「愛って何だろう」 作詞:山口勝之 作曲:John Pearlson "What is Love?" 訳詩: John Pearlson and students

YouTube 動画(日本語版) はこちら What is Love?(英語版)はこちら

原詞  第4回プロジェクト(訳詞)
数学の授業で教わった
「愛はこの世に存在しない」って
でも掛け合わせ、もぅ一度掛け合わせたなら
一つになるんだね 
虚数 i の2乗=−1
さらに2乗すると1になる
I learned in a math class
That love is only imaginary.
But if you square it twice,
You know, it's no more imaginary,
And in the end we'll unite as one.
国語の授業で教わった
「あい」が一番最初のふた文字さ
愛があるから僕らは
この世に生まれてきたはずなんだね
五十音表の最初の2文字が「あ・い」  I learned in a Japanese class
The first two letters sound like love.
When we came into this world,
We must have come because of love,
'Cause there was so much love for us. 
君といつまでも一緒にいたいけど
いつか別れは訪れる だから今
「愛とは何だろう」って
問いかけることが大切なんだね
  I wish our future would be shared between us,
But in reality, we will be apart from each other.
That is why it's true
that we should just simply ask ourselves,
”What on earth is love?"
化学の授業で教わった
「愛だけでは安定しない」って
でも求めてるものが子どもなら
迎えて「ようこそ」って言うんだね
ヨウ素(元素記号I)は不安定な性質があり、他の物質と結合しやすい

←ヨウ素+子 
I learned in a chemistry class
"I" will not be settled on its own.
But if it's kids we're seeking for,
we can welcome them and say when they're grown,
"I owe dining to my kids."
英語の授業で教わった
「愛はこの世の真ん中なんだ」って
全てのものが愛を中心にして
回っているんだね
 英語の世界観は一人称代名詞Iを中心に据えており、「自分」「相手」「それ以外」で世界が構成される。 I learned in an English class
That this world's made up around love.
The pronoun "I" sounds like love and
It has something in common with love,
Which amuses me.
もうすぐ春になればみんな
別々の道を歩み始めてゆく だから今
「愛とは何だろう」って
問いかけることが大切なんだね
  You know, spring will come soon and
Everyone will be taking their own brightest courses,
Different from each other's.
That is why it's true
that we should just simply ask ourselves,
”What on earth is love?"
 英語版(注)
1. 虚数 = imaginary number 2. ヨウ素(元素記号 I = Iodine 類音で I owe dining としている。   3. 赤字のtrueは授業内ではimportantだったが、実際に歌ってみると不都合があったため修正した。

当初は2006年に卒業生へ贈る歌として作詞・作曲して、実際に卒業式の日に教室でクラスの生徒に向けて歌ったのだが、国語の部分で歌詞に不備があったことが後で判明し、それから10年以上この歌は封印していた。ちなみに、具体的には「青は藍より出でて藍より青し」の藍と青を勘違いで逆にして歌詞を作ってしまったという間違いだった。このことわざをそのまま活かしての修正も考えたのだが、最終的には50音表の最初の2文字という、やや安直なアイディアの方で修正して、2018年の卒業式の日にクラスの生徒に向けて歌った。音だけ聞いても言葉遊びに気づかない可能性があるため、パワーポイントで注を写しながら歌ったのだが、そうすると狙い通り、化学の「ようこそ」では笑いもとれた。惜しむらくは、当日の演奏では緊張のせいでピアノがひどい出来で、何度か止まってしまったこと。

言葉遊びで愛を茶化しているわけではなく、言葉遊びの中に「愛とは何か」ということについて、真相が見えてくるのではないかと思っている。教師の立場で卒業生に贈る歌ではあるが、歌詞の内容は卒業生の視点になっており、自分自身も卒業生と一緒に新たな一歩を踏み出したいという願望が隠れているのかもしれない。歌詞は教師としてのメッセージなので作詞者名は実名とし、作曲者名のみを筆名にした。

2020年度に第4回プロジェクトとして高校2年生9名がこの曲の訳詩に挑戦。原詞の言葉遊びを英語にどう盛り込むかという点で、これまでで最も難しい課題となったが、最終的には何とか完成に至った。「アイ」という日本語の音と英語の "love" を説明なしに結びつけられないところが難しく、国語や英語の部分では説明が多くなりすぎたかもしれないし、化学ではloveにからめきれていないかもしれない。しかし、高校生の作品としては大健闘と言えるだろう。