アリア 高校時代野球が好きで 応援に行けるので ブラス・バンド部に入部した。  小さい頃から音楽には親しんできたので 一挙両得ってヤツ。 私のパートはクラリネット… オーボエやりたかったのに楽器が無かった。 (フルートでも良かった・・・)。 まあいいや・・これが当時からの私の口癖(一生もん) 予定どうり野球部の専属バンド。 甲子園にも行ったのだ(自慢)。 (こっちの話は、また何時かすることにしよう) そのお蔭で、寄付がいっぱい集まって、 いい楽器が買ってもらえた。 私は次第にクラリネットにはまり始めた。 授業中眠ってても さあ!部活だ〜と元気になった。 話が核心に迫りそうに無いので、 リード磨きの話や細かい話は止めておこう。 その頃”バッハ”にはまっていた。 あの 音楽室に行くとお目にかかれる、 もじゃもじゃのカツラを被ったあの人である。 特に「G線上のアリア」が好きだった。 その頃憧れていた アルトサックスの先輩が居た。 その人本人よりも アルトの音色に恋心を覚えたのだと思う。 (たぶん・・・。) あまり積もった事の無い雪が積もってしまった冬休み。 部活も数人しか来てなかった。 殆んど喋ったのを聞いたことがなかった(無口)その先輩が 「今日は少ないから アンサンブルやろう」って言った。 パートが違うので 一緒に練習するのは全員で合わせる時だけ。 アンサンブル出来るなんて…寒さも忘れてしまった。 その先輩が選んだのが「G線上のアリア」だったのだ。 余りの嬉しさに時が止まってしまったみたいだった。 譜面渡されて、一生懸命私のパートを吹いたが、 耳はずっとアルトサックスの美しい音色に傾けていた。 今でもあの暖かくて 柔らかくて 夕焼けの色のような アルトの音が耳に残っている。 (オチがない…恥)