時々。
本当に時々。
…俺は嫉妬をする。



「…なぁ」
「あぁ?」
「…会うの、さ。すっげェ久々じゃね?」
「あぁ…そうだな。ここんトコ捕り物が多かったからな」
「だ〜よね。じゃぁ久々な会瀬な訳だ」
「あぁ」
「……………………………」
「……………………………」
「ひ〜じ〜か〜たく〜ん」
「…何だよ」
「…何だよじゃねェよ!つうか、俺が何だよって言いてェよ!!さっきさ俺、言ったよね?久々の会瀬だって!なのに何で?!何でテメーは仕事してんだよー!!」



一応俺の恋人、真選組副長『鬼の土方』こと土方十四郎は仕事のムシ。
仕事でデートのドタキャンなんて当たり前。
それに今だって。
久々の会瀬だってんのに書類に目を向けて、俺なんか無視。
…あ〜、もう。



「しょ、しょうがねェだろ?これ、明日までの提出なんだよ…」
「…んなの他の誰かにやらせりゃ良いだろうが」
「駄目だ」
「んでぇ?」
「こりゃ報告書だぜ?役職着いてるとは言え、総悟みてぇな隊長クラスにゃ書かせらんねェし(不安だし)こりゃ局長か副長が書かなきゃいけねェんだ」
「じゃぁ局長ゴリラに書かせりゃ良いじゃねェか!」
「振り仮名振ってゴリラつうんじゃねェ!!それに…駄目だ」
「何でぇ?アイツだってまかりなりにも真選組の局長だろうが。それがなぁに?副長じゃなきゃ書けない書類とでも言うのか、この野郎!」
「違ェよ。最近の捕り物で疲れてんだ。…それにこう言うディスクワークはあの人に向いてねェからな」



…。
……。
………。
あぁ、そう!
そうですか!さいですか!!
疲れてんのはテメーも一緒だろうが!
こう言うのデスクワーク苦手なのはテメーも同じだろうが!!
それなのに、何?
無理押してやっちゃいますか?!
俺放って置いて、やっちゃいますか?!



「…………………………」



あ〜!!
何かイライラして来たよ?
銀さん、無性にイライラして来ちゃったよ?



「あ、そ!んじゃテメーは一生仕事でもしてろや」



こうしてテメーが仕事してんなら。
俺はココに居る意味なんてねェし。
帰ろうと立ち上がった時。



「銀時?」



パシッと手を掴まれる。



「何だよ。何処行く気だよ?」
「何処行く気ぃ?帰んだよ。副長さんは仕事で忙しいみてェだからな」
「んだよ。良いから居ろよ」
「はぁぁ?お前自分の状態見て言え」
「状態?」
「仕事に没頭してんなら、俺が居る意味なんてねェだろうが」
「…ある」
「はぁ?」
「あるつってんだよ。何勝手に決めつけてんだよ」



くいっと引っ張られた、握られた手。
見上げて来る、鋭い…けど何処かすがるような瞳。



「…っなせ」
「ヤだ」
「放せって。帰れねェだろうが」
「じゃぁ余計放さねェ」
「あのな、いい加減…!!」



無理矢理にでも振り払おうとした。
…その時だった。



「っ、どわ…!」



さっきみたく、軽く引っ張るんじゃない。
強く引っ張られ、そんなの予想もしていなかった俺はそのまま前のめりになって。



「ぃってェ…!…テメ、何しやが……!」



そのまま土方の方へ。
突然の行動に抗議の声を上げようとした。
…けど。



「…帰んなよ」



キュっと抱き締められて。
耳元で囁く声が、より近い事を知らしめる。



「…ひ、じか…」
「…帰んじゃねェよ」



もう一度、キュっと抱き締められる。



「…テメーと居ると落ち着く。早く触りたいから、早く仕事終わらそうって気がする。俺だって好きで仕事してんじゃねーっての」



抱き締められてるから。
表情が見えない。
俺はもったいないな〜なんて思いながら、コイツの腕の中で大人しくしてる。



「終わったら。今までの分まで触らせろ。…傍に居ろ」



…解ってんのかな、コイツ?
……今、すっげェ殺し文句言ったの。
解ってねェんだろうなぁ〜タラシだかんな、コイツ。



「……………………………」
「…?ぉい、聞いてんのか?」



でもさ。



「聞いてるよ」
「じゃぁ解ったな」
「…ヤだ」
「……は?」



それってすっげェ自分勝手な言い分じゃね?
…俺はね、土方君。



「大人しく待ってるだけなんて無理」
「は…?ちょっ…待て待て待て!何脱いで…!!」
「いやぁ、土方君があんな事言うからさぁ」
「あんな…?」
「銀さん、欲情しちゃったよ」
「は?!」
「ってな訳で」
「ぎ、銀時?!ちょっ、ちょっ…!待て…!!」



俺は俺の時間をね。
待ってる時間になんて費やしたくないの。
…穏やかな。
とてもとても穏やかな、お前を待つ時間も嫌いじゃないけど。



「ぁ。土方君仕事してて良いよ。俺が勝手にスるから」



でも。



「っっっ…!!出来るかっっ!!!」



刺激的な方が。
…俺達らしい。
……だろう?





・END・
2007/11/04UP