雪の結晶

引き続き自由作品(3作同時進行のうちの最後のひとつ)
元々のデザインはこんな感じ。
雪の結晶の元になったデザイン画

石はクリスタル(天然水晶、3.45ct、Φ10.0mm−100)
3作のうちの最後と書いたけれど、実は最初は全然違うデザインを考え途中まで進めていた。(石も全然別のものを使う予定だった。) でも、どうもしっくりこないというか、実際に作り始めているにもかかわらず出来上がりがイメージ出来ないというか、 イメージが膨らまないというか・・・。今までも完璧にデザインを考えて進めてきていたわけじゃなく、 作っている途中でどんどんデザインが変ったりということは全然珍しいことではないんだけど、 今回はそういうのとはちょっと違って・・・なんていうのかなぁ、ものすごく迷いがあったというか・・・ とにかく軸がブレまくりという感じ?で自分として納得がいかず・・・ 結局途中まで進めていたのを潰してこっちに切り換えた。
で、迷っている途中でたまたま石を眺めていた時に「!この石を使って雪の結晶なんてよくないか?」と思ったわけ。
(控えている石は沢山あって、たまぁ〜に眺めたりする。自分がどんな石を持っていたっけ?と見返してみたり、 久しぶりに見てその石に合うデザインを思いついたりすることもあるので。)

で、私はものすごいリアリティを追求しているわけではないんだけど、やっぱり誰が見ても 「雪の結晶だ」という認識はして欲しいので、本物の雪の結晶や写真、画像、 お店にディスプレイされているようなデザインされたものなんかを色々見た。 で、自分の希望としてはもっともっと複雑なのを作りたかったんだけど、強度を考えるとそんなに薄くは出来ないし、 厚くなればそんなに細かいデザインは技術的に無理だし・・・というわけで最終的にこうなった。 最初はバチカンをつけて、バチカン自体も雪の結晶にしようかなと思っていたんだけど、本体を作ったところで気持ちとして力尽きたのと デザイン的にバチカンをつけるとしつこくなる感じがして(本体が結構大きいので)本体に通すところをつくった。 (同じ理由でチェーンよりも革紐の方がいいかなと思った。ちなみに下のほうはバチカンのデザイン。)
あと、本体全面をポンチで打ったんだけど、最初はピカピカに磨き上げるつもりでいたのね。 けどボールのロー付けが想像以上に上手くいかなく、その汚さを隠すためにこうした。結果としてはこうして正解だったのかも。 (ピカピカになったのを見たわけじゃないので比較は難しいと思うけど、教室ではそういう意見が多かった。)
ポンチで打つのは結構簡単に出来るもんだと考えていたんだけど、なんと3時間以上もトントン、トントン打ち続けていたはず。 疲れた・・・。



今回のようにデザインそのもの?をボツにするようなことは初めてで、 例えば今まで先生が「失敗したら潰してまた最初から作り直せばいい」なんていうのを聞いて「もったいないなぁ〜」なんて思っていたんだけど (まぁ、今ももったいないとは思うけど)自分がそういう状況になって、 結構迷わず・・・というか、もっと「もったいないなぁ〜潰すのはイヤだなぁ〜」と思うかと思っていたら結構アッサリ 「やっぱり作り直そう」って踏み切れたので我ながらビックリしている。 でも実際に作り直してみて、やっぱり作り直して正解だったと思うし、今回の場合は石にも申し訳の立つデザインになったと思っている。 この石、もう何年か前になんの目的もなくただキレイだし安かったしとりあえず買っておくか・・・程度の気持ちで買ったもの。 でも色々な石を見るようになって「面白みのない石だなぁ」と思うようになり、正直なところ、どこに使えばいいのかなぁ・・・ なんてちょっと困っていたのよね、まぁ、持っていても邪魔になるような大きなものじゃないから構わないといえば構わないんだけど。 (水晶ってダイヤモンドなんかと違って透明感はあるかもしれないけど反射した時に青や赤や黄みたいな色が全然感じられないので 石としては結構地味な石ではないかと思うのね。 デザインやカットが変わっていたりすればまた話は別というか面白いものが出来たりもするだろうけど・・・。) だから、今回自分としてはデザインで石の良さというか質感?を上手く生かせたんじゃないかと思うので、 そういう意味では今まで作った中で一番満足しているかもしれない。 ただ作っていく過程ではミリ単位以下でキチンと線を引いたりしたにも関わらず太さが違ったり対称でなかったりと、 なんでこうも上手くいかんのかなぁ〜と思う場面も多々あった。 こういう部分については技術力不足と思うので一層の努力が必要だと思う。