私は左利きだった。サウスポーである。 でも 右利きに直された。 だから字が下手だ(絶対そのせいだ)。 これじゃラブレターも書けない って中学の時思った。 その日からマル字にした。 欠点が隠れるのだ。 「○○の字か〜わゆ〜い」って 友達には評判が良かった。 私も かなり嬉しかった。 (悪夢からの脱却)。 英語の授業で当てられて黒板に書いた。 どでかい丸字。 皆も先生も笑って喜んでくれた。 (ウケてしまった) それが悪夢の始まりだった。 英語のみならず国語、数学までも 毎日アテラレル。 (拍手付き) 私は 毎日の予習を 余儀なくされた。 それに、真面目な手紙書いても 冗談だと思われる。 筆不精 (第一章) むかしむかし 超筆まめの M子がおった。 M子はお手紙を書かなくては 生きてゆけない子じゃった。 その子の親友はナビという名じゃった。 ナビはとっても筆不精じゃった。 ある日 二人は離れ離れの生活を余儀なくされた。 のじゃった。 その日から 二日に一度お手紙が届くようになった。 のじゃった。 しかし ナビはどうしようもなく不幸な筆不精じゃった。 溜まりゆくお手紙の山を眺めながら ただ泣くだけじゃった。 努力の末  一年に一度はお手紙が書けるようになった。 かなりの努力の成果が現れたのじゃった。 (第二章) 懐かしむらに戻ると、 ナビはすぐM子に呼び出されるのじゃった。 そして先ずお説教食らうのじゃった。 「どうして返事を・・・」 「私の事忘れたんじゃないの」・・・。 訳の解からない事を言われて 責められる ナビじゃった。 しかし 親友に首絞められても 直るような不精ではないのじゃった。 今でもナビの中の筆不精のDNAは キラリと美しい輝きを放っている のじゃった。