「…?」
不意に何かが気になって。
振り返った。
その先に。
「…チっ」
見つけた、銀色。
舌を鳴らして、また前を見る。
咥えていた煙草を捨てて。
新しい煙草を懐から取り出す。
…いつからだ?
いつから俺は奴を目で追うようになった?
声がしたとか、目の前に居たとかそう言うんじゃねェ。
気配を感じた訳でもねェのに、振り返ったり、巡回中のふとした瞬間に俺は奴を見つける。
大抵奴は俺に気づいてなくて。
俺ばっか奴を見ているみてーで、胸クソ悪ぃ。
「…くそっ…」
ガリガリと頭を掻いて、歩き始める。
解ってる。
解ってるんだ。
この胸のモヤモヤ。
ムズムズとして、モヤモヤして。
奴を見た後、必ずこうなる。
無意味にイライラして、ムカムカする。
「…っ、何なんだよ…!」
この気持ちの正体に。
俺は気づいてる。気づいちまってる。
でも。
何で奴?
よりにもよって。何でアイツなんだよ!!
つうか、俺、アイツ嫌いだったじゃねェか。
気に食わなくて。何かと衝突してたじゃねェかよ。
それが何で。
何で、今更?
「…言えるかよ!」
本当今更。
どのツラ下げて、言えってんだよ!
「好き、だなんて…!!」
テメェに惚れたなんて、口が裂けても言えるかっての!
・END・
2008/02/25UP