1.直説法現在形
直説法現在形は現在の行為や出来事を表す際に使われる形で、習慣的な動作、物事の定義や事実を述べる場合にも使われます。
Saio de casa às 7 da manhã. 私はいつも朝の7時に家を出ます。(saio→「出る」の直説法現在1人称単数形)
Dois e dois são quatro. 2たす2は4である。(são→ser「〜である」の直説法現在3人称単数形)
現在形で未来を表す口語的な用法もあります。
Vou amanhã para lá e pego o avião. では明日あちらへ出向いて、「そこで」飛行機に乗り込みます。(vou→ir「行く」の直説法現在1人称単数形、pego→pegar「乗る」の直説法現在1人称単数形)
2.直説法完全過去形
直説法完全過去形は点過去ともよばれ、過去の時点での動作が完了していることを表します。
Acordou cedo e já saiu. (彼は)早く起きてもう出かけてしまいました。(acordou→acordar「目がさめるの直説法完全過去3人称単数形、saiu→sair「出かける」の直説法完全過去3人称単数形)
持続した過去の動作を表す場合には、必ずほかの語(副詞など、下の例ではnoites e noites)を用いて意味を補います。
Passei noites e noites em claro.(私は)何日も徹夜しました。(passei→passar「過ごす」の直説法完全過去1人称単数形、noites e noites「幾夜も」の意の副詞句)
3.直説法不完全過去形
直説法不完全過去形は動作が過去において未完了であり、持続したことを表します。物事を語る際に用いられる時制です。また、過去における習慣や反復した行為、出来事を述べる際にも使います。
4.直説法未来形
直説法未来形は文字どおり未来の行為や予定・見通しを言う場合に使われますが、近い未来については、口語では補助動詞を使用した複合形のほうを使うことが多くなっています。
5.直説法過去未来形
直説法の未来形には、過去未来形という形もあります。多くはseで導かれる接続節「もしも〜ならば」に対する主節(帰結節)「〜だろう」に相当する部分に使われます。
単独で使われる場合は推量を表します。
希望や依頼、命令の表現を和らげる意味で、本来現在形を使うところを過去未来にすることもあります。

規則動詞の直説法の人称変化
不定詞 -ar動詞
falar
(話す)
-er動詞
vender
(売る)
-ir動詞
partir
(発つ)
直説法現在形      
eu falo vendo parto
você、ele/ela fala vende parte
nós falamos vendemos partimos
vocês、eles/elas falam vendem partem
直説法完全過去      
eu falei vendi parti
você、ele/ela falou vendeu partiu
nós falamos vendemos partimos
vocês、eles/elas falaram venderam partiram
直説法不完全過去         
eu falava vendia partia
você、ele/ela falava vendia partia 
nós falávamos vendíamos partíamos
vocês、eles/elas falavam vendiam partiam
直説法未来       
eu falarei venderei partirei
você、ele/ela falará venderá partirá
nós falaremos venderemos partiremos 
vocês、eles/elas falarão venderão partirão
直説法過去未来      
eu falaria  venderia partiria
você、ele/ela falaria venderia partiria
nós falaríamos venderfamos partiríamos
vocês、eles/elas falariam venderiam partiriam

6..命令法
命令法はその名のとおり命令する際の動詞の形です。
かつては2人称のみが特殊な形をとったのですが、現代の口語では本来の2人称tu、vós自体が用いられないため、você、vocêsに対応した接続法現在3人称と同じ形が使われています。
規則動詞の命令形の形については、接続法現在の3人称と同じです。
命令形はいわゆる命令のほか、依頼、願望、助言などの表現にも使われます。
また、最近では、特に禁止の表現などで、接続法現在ではなく、直説法現在を用いるようになりつつあります。

接続法
直説法では動詞が独立して使われても意味が通じるのに対し、接続法は主に主節に従属する文で用いられる動詞の法であり、主節との関連が重要になります。従属文の時制は主文(主節)の時制に関連して形が決まってきます。
また、特定の接続詞や願望・推定・疑問・判断などを表す慣用句が動詞の前に置かれる際も、接続法が使われます
7..接続法現在
主文の動詞が願望・依頼・禁止・命令を表す動詞で、現在形か未来形のとき、接続詞queに導かれる従属節の動詞は接続法現在形になります。
8.接続法不完全過去形
主文の動詞が過去形のとき、que以下の従属文では接続法不完全過去形が用いられます。
9.接続法未来形

主文の動詞が未来形の場合、従属文では接続法未来が用いられます。

規則動詞の接続法の人称変化
不定詞 -ar動詞
falar
(話す)
-er動詞
vender
(売る)
-ir動詞
partir
(発つ)
接続法現在      
eu fale venda parta
você、ele/ela fale venda parta
nós falemos vendamos partamos
vocês、eles/elas falem vendam partam
接続法不完全過去      
eu falasse vendesse partisse
você、ele/ela falasse vendesse partisse
nós falássemos vendêssemos partíssemos
vocês、eles/elas falassem vendessem partissem
接続法未来      
eu falar vender partir
você、ele/ela falar vender partir
nós falarmos vendermos partirmos
vocês、eles/elas falarem venderem partirem
ポルトガル語の動詞について