持つべきは友達…か?

方法 × 予習
「男同士のSEXってさ、どうやってヤんの?」
「グっ…!!」
「あっはっはっは、大丈夫か〜晋助」


俺の言葉に食ってた物をどうやら咽喉に詰まらせたらしい高杉を。
辰馬が豪快に笑いつつ、介抱する。
…こう言うの、何つうかコイツ等アレだよな、本当。


「ゲホっ、ぎ、銀テメ……、食事中に何つう話してんだよ!!」
「あっはっはっは、しかも唐突じゃしなぁ〜」
「ぇ…だ、だって教室じゃ出来ねェしさ」


思わぬ所で激怒される。
思わず怯んでそう言えば、高杉は「チッ」と舌打ちをして。


「つうか、そう言う話を俺達に相談すんなって一昨日話たばっかじゃねェか」
「だーって他に相談出来る相手居ねェんだもん。しょうがねェだろ」


口をちょっと尖らして、そう言った。
だーって本当に、こんな相談出来る奴、他に居ねェし。
俺だって恥を凌いで聞いてんだから、ちょっとくらい相談に乗ってくれたって良いだろ!


「…ったく、しょうがねェな」
「何じゃぁ、ようやくその気になったがか?」
「その気になったつうか…」
「んだよ。…もしかして土方に押し倒されてでもしたのか?」
「お…!」


言われた言葉に思わず顔に熱が集まる。


「え、マジか?!」
「ちちちちち違うから!!んな事されてねェから!!!」


俺の反応にどうやら勘違いしたらしい高杉が、少々身を乗り出して、聞いて来たから。
俺は慌てて両手と首を振る。
違う。断じて、んな事ぁされてない。
されてねェけど…。


「んだよ、違うのかよ。…つまんねェ」
「じゃぁ、何で急にそがな事知りたくなったんじゃ?」
「ぃや…だから、その…」


ぇ、これ言わなきゃいけねェの?
2つの興味深々な眼差しに、居心地の悪い気分になりながら、口ごもる。
…正直言いたくない。
否、ここまで話といて、アレなんだけど。
でも。だって…、トシと俺の2人だけの秘密にしてぇじゃん。
そう言うのって…。


「と、とにかく!…知りてェの。男同士のSEXの仕方」
「ちゅうてもなぁ…」
「つってもなぁ…」


顔を合わせて、困り顔の2人。
やっぱ知んねェか…。


「男の場合、挿れる穴なんて1つしかねェじゃねェか」
「へ?」
「ケツん穴じゃな」
「………え゛」
「アナルSEX。お前も知ってんだろ?」
「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」


サラリと吐き出された言葉に、思わず絶叫。
否、確かに言われてみりゃぁそうだけど!そうだけども!!


「ええぇってお前…マジで考えてもみなかったのかよ」
「否、考えてもって言うか、えぇ?!…マジでか?!」
「マジでだ」
「マジじゃな」
「……男でも入るもんなのか」
「否、逆に女にも入るんだから、男にも入るだろ」
「ちゅうか、おんし女のケツ、何じゃぁ思うとるんじゃ」
「四次元ポケットじゃねェんだぞ」
「う・ぅん、…まぁ、そうなんだけどね」
「つかよぉ、女より男の方がすげェらしいぞ」
「す、すげェって何が?」
「何とかつう、性感帯が男の場合、ケツん中にあるらしくてな。それ突かれるとすげェらしいんだ」
「へ、へぇ〜…つか、何で高杉が、んな事知ってんだよ」
「は、常識だろ、ジョーシキ」
「常識なのか…?」
「あっはっはー、ワシに振るなー」
「突っ込む方も良いらしいぜ?締まりつうの?それがすげェらしいぜ。まぁ、それは女でヤっても同じらしいけど」
「…マジでか」
「マジでだ」
「あっはっはっは。おまん等、真剣な顔して、何ちゅう話しちゅうか」


辰馬の言葉に、顔を突き合わせてた俺達は離れて。
中断していた昼食を再開させる。
辰馬と高杉は、何だかまだ話してるが、俺の耳にはさっぱり入って来ねェ。
さっき言われた言葉が頭をグルグルする。
そ、そうか…突っ込む方も突っ込まれる方も良いのか。
それなら……。


「のぉ、金時」
「へ?」
「ほがに知りたいんじゃったら、Howto本でもゲットしゆうか?」
「は?」
「そう言う本があるだろうから。ネットで注文してやるつってんだよ。想像だけじゃ、どうしようもねェだろ?」
「え…、あ、あぁ…まぁ、ぅん。確かに」
「ったく。んで俺達がここまでお膳立てしなきゃなんねェんだか…」
「…わ、悪かったよ。感謝してるって」


俺がそう言うと。
高杉はニヤっと笑って。
スっと俺の前に指を1本立てて、手を突き出す。
それに首を傾げてたら。


「感謝してるつうんなら、1つ。質問に答えろ」
「へ?」
「結局、どっちがネコで、どっちがタチなんだよ」
「…知ってどうすんだよ」
「あー?ただの好奇心?」
「面白がりやがって…」
「くっくっく。面白がってんじゃねェよ。純粋に面白いつうの」
「…本当、性質悪ぃな、テメーは」
「で?どっちなんだよ、銀」


これは。
答えなきゃいけないんだろうか。
そう思うんだが、でもまぁ。
色々と世話になってるし、なるのは御尤もだし。
まぁ、…良いか。
……良いのか?


「………俺が受ける方、みてェ」


俺はフゥっと溜め息と共に、ポツリと呟く。
シンっと静寂に包まれ、俺はチラっと辰馬と高杉を見ると。


「…順当過ぎて、つまんねェ」
「は、はあぁぁ?!おま、言わせといて、何その反応?!」
「じゃから言うたじゃろ。土方がネコな訳ないちゅうて」


心底つまんない、みたいな反応にイラっとした。
言わせといて、何この空気?!
俺が悪いの?俺のせいなの?!
興味を完全に削がれたらしい高杉は。
残りの食いもんをさっさと食うと、そのまま横になる。
どうやら本当にこの話は終わりらしい。
何だか納得いかない気分だったが。
それでもまぁ。
当初の目的は、何となくだが達成出来た訳だし。
俺も中断していた昼食を再開させた。
…翌日。
辰馬と高杉が持って来た本に驚愕する事になるのだった。


「金時ー」
「…あ?つうか、辰馬。いい加減覚えろ。俺は銀時だ」
「あっはっはー。昨日言うてた本が届いたぜよー」
「!!!!」


辰馬の言葉に。
俺はシュバっと辰馬が片手に掲げていた、包装された本を奪い取る。


「ばばばばばば馬鹿か!このモジャモジャ!!こ、こんな教室のど真ん中で、渡す馬鹿が居るか!!!」
「あっはっはっは〜。気にし過ぎじゃー、おんしは。包装されちょるきに、誰も解らんぜよ」
「コソコソする方が怪しまれんだよ、銀」
「〜っ!!」


そうだけど!
そうかも知んないけど!!
こっちは気が気じゃねーつうか!!!


「銀時」
「!!!!!と、トシぃ?!!」
「あぁ、じゃぁワシはこれでな」
「え、ちょっちょっ、辰馬…!!」
「また明日のー」
「〜〜っっ!!に、逃げやがったな…!!」
「あ?んだよ、どうしたんだよ」
「へ、へ?!な、何が?!!」
「何か…すっげェ汗掻いてるし、驚いてるみてェだけど…?」
「べべべべべべ別にビックリなんてしてねェし!あ、汗だって、きょ、今日暑いしな!!!」
「?そうか」
「うん、そう!で・で?なななななな何か用か?」
「あ、あぁ…今日、近藤さん達とミーティングして帰るから、一緒に帰れねェけど…お前、どうする?待ってるか?」
「へ?あ、あぁ……うーん、じゃ、俺、先帰るわ」
「そう、か。…何か用でもあんのか?」
「そ、そう言う訳じゃねェけど…!」
「“予習”があんだよな、銀」
「“予習”?」
「た、高杉!テメっ…!!」


余計な事を…!!!
ニヤーと笑った高杉が、手に持ってた袋を俺に渡して。


「これは俺からの餞別だ。精々頑張って“予習”しろよ、銀?」


…マジでコイツ、後で抹殺しよう。
俺は心にそう決めて。
高杉からの袋を受け取る。
つうか、餞別って何だ、餞別って!!
しかも高杉の野郎、言いたい事やりたい事だけやってさっさと居なくなりやがって…!
誰がトシに言い訳しなきゃいけねーと思ってんだ!!


「何渡されたんだよ、銀時」
「え゛」


そう言われて。
でも怖くて袋なんか開けられやしねェ。
だってあの話題の後って、何か嫌な予感しかしねェよ!
高杉だし…!!!


「た、高杉に勧められた、さ、参考書だよ…!」
「参考書…?お前と高杉が、か?」
「お、俺達だって、たまには勉強すんだよ!学生の本分だからな…!」
「…怪しい」


ジとっと俺を見るトシに、俺は慌てて。


「と、とにかく俺は先に帰るから!じゃぁな、トシ!!」
「あ、おい!ちょっと待て、コラ!!」」
「ミーティング頑張ってなー!!!」


俺はそれだけを言うと、辰馬と高杉に渡された袋を抱えて、ダッシュで教室を去る。
くっそー、アイツ等!
渡すなら渡すで、もっと空気を読めぇぇぇ!!
お願いだからぁぁ!!!



・END・
2011/07/11UP