セルシオの災難。 友達がお父さんのセルシオに乗って来た。 わ。セルシオだ〜不細工な車〜♪ とか言いながら 乗り心地の良さに感心したりした。 私のチビ車は 少しスピード出すと音がうるさい。 セルシオ君はとっても静かで高級感溢れている。 でもかたちは嫌いだ(ささやかな抵抗)。 暫く助手席に座ってると ハンドルを握ってみたくなるってのが 人間の当然の心理である。 「ね〜ちょっと運転させて〜♪」 「いいよ〜♪」って事に。 「おおお〜高級車はやっぱ静かだね〜♪」 スピードが出てるのも気づかないくらい。 元々(ちょっとだけ)運転が荒っぽい私である。 おっと〜!ってブレーキ踏んだ瞬間 助手席でごそごそしてたお友達が 何処かで鼻をしこたま打った。 らしい・・・。 気が付いたら鼻血だらだら。 鼻血くらいへっきなのだが(私は) その子のB型の自己中の血液が 新車のセルシオの趣味の悪い 真っ白なシートカバーを。 「うあぁ・・・」!! ぼとぼとと音を立てて(音はない) 血に染めているのだ(おーまいがー)。 それからの2人は大変だった。 まるで殺人を犯して 死体をどうやっって隠そうかと 慌てふためいている殺人犯のようだった。 私の家でしゃかしゃか〜 一点の曇りもないように血を洗い流し 方やドライヤーで、方やアイロンで やっとこさっとこ…なんとかかんとか…。 隠蔽工作終了。 元に戻った。ような気がした。 少し…。縮んでいた。仕方ない。 お友達のおとー様は気づいたのだろうか。 謎のままである。 二度と口にしない出来事だから。 人の車は一生運転しない! と心に誓った私であった。 セルシオは  嫌いだ。