タイ国鉄北線でチェンマイへ

まえがき

1年半前に行ったマレー鉄道の旅をきっかけに、どんどん旅行好きになってしまった。またタイと言う国にも興味が沸き、もっといろいろな場所をまわってってみたいと思うようになった。6月の時点で3人のタイ人とE-mailを交換し合っていたので、この夏はE-mailフレンドに会いに、タイに出かけてみることにした。

前回はバンコクだけしか滞在しなかったが、今回はもっと他の場所も訪ねてみたい。そこで、今回はタイ国鉄北線に乗って、チェンマイにも足を運んでみることにした。

フォアランポーン駅

チェンマイへ行く列車も、バタワースに行く列車と同様にホアランポーン駅から出発する。1年半前に感動の旅のスタートを切ったホアランポーン駅は、なんだか懐かしい気がする。
ホアランポーン駅(正面)

今回は当初の予定を変更して、まず昼の列車でアユタヤへ行って観光し、アユタヤ駅からチェンマイ行きの夜行列車に乗ることにした。指定券はバンコクからになっていて、券の裏面には英語で「券面に書かれた駅から乗らないと無効」と書いてあったので、まずは予約変更をすることにした。

メータータクシーで駅に着き、まずアユタヤ行きの切符を買い、その後別の窓口で予約変更を申し出た。しかし係員曰く「ノープロブレム」。本当にそうなのか?と疑わしかったけど、アユタヤ行きの発車時間が迫っていたので、とりあえずアユタヤに行ってしまうことにした。

ホアランポーン駅の構内は新しく改装されていて、2年前とは窓口の場所違っていた。さらに、改札口にあった巨大時刻表は、日本と同じような電光掲示板になり、英語表示も出来るようになっていた。出札窓口も、以前はタイ語だけだったけど、新しい窓口は電光掲示板で窓口の種類が書いてあり、さらに出てくる切符はコンピューター発券の軟券になっていた。(以前のアユタヤ行きのきっぷは硬券)
新しい改札口 店も変わっていた

ホームに行くと、まだ目当ての列車は入線していない様子。とりあえずホームの屋台で弁当を買って(25B)列車を待った。ホームの屋台も、とてもきれいになっていて(以前とは大違い)、凄く清潔そう。でも値段は25B(75円)と、まぁまぁの値段だった。
到着した列車

アユタヤに向け出発

さて、待つこと20分、ようやく東北線のSurin行き3等普通列車が入線してきた。ドアが開くなり荷物を持って席を取り、窓を全開にして発車を待った。発車もやはり20分遅れだった。列車から眺める景色は、1年半前にアユタヤへ行ったときとほとんど一緒。でも、ドンムアン空港駅の近くまで高架橋が完成していて、もうすぐ列車は高架を走れるような状態になっていた。
ドンムアン空港駅 メールフレンド達と

車内では弁当を食べて、景色を見ながらぼーっとして過ごすこと1時間、ほぼ定刻でアユタヤに到着した。

アユタヤで

駅のベンチで計画を練っていると、トゥクトゥクの客集めをしている女性に話しかけられた。大きな荷物を持っているのを見て、「駅に預けたら?5Bで預かってくれるよ」と言うので、ひとまず駅に荷物を預けることにした。

その後、彼女のセールストーク。「トゥクトゥクで観光しない?4時間半コースならば、きれいな夕日も見られるよ」と言ってくる。そんな長いのはいらないので「2,3時間でいいんだ。もう1度来たことがあって、だいたいわかってるから。」と言うと、「いくらがいい?」というので「1台1時間150バーツ」と言ってみると、「そんな安いはずないでしょ?前回はいくらだったの?」というので、強引に「いや、1台1時間150バーツだった」と言ってみた。 (実は前回は1人1時間150バーツを払っていた。ちなみに当時のTATの参考料金は1台1時間150バーツ。ぼられた!)

彼女は困った様子だったので(実は現在のTATの参考料金は、1台1時間200バーツ)、「1台1時間200バーツならば乗ってもいいよ」と言ったら、しぶしぶOKしてくれた。(どうやらみんなTATの参考料金の2倍か3倍のぶっかけ料金で乗ってるらしい)
アユタヤの中心街 駅と町の境にある運河

さて、観光と夕食を終えて、渡し船に乗って駅に戻った。時刻は19:15。発車まであと30分ある。ちょうど僕らが駅に着いた頃から雨が降り出し、土砂降り状態。列車は5分遅れくらいで到着したけど、乗るときに少し濡れてしまった。 (SP13列車、バンコク発18:00アユタヤ行き8:00着)

大混乱の車内

自分の座席に座っていると、タイ人のガイドが英語で話しかけてきた。「席を交換してもらえませんか?イスラエルの団体客40人を連れて来ているけれど、4 つの席だけ別の車両になってしまった」というので、仕方なく席を交換してあげた。

重い荷物を持って、やっとの思いで新しい席に着くと、車内は自分の席がわからないイスラエル人でごった返していた。なぜかみんな凄く大きなかばんを持っているのが不思議。しばらくすると、さっきのガイドが来て、イスラエル人に正しい席を教え、みんなが行ってしまうと、やっと普通の車内に戻った。

今回は3人だったので、1人だけ別の人と寝台をシェアする事になるが、今回の相手はロンドンからきたという女性だった。ちなみにその隣の寝台は、僕らと同じ中華航空を使って来たというオランダ人のアベックだった。

みんなで会話をしていると、ちょうど隣の席にいたタイ人が、食堂車のスタッフに夕食を注文していた。その料理が来ると、おいしそうなにおいがして、さっきアユタヤで食べたのにもかかわらず、おなかが減ってしまった。結局その 10分後には、自分たちのところにも同じタイ飯が届いていた(笑)

さて、もうとっくに日が暮れているので、外を見ても景色は見えない。今日は早く寝て、明日早起きをして景色を楽しむことにした。ちょうど寝台組立係のひとが通りかかったので、組立を頼み、早めに寝ることにした。係りのおじさんは、特殊なカギで寝台をあけ、シーツをかけて枕カバーをつけ、あっという間に寝台を組み立ててくれた。なんという早業!午後10時、洗面台で歯磨き、洗顔をして就寝した。
寝台の組立

目が覚めたら別世界!

朝、目が覚めると、列車はNakhon Lampangの駅に停車中だった。時間はAM5:55。しばらくすると、列車は約10分遅れでゆっくり出発した。

景色は、すでにアユタヤまでの何もない平野(山一つみえない)から、山がちな景色に変わっていた。着替え・洗面・歯磨きをして景色を眺め、寝台を壊して座席に変えてもらってから、朝食セットを注文した。
朝食セット 雲が近くに見える

列車はどんどん山奥に入っていく。雲が凄く近くにあるのがわかる。途中でなぜか15分ほど列車は止まってしまったが、その後何もなかったかのように再び動き出した。
朝靄の世界 朝日に照らされた湖面

朝食を食べ終わった頃、列車はちょうどKhun Tan駅についた。この駅はタイ国鉄でいちばん標高の高い場所にある駅だそうで、なかなかいい感じの雰囲気だった。
クンタン駅

その後、列車はどんどん山を下って盆地に入り、Lamphum駅に着いた。この駅は、駅構内の花壇がとってもきれいでかわいい。よく手入れされているのがわかる。タイ国鉄の駅は、なぜかカワイイ駅が多い。
Lamphum駅 Lamphum駅

そして約20分後、終点のチェンマイに到着。バンコクから751キロ、シンガポールから通算すると約2500キロの終着駅だ。この先に続く線路は、シンガポールと同様にもう無い。行き止まり式のホームに出ると、なんだかしみじみと感慨深くなってしまった。
終着駅・チェンマイ

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