素浪人昔話T 『蚊トンボ君』 受験シーズンの今日この頃。あの頃を思い出す。 現役合格なんて つまらない人生をおくってはいけないと エリート家庭教師を完全拒否し 楽しい高校生活と共に 憧れの浪人生活を勝ち取った。 ホントは やる気ない只の親不孝なんですけど。 浪人した同志は結構居たけど 予備校はバラバラに。 早起きが苦手な私は午後の部に入った。 1番前の席にカッコ良い男の子が居たので 友達も居なかったし その斜め後ろに席を決めた。 席も定着し平和な日々が続いた。 斜め後ろから彼も眺められるし・・・。 ある日 北関東訛の(?)男の子が話し掛けてきた。 それをきっかけに 私の隣に座るようになった。 断りもなしに。 話しやすくてとても良い子(一般的に)だったんだけど 過激におしゃべりな子だった。 数学の90分授業を2セット連続で聞くのは 気が狂いそうだったけど 斜め前の素敵な彼も一生懸命聞いている。 よ〜し。私もちょこっと頑張るぜ〜。な日々だった。 しかし おしゃべりな「蚊トンボ君」(似ていた)は ヒマさえあれば授業中にも話し掛けてくる。 平和で浪漫に満ちた生活を還して・・・。 そんな私の気持ちを知る由もない 蚊ト君。 ママに毎日飲みなさいと言われたらしい 8種類のビタミン剤を机に広げて説明を始めるのだ。 午前の部に移籍する事にした。 蚊ト君には 夜型から朝型に変えようと思って〜 って言った。それも真実だけどきっかけは違う。 良い子な筈。彼。 でも、「オイラも午前部にしよーかな〜」なんて言ったら 殺虫剤噴射しまくり〜。 ママのビタミン剤が1種類増えたかも(ウソ)。 『「お喋りで自己中の人」って傍若無人に思えるけど 自分の非を指摘されると沢山落ち込むので 優しくしましょー。』 なんて・・・その頃の日記に書いてあった。 思わず尊敬してしまった。 偉大な浪人生=その頃の私。 ![]()