8月23日
 ★★★アン・シャーリーと森を行く★★★

 夏休みには、子ども向けのテレビ番組が多いですね。
先日、2日間連続で、映画の「赤毛のアン」を観ました。
赤毛のアンといえば、子どもの頃から大好きで、本も読んだし、アニメも観ました。子どもの頃は、アンが髪の色は赤くて、顔は青白く、おでこばかりが大きく(これはアニメの影響かな?)、そばかすだらけで、やせっぽっち。 おまけにいつも空想ばかりしていて、おしゃべり。そんな女の子は自分に近いと思っていました。
アンの空想、想像力はともすれば非常識な行動になってしまって、他の子や、大人達から「変わっている」と言われてしまいます。 初めてこの物語を読み、アニメで観ていたのは、小学校低学年のころ。その頃私は、子どもながらに、「自分はアンほど突飛な空想はしないし、行動力もないなぁ」と、ちょっぴりの優越感と大きな羨望をもっていました。 赤い髪の毛をバカにされて、こっそり染めたら緑色のような黒になってしまう件りは、ドキドキ、ガ〜ンと、物語に入り込んで楽しんでいました。

中学生くらいになると、「赤毛のアン」の物語に出てくる背景というか風景や、西洋風カントリースタイルのディテールに憧れ、物語やアンそのものより、全体の雰囲気が好きになりました。
例えば、アンの部屋。三角屋根の(屋根裏部屋?)そのままの形をした天井に憧れ、古い木の机と椅子に憧れ、顔を洗う陶器の洗面器と水瓶に憧れ、壁紙に憧れ・・・。 または森の小道に、橋に、家のポーチを空想しては、あんな家に住みたい、あんな部屋が欲しいといった具合です。
そうそう、芦別にグリーンゲイブルズを模した『カナディアン・ワールド』ができて、連れていってもらったときはとっても嬉しかった。今はもう閉鎖されてしまいましたがねぇ・・・。
この頃を振り返ってみると、私自身がアンのように、イマジネーションを働かせて、外国の風景や自分好みのストーリーをつくって楽しんでいた、アン・シャーリーになっていたのかも知れません。

そして、すっかりイマジネーションが枯れてきて大人になった今、赤毛のアンの映画を観て、やっぱりアン・シャーリーはスゴイ! アン・シャーリーになりたい! と思いました。
キー・ワードは『想像力』です。
2日目に放送されたアンの青春で、思春期から青春期に入り、学校の先生になったアンは、相変わらず思い込みが激しくて、そそかっしいんです。
アンが飼っている牛が柵を越えて隣家の畑を荒らしてしまいます。それで、隣家のおばさんが苦情を言いに来るんです。 何度かそんなことがくり返されてまた、畑を荒らしてしまって、おばさんはすごく怒って、この件に関係ない、アンへの不等な悪口を言い始めます。 アンは素直に謝るのですが、おばさんはあることないことをアンに言うんですね。
するとアンが「私は人よりも想像力がありますから、あなたのお怒りがどれほどか、本当によくわかります。でも・・・」と反論し始めたんです。
この時、私は一つ悟ったというか、目から鱗が落ちたような気分になりました。
『想像力』という言葉って、ファンタジーをイメージするとか、空想の翼を羽ばたかせるとかいう、ロマンチックなものだけじゃないんだなぁと思いました。
アンの想像力のすごさは、頭の中であることないこと空想するだけではなくて、人の気持ちを想像する=相手の気持ちをおもんばかる力なんですね。

最近、若者が起こすの事件とか、バーチャル世界のマイナス部分がずいぶん騒がれ、それについてコメンテーターがいろいろ言っていますね。
だれかは、事件を引き起こした人は「自分のしたことに対してどんな結果が生まれるか想像できないのだ」と言っていました。 この時も「そうなんだよねぇ」なんて、わかったような気持ちで頷いて見ていたんですけれど、さして『想像力』という言葉は気になりませんでした。
アンが言う「私は人より想像力が豊かだから』という一言ほどには・・・。
そう、今の人々が足りないものは『想像力』なんだ。
突然の非常識な行動(犯罪)だけでなく、他人に対してちょっとした思いやりをもてないことも、想像力の欠如からくるんだなぁと、深く感心してしまいました。

アンがもし私の友達だったらどうだろう? アンみたいな人がたくさんいたら、どうだろう。 アンみたいになれたら、素敵だろうなぁ・・・なんて、子どもみたいに空想してしまいます。
アン・シャーリーという空想の物語の人は、私のライフ・ステージの段階段階で、実にうまく寄り添ってくれているのを感謝します。
ふと、このDeep-Snow Forestの原風景は、アンが暮らしたグリーンゲイブルズの森だったような気がします。
森は思考力を深くさせます。そして想像力と空想を広くさせます。
アンと一緒に空想の森を歩いたら、もっともっと楽しかもしれないですね。
いやぁ、物語って、素晴らしいですね、では、また次回お会いしましょう(寒)。

 ここまで飽きずに読んでくれたあなたには大変感謝します。

 まぁ、こ理屈ですから…、乱文、支離滅裂な思考は勘弁してね。

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