王家の谷は神秘の場所だ。

とにかく聞いたことのある王の墓があちらこちらにたくさんある。あの有名なツタンカーメンの墓もある。しかも運のいいことに、ツタンカーメンのミイラが数週間前から、初めてこの墓で展示されているという。今まで来た観光者が見られなかったものが今目の前にある。

体が震えるのが分かった。

何千年も前の王がまだ生きているかのように目の前に横たわっている。そして入り口も分からないよう、歴代の王を眠らせるために掘った数々の墓のすばらしさに圧倒される。

本当に人間の手で掘ったものなのだろうか・・・。とにかくすごい。


王家の墓の全体図をバックにガイドのモーセンさんと・・・。しかしこのモーセンさん、日本語がぺらぺらなので忘れていたが、こうやってターバンを巻くといきなりエジプト人に変身する。

私もターバンをかって頭に巻いてみたが、これがまた涼しいのである。長い歴史で使われてきた物ってやっぱり意味があるんだな・・・。

王家の谷を観光した後、近くにあるエジプトで有名な石を使った加工品を置いている店に寄った。

ここでちょっと事件が発生する・・・

店は石で作られた置物がたくさん並んでいた。私は時間を確認しようと温度計付きの目覚まし時計を開き、時間を確認した。

すると・・・

一人の若い店員が近づいてきたのである。そして、手振り身振りでなにやら伝えてきた。

なにやらこの温度計付き時計が欲しいというのである。とにかくそのほしがりにはびっくりした。

そんな話には乗れないと拒否していたら、店の商品と交換しようと言うのだ。しかも店主には内緒で・・・。

若いその店員は勝手なやりとりをすると首になると言うことらしい。はじめは安っぽい置物と交渉し始めたが、

「ふざけるなそんなやすい物と交渉するくらいならやめる」

と強く言ったら、一気に値段が跳ね上がり、いい商品と交換しようと言うことになった。

まあ、これもいい思い出だと思い承諾した。

そして、店を出ようとしたそのとき、さっきの若い店員が私を呼び止めた。

「これも持って行け・・・」とある物を手渡した。みると加工する前の石だった。

これまでの説明を聞いているとその石自体がかなり高価な物だと言うことは分かっていたので快くいただき鞄にしまったのである。

「おもしろいこともあるもんだ」と気持ちよくバスに乗り込み、その店を後にしたのである。

そのときは、知らず知らずのうちに怪しい世界に引き込まれ始めていることには気づきもしなかった。

ある言葉を思い出すまでは・・・。


これが石屋。不思議な雰囲気を持ったみせだったな。

アラビア文字のコカコーラ。暑い中のコーラは最高においしく感じる。石屋でかわいい子供たちが来店した私たちに得意気に配っていた


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エジプト旅行記I

有名な石の店へ・・・それは不思議な世界へのスタートだった