伝蔵荘ホームページ

伝蔵荘由来

 伝蔵荘(でんざそう)は信州北八ヶ岳東山麓、標高1200mの落葉松林にある小さな山小屋です。昭和47年にTUWVの仲間が中心になって作りました。以来40年経ちます。

伝蔵荘は季節に応じていろいろな楽しみを与えてくれます。
、 落葉松が芽吹き始めると山菜のシーズンです。麦草峠に至る国道も開通して、残雪の北八ヶ岳を楽しめます。
、ベランダで午餐を楽しんでいると、緑陰に涼しい風が吹き抜け、心地よい一日を過ごせます。
、落葉松が色づき、静かな秋の日差しが暖かく感じられます。散策の途中で見つけた秋の味覚を楽しむことが出来ます。
、雪が降りしきる夜、暖炉を囲んで酒を酌み交わす楽しさは格別です。近くにお越しの節は是非お立ち寄り下さい。

 仙台と山形を結ぶ古い街道の中程に二口峠があります。標高約千メートルのひそやかな峠で、山寺に至る途中で二度食事を取らなければならないところから付いた名称だそうです。峠から仙台側に100mほど下った谷間の台地に“伝蔵荘”と言う名の小さな無人小屋がありました。山形市の持ち物で、当時営林署が植林作業に使っていました。窓もなく、土間に壊れかけたブリキストーブが置いてあるだけの粗末な作りでした。TUWVの仲間たちと四季を通じて二口峠を訪れるたびに、何度も寝泊まりしました。卒業したらいつかこういう山小屋を作ろうと、いつも語り合っていました。

 卒業して仕事の忙しさに取り紛れ、忘れかけていた頃、仲間の一人が八千穂村別荘地の話を持ち込んできました。村役場が過疎対策でやっている事業で、300坪ほどの土地を格安で貸してくれると言います。さっそく現地を訪れて土地を決め、設計事務所を経営している友人に頼んで小屋のデザインを頼みました。二口峠と違って別荘地ですから、電気も水道も引かれていましたが、デザインのイメージはあくまで二口峠の伝蔵荘です。ついでに懐かしい名前も無断拝借しました。本家伝蔵荘は50年経った今も健在だそうで、最近二口峠を訪れたTUWVの仲間が写真を送ってくれました。周囲の杉木立がすっかり大きくなっていますが、粗末な小屋のたたずまいは昔と変わりません。我々の新伝蔵荘の写真と雰囲気がよく似ているでしょう。

 新伝蔵荘の話を聞きつけて、別のTUWVの若い仲間が当時の写真を送ってくれました。我々が仙台を離れた直後の、昭和40年代初めに撮ったもののようです。入り口に伝蔵荘ならぬ“翠雲荘”という看板が掛かっています。我々の記憶にはありませんから、その後名前が変わったのでしょう。我々にとってはあくまで伝蔵荘です。

 昔の二口峠は、磐司岩を見上げながら山寺まで延びる素晴らしいトレイルでしたが、50年代の日本列島改造ブームでむりやり自動車道路を通してしまいました。二口の美しい谷筋や峠道はすっかり破壊されてしまいましたが、幸いにも道路から外れた伝蔵荘の台地は昔のままだそうです。懐かしい伝蔵荘をもう一度訪れたい気持ちは山々ですが、無惨に壊された二口の谷を見るに忍びず、足が向きません。本家伝蔵荘を訪れるのはいつのことになるでしょう。

伝蔵荘主敬白