあたってしまい、結局4月28日の夜、バンコクにて入院(涙)。まあでも、そんなひどくなかったんで翌日昼に退院!「おっ、これなら(体調的に)行けそう!」と思いましたのでフォアランポーン駅へ。

トイレ横でシャワーなぞ浴びていよいよ乗車したはいいんですが、あのエアコンがんがんに負けて、結局やっぱり発車15分前に泣く泣く降車(号泣)。駅で「(体調的にも精神的にも)もうだめだ...。今日の夜(日本へ)帰ろう...。」などと超ー弱気モードに切り替わりまして、航空会社に電話してジ・エンド...のはずだったんですが、結局ホテルで熟睡出来、ドンムアン空港へは向かわず(笑)。

4月30日。熟睡したおかげで体調的にはほぼもどる。こうなるとやっぱりあのマレー鉄道に乗りたいモードがむくむくとわき起こる。ただ、今回予定していた南下して、北上はバスでもってピピ島目指し、ほんでもってバンコクへっていうのはちとつらくなってきたので、まず飛行機でシンガポールまで行って、マレー鉄道は北上しよう!って事で決まりました。

で、まずバンコクからプーケットまでタイ航空で行きほんでもってピピ島でリゾート気分にひたり、そしていよいよプーケットからシンガポールへ向かいました。ここでちょっとラッキー!というのは、プーケットからシンガポールへはエンジェルエアーという、タイ2番目の航空会社でもってチケット購入したんですが、当日乗ったのはマレーシア航空(共同運行なのかなぁ)!し、しかも、な、な、なんとビジネスクラス(感涙!)。中国系の団体さんでエコノミーが満杯となったための措置だそうで、当然「ノープロブレム(笑)」。日本円で1.5万円程度でビジネス、しかも国際線!ちなみにその時のビジネスの3分の2はバックパッカー系(含私)でした(笑)。 そしてシンガポール。空港ではバックパッカーには厳しいみたいな事を、シンガポール在住の日本人女性にピピ島へ向かう船上で聞いていたため、超ー緊張してたんですが、完璧にノーチェック。まったくもって気が抜けてしまいました。

そしていよいよシンガポール駅へタクシーで向かいました。

続く...

いよいよマレー鉄道

シンガポール駅へは30分弱で到着。しかし、この駅、こんなにみすぼらしいとは...。出来れば北上をおすすめします。南下してきて、終着駅がこれではちょっとがっかりものかなぁ...といった感じでした私には。シンガポール目指すのなら何ら問題ないとは思います。

さぁ!いよいよチケット購入。今日は5月6日。ゴールデンウィークも終わってるし、日本人もそんなにいないだろうからなんとかなんだろうって事でやってきてしまいましたが、結果的にはなんとかなりました。クアラルンプールまで、2等寝台A/C付(上段でした。下段は売り切れ)でゲット。そうそう、カードはアメックスとダイナースしか使えないようです。わたしはビザしかもってなかったんで、やっぱり現金払いとなってしまいました。

とりあえず午後5時頃まで駅舎にいて、午後11時前出発まではバーガーキングで過ごしました(笑)。予定近くの時刻になりましたので、雨の中徒歩で移動。いよいよ乗車!この前に、ゲートがあって、そこで外貨所持明細みたいなものを記入しておいてハンコもらうんですが、後々、これが結構重要書類となってしまいました、私の場合。もっとも、かならず記入して提出させられてハンコ押されて戻ってきていよいよ乗車って段取りですので、たぶん忘れないと思います。

乗車してみると意外に綺麗。それに、上段と下段のベッドの広さの差ってほとんどありませんでしたので、実は上段でも全然オッケーってな感じです。ただ、上段には窓側のカーテンがありませんでしたので、女性で着替えますっていう人にはちょいつらいかも。

定刻に出発。しばらくすると車内アナウンスでシンガポールの出国案内。それなりに車内がざわつきますから、別に車内アナウンスが聞き取れなくても大丈夫の様です(私自身も何言っているのかわかんなかったし 笑)。しかし... わたくしはとんでも無い事をしでかしてしまいましたが...。

続く...

KLへ

人の流れについてって、無事シンガポールを出国。「陸路でもなんて事ないじゃん」なんて余裕ぶっこいてベッドへ。だいたい30分弱で出発。そしてそして、いよいよ事件は起きた(んな大げさな 笑)。

ベッドへ戻ると、無事出国した事の安堵感で、またしても熟睡モード。途中「やたら停車してんなぁ」とかおもうも気にせず熟睡モードへ...。そしてクアラルンプールへ午前6時過ぎ到着。

はい、もうお気づきの方はいらっしゃると思います。そうなんです、実は私、マレーシアの入国手続を行っていなかったのでした(恐怖)。あのやたら長い停車時間っていうのはマレーシアの入国手続を行っていたんですね。という事で、もう仕方ないんで、そのままバタワースまで向かうことにしました(笑)。今だから笑えますが、その時は血の気が引いてました。

KLに着くとすぐにチケット窓口へ向かい、バタワースまでのチケットをゲット!...といきたかったんですが、窓口のガラスにはカードのシールが一枚もはられておらず。「仕方ねえか、今度も現金か。」とか思って早速両替へ... げげっ!あ、開いてない(涙)。ええい、だったらATMだ!ビザもってんだから!とか思って24時間稼働のATMへかけていったらな、な、なんと「out of order」の液晶画面。

インフォメーションの人に聞いてもやっぱり9時になんないと両替は開かないとか言うし、次のバタワースへの列車は7時30分発とかたたみかけてくるし(涙)。しかたないんでだめもとでチケット窓口に並んで「カード使えます?」と聞くと「使えるよ」とか笑顔で言うし。「だったらシールはっとけ!」とか内心怒りがわいてましたが、とにかく一安心という事で今度はカードでバタワースまでの2等A/C付とそして翌日のバタワースからバンコクまでの2等寝台A/C付(ここでもやっぱり上段で、下段は売り切れ)もゲット出来ました。

続く...

ノープロブレムの謎

無事にチケットもゲット出来、定刻に出発。ほんのちょっぴりKL駅舎をながめつつバタワースへ向かいました。車内はほとんど人がいなくて、とにかくのんびり車窓の景色を楽しむことが出来ました。

車内では食事のサービスもあり(もちろん有料)、席までもってきてくれます。

たぶん6時間くらいだったでしょうか、なんとか無事にバタワースへ到着。普通だったら例えばこれからペナンへ渡って、観光とかにいそしむんでしょうが、私の場合そんな事は言ってられません。なんせ翌日はバンコクへ向かうわけで、そうなるとマレーシアの入国スタンプをもらってない以上、タイ入国どころかマレーシア出国さえおぼつかない!という事なので、とにかくバタワースへ到着して最初にやった事は駅の隣にあった派出所みたいなとこへの出頭(笑)でした。

「すみません、寝過ごして入国審査し忘れちゃったんですが...」
「あ、だったらペナンへ渡って相談したら?移民局あるよ」

という事で行きましたよペナンへ。観光ではなくスタンプもらいに(笑)。しかし...世の中そんなに甘くはありません...といいたいところですが、めちゃめちゃ甘く、いったいなんでそうなんだとかおもうくらいぐちゃぐちゃになってしまいました。

とりあえずイミグレについて、すぐに事の次第を説明しましたが、さすがお役所、たらい回しが始まりました(怒)。しかし「隣の窓口へ」を三回程度だったんで、総移動距離は約3歩ですみましたが。

おそるおそる事情を説明すると最後に対応した窓口の担当者が奥の上司のところへ。なんか二人でひそひそ話しが始まり、その間何度もこちらをあやしげな目でみてました。

上司がやってきて開口一番...「ノープロブレム」。あぁ、良かったこれでスタンプもらって明日はいよいよ終着バンコクだと安堵して「じゃあ、あとはスタンプちょうだい」と言うと、またしても「ノープロブレム」...。「だからスタンプ...明日はバンコクへ向かうし、このままじゃタイ入国どころかマレーシアを出国出来ないじゃん!」と何度もスタンプを要求してみましたが、やっぱり答えは「ノープロブレム」。これ以上だだこねて「じゃあジョホールバルまで引き返して入国審査してこい!」とか言われたらそれこそ洒落になんないので、結局にっこり笑顔で出てきました。

係官の説明によれば...
・外貨所持明細等、しっかりシンガポール出国を証明する書類が整っている
・陸路(鉄道)移動である(空路移動なら非常に問題)
・マレーシアには短期滞在である
「以上の件により、ノープロブレム」というふうには説明してましたがその時は。

絶対無理だ...こんなんで出国出来るわけない...なんぼおおらかな東南アジアだからって絶対無理だぁ!力無く、そして疲労困憊して宿へ向かいました。

そして翌日バンコク行きの列車に乗ったのでした。

続く...

人生最大の危機

そのままマレーシア不法滞在継続のまま、いよいよバンコクへ向け翌日午後にバタワースを出発。車中「あぁ、絶対だめだ、だめに決まってる。って事はいったいどうなるんだ。やっぱり手が後ろにまわるんだろうなぁ。そしたらパスポートにはなんか変なスタンプが押されて、むこう何年間は入国出来ないんだろうなぁ...。」などと完全ブラックモード。

そしていよいよ国境の駅、パダンベサールへ。心臓は高鳴り、ついにこれまでの人生最大の危機(笑)。もう大人だから謝ってすむ問題じゃない(涙)。ちょうど出国審査への扉付近に私が乗っている車両が止まったので、小走りに向かう。2つ窓口があり、手前は若いあんちゃん、むこうはベテラン風のやたらいかついおっさん。なんでか迷いに迷っておっさんの方へ。「若い奴にたのんで、もし若い奴がどう対処してわかんなきゃぜったいおっさんに聞くよな。そしたらおっさん、へたしたら俺がごまかそうとか思ってるとか考えるよな。そしたらジエンド。だったらここはすなおにおっさんだ!」とかもうすごい論理展開をみせ並んだのでした(笑)。

いよいよ私の番。パスポートと書類一式ばさっと出し、いよいよ言い訳モード臨戦態勢へ突入!「イミグレでノープロブレムだったんだからなぁ!びびんじゃねぇ!びびったらまけだぁ!」とさっきまで思いっきりびびってた自分を棚にあげ用意してました。

すると、ばん、ばん、とかいう音とともに「ぱさっ」てな具合にパスポートが戻ってきました。

「マジ?!」とにかく出国は出来たみたいなので、あとはもうとなりのタイ入国審査の窓口へほんとあわてて向かいました(笑)。そこでは係官がゆうちょうに私の名前を読み上げるなどしてのんびりモードだったんですが、なんとかここでも無事に入国。

もうさっきまでのブラックモードはどこへやら。駅舎内で売られていたジュースとサンドウィッチを購入して車内へ戻りました。

「スタンプ...どうなってんのかなぁ...」とか思ったので、パスポートをみてみますと、やはり出国スタンプのみ。一体全体どうなってんでしょうね、まったく(笑)。ますます好きになりました、東南アジア(笑)。

続く...

そして終着駅(感涙)

終着点・フォアランポーン駅
(nobu撮影)
そんなこんなで30分程度停車していよいよバンコクへ。午後6時頃から車掌さんらしき人が寝台を作り始めました。午後7時から寝台利用となってますから、そのくらい前から作らないと間に合わないんでしょうね。これは朝も同様でして、午前6時頃から、上段、下段ともに起床していたらバンバン通常の席へと作り替えていきます。午前7時には全ての寝台が通常座席に変身してましたから。そして寝台のひろさですが。マレーシアが管轄していた時と違い、タイ国鉄の方は上段と下段のベッドの広さが、私には価格以上に感じられました。とにかく上段は狭い(笑)。いやほんとなんです。ちなみに私は身長175cm・体重65kgなんですが、ジャストフィットっていう感じでした(笑)。荷物はディパック(しかも大きさなんて普段みんなが街なかで使ってるあの大きさです)だけだったんですが、置場所なんてなく足下に置いて足は少し斜め気味に伸ばしていたくらいですから(笑)。絶対下段おすすめです。

翌日午後12時頃フォアランポーン駅到着。「つい一週間ちょい前はなくなく降車したんだよなぁ...」などと感慨深げにひたって、念願の私のマレー鉄道の旅は終了しました。

帰国するまでの最後5日間で、さらに軽い食あたり(屋台で売っていたイカのげそがあたった様です)とバンコクの洪水(膝あたりまで水につかりました 笑)までをも経験出来まして、イベント盛りだくさんのほんとに最高の旅でした。

今回はGW含めて3週間の旅でして、うちマレー鉄道の方は3泊4日というものでした。出来ればもうちょっと日程的にマレー鉄道の方へシフトさせれば、もっとのんびり出来たでしょうが、それは次回の旅にとっておこうと思います。

たべ

戻る