アイルランド旅行記

1997年12月6日(土)〜12月14日(日)

12月6日(土)成田出発/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

アイルランド地図もとは友人二人が計画していた旅行。「行く?」の一言で話に乗ってしまった。たまに他の人が計画した旅行にくっついて行くのも意外な発見があるかもね。成田を出発してロンドン・ヒースローへ。そこでアイルランド行きの飛行機に乗り換えるんだけど、ヒースローの中を歩いて歩いてヒースローの果てかってくらい歩いてやっとゲートにたどり着く。人影もまばら。しかも時間になっても飛行機がこなーい。待っていると今アイルランドから来た飛行機がそのまんまアイルランド行きとなる。バスか!これは! Air-busとはよく言ったモノだ。なぜエディ・アーバインが自家用ジェットを買ったのか分かる気がする。時間があてにならないの。1時間ほどでダブリン空港到着。レンタカーを借りていざホテルへ。(右がアイルランドの地図。面積は北海道くらいかな。緯度のわりには暖かいような気がする。緯度のわりにはね!)

12月7日(日)/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

Blackrock初めてみるアイルランドの首都ダブリン。アイルランドは2回目となる友人から"小さい街"ということは聞いていたけど、あらっ、本当に小さい。日本で例えると新宿があってあとは住宅地って規模かな。12月だから天候もどんより雨模様。Blackrockにあるマーケットへお買い物に行く(写真:左)。Dartという江ノ電みたいな電車は海沿いを走る。海外旅行先で初めて見た海はやっぱり空同様どんよりとしていた。
マーケットでケーキの本を買うが、この店のおじさんがエディ・アーバインによく似ていて年取ったらこんな感じになるんだなーと思うとおかしかった。アイリッシュ系の顔立ちってあるんだなー。
ホテルはダブリンのメインストリート「オコンネル通り」沿いにある。夜遅くまでデパートが開いているのにはちょっと驚いた。でも、もっと驚いたのが街の汚さ! その1:車。ぜんぜん洗車してない。バスの窓ガラスなんて泥汚れで中が見えないくらい(もっとも天候が変わりやすいので、いちいち洗っても意味ないんだろう)。その2:ゴミ。みんなゴミをその辺に捨てるから夜ともなるとあちこちで捨てられたゴミが風に舞う。で毎晩、清掃車が出動するというわけ。アイルランドってカトリックの国だからもっとその辺のマナーとか厳しい国かと思っていたが・・・。ホント半端な量じゃないのよ、ゴミが! ゴミ箱はあったと思う。

12月8日(月)/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

ダブリン城ダブリン城に行く(写真:右)。失礼だけどちょいと地味め。昔イギリスが支配していた頃、町の周りに塀を作り塀の中にイギリス人が住み、塀の外にアイルランド人が住んでいたそうだ。イギリスとアイルランドの関係の根深さを感じた。セント・パトリック・チャーチを見学する。売店の初老のご婦人に「ここで写真撮っていいか?」とたずねるが通じない。なんど訊いてもだめ。ガーン! 見かねた男性が助けてくれて「OK」と返事をいただく。「私、耳が遠いからあなたの声が聞き取れなかったのよ」 おばあちゃん気を使ってくれてありがとう。もっと英語勉強します。そのあとアイリッシュウイスキーのメーカー「ジェイムソン」の工場見学に行く。友人が利きウイスキーに挑戦する。アイリッシュウイスキーはスキッとした口当たり。バーボンはこってり。スコッチはその中間といったところ。ショップでお買い物をすると店員のおばさんに「日本から来たの?私の息子は仙台にいるのよ」と話しかけられた。ダブリンから仙台?! ちょっとビックリ。

12月9日(火)/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

車でウイックロウという町へ行く。途中エディ・アーバインの家を探しながら・・・。ただしダブリン郊外の高級住宅地に住むということしか情報がない。それでもこの辺りかなーなどと車でウロウロ。アイルランドの豪邸は道路から家が見えない。塀しか見えなーい。結局よく分からないままウイックロウへ。
ウイックロウは本当に小さな小さな町。でも車から降りたとたん急に「今、外国の町にいるんだ」という実感がわく。ダブリンもロンドンも東京も都市と言う点では結局一緒だ。たくさん人がいて、たくさんものがあって、たくさん建物が建っていて・・・いろんなもので溢れかえっているという点ではみんな一緒だ。むしろこういう小さな町の方がその国の特徴が溢れている気がした。空気がシーンとしていた。ブラックキャッスルという城の跡地を見て砂浜に降りる。まるで日本海のよう。けどアイルランド海はあまり潮の香りがしなかった。
グレンダーロッホへ向かう。ここには初期キリスト協会跡地(写真:左上)がある。てっきり遺跡のある普通の観光地なのかと思っていた。しかし、あちこちの墓に花が手向けられ"ザクザク"という音に振り返るとおじさんが新しい墓を掘っていた。現役バリバリの墓地じゃないかー。冬のアイルランドは5時には日が暮れる。4時半、辺りは日が傾きモノトーンの世界。そんな薄暗い墓地に響く土を掘りかえす音、手向けられた色鮮やかな花はそこだけが天然色でかえって不気味だった。教訓その1:グレンダーロッホは陽の一番高いうちに行きましょう。教訓その2。トイレは見かけたときに入っておきましょう。次はいつ巡り会えるか分かりません。あっても鍵かかっているし・・・。

12月10日(水)/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

Howthホテルの近くの蝋人形館、ライターズ・ミュージアムを見る。午後から車でサットンという町へ。この旅行の計画をたてていた友人2人の目的はフィル・リノット(ロックバンド"シン・リジィ"のボーカル&ギター)の墓参りをすること。その墓がこのサットンにあるという。これまた手がかりはこれだけだ! けどサットンには墓地が2カ所しかなく2カ所目の墓地で発見する。やたらと広い墓地で、一度にサッカーの試合が4試合はできようかという広さ! 青い空の下、緑の芝生がまぶしいほど。けどそれがかえって恐くって友人らがお参りをしている中、一人遠くから眺めていた。なんか墓ばっかり行っているような気がする。右の写真はサットンの隣りにあるハウスという町のビューポイント。偶然見つけたところだったけど、この旅行で見た一番きれいな風景だった。写真では景色の雄大さと空の微妙な色合いがお見せできなくて残念。ちなみにこのハウスも高級住宅地でひょっとしてここにエディの家が!?と一人ウキウキする。日本に帰ってからそれが間違いだったことを知るが・・・。

12月11日(木)/ダブリン市内 Royal Dublin 泊

明日はロンドンへ移動する。友人らはもう一度フィルの墓へ。私は車の中で2人を待つ。もう一度ハウスをあてもなくドライブ。なぜか12月のアイルランドにあじさいが咲いていた・・・。ホントだよ。
あまり食い道楽な人間ではないので、アイルランド滞在中の食事でここで話題に出来るほどのものは特にない。ただ、一度、市内にある日本食レストランに食べに行ったが、ここがちょっとおもしろかった。まずインテリアが日本、中国、東南アジアのごっちゃまぜ。なぜかメニューにチャーハンがありオーダーすると、「これ・・・リゾット?」って具合。食文化が正しく伝わってないってとこに、まだまだ日本とアイルランドの距離を感じた。でもこういうのって私は楽しい。今に世界中どこででも完璧な日本料理が食べれるようになるのだろうけど、きっとそれってつまらない。多少の誤解はおもしろい。だってそういう情報の時差のようなものが見たくって旅行先でわざわざ日本食を食べに行くんだもん。

12月12日(金)/ロンドン市内 Swallow International 泊

田園風景さあ、ロンドンへ移動だーと思いきや。朝のテレビでヒースロー空港が火事で閉鎖されていることを知る。出火元はバーガーキング。取りあえず空港へ行き、予定していた便とは別の飛行機でヒースローではなくガトウィック空港へ向かう。小さな飛行機で飛行高度も低い。でも田園の風景がパッチワークのようできれいだった(写真:左)。
ガトウィックからは列車でビクトリア駅まで。短い距離だったけど以前からイギリスの列車に乗ってみたかったから満足! 駅からはロンドン名物のタクシーを利用する。実はロンドン3回目でタクシー初体験。「Swallow International Hotel,Please」のひとことでタクシーはちゃんと私たちをホテルまで運んでくれる。噂通り、ロンドンのタクシードライバーは優秀だった。
ホテルはフレディ・マーキューリーの家の近く。早速行ってみる。あいかわらず塀の落書きがひどい。ドアだけが真っ白く塗り替えられていた。中央のドアの前でウロウロしていると突然右端にあるドアから女性が出てきた。そのときはただビックリして何も出来なかったけどあとから思うと何か聞けばよかったなぁ。あの人はいったい誰だったんだろう? このあとロンドンで一番大きいと言われる本屋"Foyles(フォイルズ)"に行きエディの本を買う。あとで見たらこの本、直筆サイン入りだった。サイン会でもやったのか?エディ。
オックスフォード・ストリートにあったスポーツ用品店。"世界のサッカーチームのユニフォームあります"と店頭の看板で豪語していた。「ホントだな!うそじゃないな!日本のもあるな!」とドシドシ店内に入るとホントにありました。グランパスのユニフォーム。やっぱ、リネカーがいたから? 

12月13日(土)/機内泊

フレディの家今日は帰国の日。午前中だけそれぞれ自由行動。私はもう一度フレディの家(写真:右)へ行き、それから徒歩でケンジントン・パレスへ。ケンジントン・パレスは写真で見るよりずっと大きい。ここに限らずロンドンって都市のすべてがダブリンよりずーっとずーっと大きい(当たり前だけど)。ロンドンは好きな街だけどこのときだけは都市の大きさに少々うんざりした。地下鉄に乗り、タワーブリッジへ。一度渡ってみたかったんだー。お天気は快晴。ヒースローは昨日の火災のため一部が閉鎖されているが他は平常通りの営業にもどったそうだ。タワーブリッジの上を昨日の敵を取るかのように数機の旅客機が飛行機雲を作ってそれぞれの方向に飛んでいった。よくぶつかんないなーって空を見上げてちょっと思った。

12月14日(日)/成田到着

無事帰国。明日からまたお仕事。旅行って出発の前日が一番楽しいのかも・・・。



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