ただがむしゃらに走った。
途中人にぶつかりながらも、ただ眼前に広がるターミナルを目指した。
あの時、自分は望んだ。
もう彼に会いたくない、と。
振られる前に振ったのだ。
微かな自尊心の為に。
…弁解をするなら。
背中を押してやるつもりだったのかも知れない。
彼が迷わないように。
または、そんな事を言う自分に縋りついて欲しかったのかも知れない。
今思えば。
銀時は選んだのかも知れない。
自分ではなく、あの男を。
だから地球を去るのかも知れない。
自分の言葉に応えたのではなく。
だったら自分が今ターミナルに行く事は自殺行為なのかも知れない。
幾つも思い浮かぶ、仮定。
幾つもの『かも知れない』
でもそれは土方の思いであって、決して真実ではない。
銀時の口から、銀時の言葉で聞きたい。
彼の『真実』を。
例えそれが自分の望む答えではなかったとしても。
きちんと答えが知りたかった。
自尊心の為に、逃げるのは止めようと。
傷つくのを恐れて、逃げるのは止めようと。
ただ土方は走った。
後悔はしたくない。
例え『らしくない』と言われようと、自身が傷つこうと。
…居なくなってからでは遅いのだ。
会えなくなってから後悔しても遅いのだから。
…銀時に伝えたい事がある。
短くて拙い、在り来たりな言葉だけど。
これが自分の真実なのだと。
「…ぃくなっ、銀時!」
ターミナルの中。
出航の準備をしている最中、辰馬は甲板に出て、荷物入れをしている船員を見つめていた。
ふと背中の視線に気付いて。
「疲れたろう?中入ってて良いぜよ。後はわしがやるきに」
振り返って、笑顔でそう言った。
…その時。
「…銀時!!!!!」
「な、何じゃ?」
響き渡る声に、辰馬も船員達も声の方に振り返る。
そこには息も切れ切れの土方の姿が。
辰馬はその姿を確認すると、甲板の手摺に身を預け、唇に笑みを浮かべた。
そして後ろに居る人物に手をかざして制止の意を伝えた。
「おんしはそこから動くな。…これはこれは新選組副長さん。副長自ら見送りか?」
「っ、ふざけた事抜かしてんじゃねェよ。…銀時居んだろ。出せ」
「何でじゃ?おんし、銀時と別れたんじゃないのか?わしはそう聞いちょるぞ?」
「…るせェ。俺は銀時に話があんだ。テメーに用はねェ。…銀時は何処に居る?」
「…せっかく地球ば離れる決意したきに。揺らさんでくれ」
「んな事知ったこっちゃねェ!…銀時!居るんだろう、話を聞いてくれ!!」
「止めろ言うてるきに!せっかく決意したに、おんしが揺らすな!!」
船に近づく土方に、辰馬はヒラリと甲板から飛び降り、土方を制止させる。
「おんしじゃぁ、銀時救えん言うちょるんじゃ。これ以上銀時を苦しめるな!!」
「っ、救う救わねーなんて知るか!テメーはこの間から何言ってやがる!!」
胸ぐらを掴まれた土方は、それを乱暴に振り払う。
そして辰馬を睨み上げ。
「…意味は解んねェけど。じゃぁ聞くが。テメーなら、銀時救えると言うのかよ」
「…この間も言うたじゃろ。わしにも無理じゃ。誰もアイツば救えん」
「だったら…!」
「じゃが…わしは誤魔化しちゃる事は出来る」
「な、に…」
「一時でも良い。…わしは銀時にそれば忘れさせる事が出来るぜよ」
「そんなの…んなの逃げてるだけじゃねェかよ!!」
「…逃げて何が悪いがか?」
「馬鹿言ってんじゃねェ!銀時は、んなに弱くねェ!んなに弱い人間じゃねェんだよ、銀時は!!」
「それが銀時を苦しめちょるんじゃ!!」
「…っっ!!」
再び掴まれた胸倉に。
土方はただ息を詰まらせた。
「…どう言う、意味だ?」
「銀時は決して『強く』なんかない。アイツも一人の人間なんじゃ。弱くて脆い、人間なんじゃ…」
「な、に言って…」
「…おんし、気づいちょったか?」
「あ…?」
「…夜。銀時が眠れんで、魘されちょった事を。痛みに耐えて、声を殺しちょった事を」
「!?」
「傷は治っても、心の傷ば簡単には治らん。アイツは…銀時はずっとそれに隠して、耐えちょったんじゃ」
「……………………………………」
「夜叉じゃぁ何じゃぁ言われてても。…アイツは人間じゃ。……痛む身体も、傷も持っちょる、人間じゃぁ」
沈黙が辺りを支配した。
土方はただ、言われた言葉に俯き、言葉を失った。
辰馬は掴んでいた土方の胸倉から手を離し、フゥと小さく溜息を吐いて。
「…こげな事言うつもりはなかったきに。おんしも忘れてくれ。…今日の事も。…銀時の事も」
そう言って踵を返した、辰馬に。
「……………ろ」
「へ?」
ボソリと言葉が届いた。
それに辰馬は足を止め、振り返った。
…その瞬間。
「…っっ、一発、殴らせろ っっ!!!!!!」
ビリビリと辺りに反響する大きな声。
それは土方から発せられたもので。
辰馬は思わず、クワンクワンと頭に反響する声にクラクラしながらも、土方を凝視した。
「は?へ?ちょっ、ちょっとおんし、待つぜよ!!」
「はぁはぁ…銀時!そこに居んだろう!!テメェ、一発殴らせろ!!思いっきり!!!」
甲板に向かい出した土方に、辰馬は慌てて静止の手を伸ばす。
「おんし、わしの話ば聞いちょらんかったんか?!」
「聞いてた!聞いてたから言ってんだよ!!テメェも一発殴らせろ!!!」
「はぁ?!何でそうなるんじゃ?!」
「ダラダラと御託並べやがって。要約すりゃぁ、つまり、テメェ等は傷の舐め合いしてたって事だろうが?!」
「なっ…!」
「何が恋人だ…!何が浮気だ…!ふざけやがって…!!!それ以前の問題じゃねェかよ、テメェ等は!!」
船体に近づこうとした土方の身体を、辰馬の腕が腕を伸ばして静止する。
その腕に止められて、土方はキっと辰馬を睨みつける。
「傷の舐め合いだってんなら、話は早ェ。…そこ退け!!」
「なっ…!」
土方はそう叫ぶと、グイっと辰馬の身体を押しやる。
「銀時ーっ!!」
そしてありったけの声で叫んだ。
「降りて来いっ!んで、俺の話を聞け…!!」
「ちょっ…待つぜよ!!」
「放せ…!俺は銀時と話してェんだ!」
「話す事なんてないきに!おんしには解らんぜよ!銀時の苦しみは!」
言われた言葉に、土方は振り返り辰馬を睨みつけた。
「あぁ、解んねェな!」
「なっ…!」
「後、傷の舐め合いして、それから目を反らす奴の気持ちも。理解出来ねェし、理解したくねェ!!」
「きさっ…!」
それでも。
土方は辰馬の言葉も行動も、無視をして、甲板に居るだろう銀時に視線を向けて。
「…っ、銀時!!姿を見せろっ!!降りて来いっっ!!」
それでも。
姿を見せない銀時に。
土方は、苦しげに名を口にする。
姿を見せて欲しい。
言葉に反応して欲しい。
そして。
「っくそ!…好きだ、テメーが好きで好きで堪んねェっ!!少しでも…少しでもテメーに俺への気持ちがあんなら…地球に居ろ!
吐き出す、気持ち。
望んだのは自分。
二度と会いたくないと紡いだのも、自分。
…けれど。
それが現実になり、その事に愕然とした。
急激に現れた現実に寒気を覚えた。
紡がれた名。
現れた存在。
それ等に翻弄され、疑い、そして突き放した。
真実を知る事が怖くて、傷つきたくなくて。
でも自分の正直な気持ちに気づいて。
こんな…恥も外見もなく。
今自分は叫んでいる。
嘘も、虚勢もない。
ただ必死に。純粋に。
「…っ、行けつったのテメーだろうが…!!」
吐き出した瞬間。
土方は後ろから強く、温もりを感じた。
それに慌てて振り返れば。
「ぎんと、き…?」
「テメーが行けつったんだろうが…。だから…だから俺ぁ
そこには見知った銀髪があり、土方は。
「え゛…テ、テメー甲板に居たんじゃねェのかよ??」
「…ずっと後ろに居たつうの…気づけよ、馬鹿…」
甲板と背後から抱き着いている銀時を交互に見やる。
不思議がっている土方に、辰馬は1つ溜息を吐くと。
「お〜い、陸奥。顔出して良いぜよ」
「む、陸奥…?ぇ…だ、誰…?!」
「…やれやれじゃぁ」
辰馬がそう言うと、甲板から、呆れ顔の陸奥が顔を出し。
土方は固まる。
「テ、テメー俺を謀ったな…」
「人聞き悪い事言いなさるな。おんしが勝手に勘違いしただけぜよ」
「っっ!!」
今までも行動を思い出し、土方はカァァァァと顔が熱くなるのを感じた。
自分は今まで何をしていた…?
何を言っていた…?
「だっ…、ちがっ…、こ…っ!!」
アタフタとうろたえる土方に。
「…大義…」
「…ぁ?」
「…失っちょったのはわしかも知れんな」
「は…?」
「…銀時」
「……辰、馬……」
「コイツじゃ駄目じゃぁ思っちょったがぁ、わしの違いじゃったな。…もう、大丈夫じゃな?」
「…………ぅん……ごめん」
「謝ることないき。…幸せになるんじゃぞ」
ニコっと微笑んで言った辰馬に、土方はポカンと眺めた。
そして。
「お〜し。おんし等、出航時間は間近じゃ!キビキビ働き〜!!」
クルリと背を向け、船へと歩いて行く。
「…良いのか、頭」
「良いんじゃ良いんじゃ。…フられたフられた、あっはっは〜!!」
「…あげな手を使ってでも手に入れたかったんじゃなかったのか?」
「あっはっは〜。そうじゃな〜。手に入れたかったんかも知れん」
「?頭」
「駄目じゃなぁ。こん時くらい自分が敏い事憎たらしく思えた事はないぜよ」
「…どう言う事じゃ?」
「アイツが銀時の恋人じゃ言うんはすぐに解った」
「そうなのか?」
「あぁ。で、同時にムカついたんじゃ」
「嫉妬か?」
「そうじゃな〜嫉妬半分、違う事半分かぇ」
「違う事?」
「…恋人出来たちゅうんに、まだアイツばわしん事、頼みの綱にしちょったからな」
「…頭。もっと解り易く言わんか」
「あっはっは〜。…つまりは。わしより、アイツの方が銀時の事ば、解っちょったちゅう事じゃ」
「意味が解らんぜよ!」
怒る陸奥に、辰馬は笑うだけ。
痺れを切らした陸奥が船に戻るのを見て、辰馬は笑みを止める。
「おんしにフられるのは二度目、じゃな。…銀時」
後ろに見える、2人を見ながら。
ポツリと辰馬は言葉を漏らす。
そして背を向けて。
二度と振り返る事はなかった。
…そして。
残された2人は。
「…おい」
「………………………………………」
「おい。…いつまで引っ付いてるつもりだよ」
「………………………………………」
「アイツ。…行っちまうぞ」
「…やっぱ」
「あ?」
「…やっぱ行って欲しいんだ。
「そうは言ってねェよ!!…俺の気持ちはさっき言っただろうが」
「だったら!…んな事言うなよ。……不安になんだろう」
「…おま…」
バっと上げた銀時の表情に土方は戸惑った。
それはいつも見ている表情ではなく。
まるで泣き一歩手前の顔。
捨てられた子供みたいに縋りつく視線だった。
「…何つう顔を…」
「ぇ?んだよ、聞こえねェ」
「んでもねェよ」
赤くなる顔を隠す為、土方は右手で顔を抑える。
その時、キュっと銀時が回していた腕が微かに力が入った。
それに気づいて。
「………嫌われたかと思った」
「…嫌えるかよ」
嫌いになれたら、いっそう楽だったのに。
そう思うが、回された腕と、密着する事によって生まれるこの温もりに心底安堵し、喜んでいる自分が居る。
それは手放したくない。失いたくないのだ
「…アイツ、お前の昔の恋人かよ」
「……は?」
「…だから。アイツ、坂本辰馬だよ」
「辰馬が…何だって?」
「だから…恋人なのか、って、ててててててて!ぃって、テメ、何しやがんだ!!」
ギュゥゥゥゥゥゥゥと腰に回していた腕の力を銀時は込めた。
「…ヤッベー。俺、今ものっそいお前にバックドロップかましたい」
「な、何でだよ?!!俺が何したってんだよ?!」
「っっ、げェよ!!」
「…は?」
勢いよく腕を外すと、銀時は顔を上げる。
その顔に広がる表情は、先程とは打って変わって。
…怒りに満ちていた。
「ちっっげェよ!!辰馬は俺の戦友で、そう言う関係じゃねェっっ!!」
「は?!!だ、だってアイツ…」
「?辰馬が…どうしたんだよ?」
「…言ってたぞ。『恋人』だって。しかも現在進行形で」
「は、はぁ?!辰馬が?!何で??」
「そりゃこっちが聞きてェよ!!んで、テメェんトコ行ったら、アイツが居やがるし、…テメェは」
「俺が…何だよ?」
「…疲れて寝てるつうしよ」
「…そりゃ、夜中に来れば寝てるでしょ」
「…アイツは察しろつったんだよ。「何で疲れてるか、解るだろう」って」
「なっ…!!」
土方がそう言うと、銀時はカっと頬を赤らめた。
それに気づいた土方の眉間に深く皺が刻まれる。
「ほれ、見ろ、テメっ!やっぱ浮気してやがったな!!」
「ちがっ…違う違う!!浮気とかじゃないから!!」
「あぁ?!あっちが本命とか抜かしたら、テメ、叩っ斬るぞ!!」
「違うっての!」
「じゃぁ、何だってんだよ?」
「…ぅ…」
土方が詰め寄れば。
銀時は俯き、無言になってしまう。
訝しげに、銀時の言葉を待つ土方に、銀時は小声で話し始めた。
「…そ、の…」
「…あ?」
「…そろそろ、アレ、だろ?」
「…あれ?」
「……………………………終戦日」
「終戦?」
ポツリと呟かれた言葉に、土方は微かに考え込む。
終戦?
「…あぁ。江戸が天人受け入れたって日の事か?」
「…ぅん」
「それがどうしたって言うんだよ?」
「…………俺、攘夷戦争……参加、してた」
「…あぁ。…知ってる」
「………いっぱい、仲間が死んだ」
「………そうか」
「俺だけ、…俺だけ、のうのうと生きて、幸せにしてて、…終戦、近くなると、夢、見るんだ」
「夢…?」
「俺は誰も救えない。俺の周りは死体ばっかで…苦しくて、辛くて、……寂しい」
「………………………………」
「攘夷戦争に参加してる奴は、俺を…『白夜叉』って呼んでて。強いって言ってて…でも俺、んな強くねェんだ」
「………………………………」
「苦しくて辛くて、でも誰にも言えなくて。…そんな時、辰馬が助けてくれた」
「………………………………」
「…今でも。終戦の日が近くなると、夢を見る。…それを知ってて、辰馬は今でも俺を助けに来てくれる…」
「………………………………」
「助けたくて。誰かに伸ばした手を、辰馬は握ってくれる。…夢でも、現実でも」
「………………………………」
「あの日も…眠れない俺を、辰馬は手を握ってくれて。…抱き締めてくれた。…それ以上の事、はねェよ」
「…………………………………」
「…がっかりしただろ?……お前は、俺の事、……強い、って思ってくれてた、のに。…幻滅したよな」
黙ったままの土方に、銀時は顔を見ないまま苦笑を浮かべた。
銀時のそんな言葉に、土方はハァ〜っと長い溜息を吐き出して。
「…あぁ、そうだな」
「…っっ」
「すっげェ幻滅だ」
「…だ、よな…」
自ら紡いだ言葉とは言え、肯定されると酷く胸が痛んだ。
銀時はギュっと自身の胸元を握り締めた。
…痛むに耐えるように。
「勘違いすんなよ」
「…え?」
「俺ががっかりしたのは、テメェの過去とか、痛みの話じゃねェ」
「…ど、どう言う事…?」
「俺がお前を好きだって理由を、お前は何1つ理解してねェんだって事にだ」
「え…?」
「確かに俺は以前、テメェに喧嘩で負けた事がある。だが、それだけでテメェが俺より上だと認めた訳じゃねェ」
「……………………………………」
「ましてや、仮に認めたとしても、だ。俺がテメェに惹かれた理由ってのは、テメェが俺より強いからって訳じゃねェ」
「……………………………………」
「俺がテメェに惹かれた理由は…」
土方はそう言うと、トン、と銀時の胸元を拳で軽く叩いた。
それを不思議そうに見つめ、放心したような表情で銀時は土方を見つめた。
「な、に…?」
「…魂だよ」
「たま、しい…?」
「テメェの信念を突き通そう、そうするテメェの魂の在り方に、俺は惹かれたんだ」
「……………………………………」
「背筋伸ばして、真っ直ぐに生きようとしてるテメェに惹かれたんだ」
「ひじか、た…」
「
「……………………………………」
「誰だって、んなモン抱えてんだよ。それに負けず、生きてく『強さ』…テメェは持ってんだろ?」
「…………………………………」
「あの時救ってやれなかったんなら。今テメェが抱えてるモン、死ぬ気で守れ。死んだ人間には何もしてやれねェ」
「…………………………………」
「俺の知ってる『坂田銀時』はそう言う人間だ。…お前は偽者か?」
土方の言葉を呆然とした表情で聞き。
銀時は土方の言葉に、フルフルと首を左右に振った。
「傷の舐め合い、してんじゃねェよ」
「…ぅん」
「『強さ』は、剣の強さだけじゃねェって。…テメェが教えてくれたんだろうが」
「…うん」
「…もし。過去の重圧に負けそうなら、…俺を頼れ。他の奴に縋ってんじゃねェよ」
「うん。…でも、こうやって蹴飛ばされる方が、多串君らしいかな」
「っ、誰が多串だ!!」
「ぁははは。ごめんごめん」
「ったく。……ようやく、『らしく』なって来たんじゃねェか」
「…かもね」
強さは。
決して腕の強さだけではない。
人は。
独りでは生きてはいけない。
数々の心の痛みを抱えながら。
時には負けそうになったり。
時には挫けそうになるが。
「…帰ろっか、土方君」
「…あぁ」
寄り添ってくれる、誰かが。
支えてくれる、誰かが。
…必ず居るから。
「…なぁ」
「ん?」
「お前さ、その…本当にもう出て来ねェよな」
「…?何が」
「…昔の恋人」
「……お前も大概しつこいね。つか!辰馬は俺の親友であって、恋人じゃねェし」
「おい!さっき戦友つってなかったか?!格上げんなってるぞ!」
「え〜?どっちだって良いじゃん」
「良くねェよ!!」
「そう言う土方君は出て来ないでしょうね〜?」
「…何が」
「昔の恋人だよ、恋人。ぁと、恋人ならまだしも、隠し子とか」
「出て来るか!!隠し子ならテメェの方が出て来そうだろうが…」
「ぁ、ひっでー!大丈夫だって。………多分」
「おい、お前今何つった?俺の目を見て言ってみろ!!」
この手の先に。
この空の下に。
……繋がっている。
・END・
2007/08/06UP