5月20日
 ★★★指一本でも★★★

 数ヶ月間、ずっと気になっているテレビコマーシャルがあるんです。あと、気になる流行り物も。
CMのほうは、公共広告機構でもないし、なんかそれに似たところが流しているものです。「人差し指一本でできるボランティアもあるんです」という、下条アトム風(本人かな?)の優しげなナレーションが心に引っかかる、ボランティアをしようというCMです。
最初、このナレーションを聞いて、「人差し指一本でできるボランティア?」と考えちゃいました。たとえば、点訳ボランティアでキーボードを指一本で打てばできるなぁ・・・とかね。 で、このシチュエーションは、車椅子の人がエレベータに乗ろうとしているんだけれど、人が多くてなかなか乗れない、そのうちエレベータが閉まっちゃいそうになる。その時、乗ろうとした女の人が、まさに人差し指一本でボタンを押して閉まりかけたドアを開ける。 そこで、車椅子の人を先に乗ってもらって、エレベータが動きだし、めでたしめでたし。

 これを見て、私はなんか違和感を持ったんですねぇ〜。
「これって、ボランティア?」と、思ったんです。どうなんだろう・・・。この登場人物が車椅子の人であって、妊婦さんだったり、ベビーカーを押している人だったりしないところがワナのような気がしたんです。 車椅子の人は、本当にエレベータが唯一の移動手段になってしまう(だれかが手伝ってくれるなら階段でも行けないことはないけど)から、切実度はかなり高いし、困っているだろうなぁ・・・というのも見てすぐ分かります。 で、実際こういう場面に出くわしたとき、普通、やっぱりボタンを押すでしょう、きっと、誰だって・・・とか思ったわけですよ。
そして、車椅子の人の場合じゃなくても、どんな人でも、乗れなさそうにしていたら、ボタンを押して開けてあげるんじゃないかな? と。じゃ、その場合は普通の行動をとっただけだから、敢えてボランティアなんて言うかい? と・・・。
その当たり前のことをボランティアと言っちゃうなんて、どうなんだろう? と。
確かに、ボランティアというのは身近で誰でもできることですよ〜という宣伝としては、効果あるんでしょうね。ん?
っていうことは、この当たり前の行動すら「ボランティア」という良い行動なのですよ〜と教えないと分からない人が多くなったのか〜、またはそれほどボランティアというものを難しくとらえる人が多くなったのか〜。

 で、流行り物の話。
なんか、中高生(あるいは小学生も)の間で流行っているらしい、お百度参り風シール帳っていうのも、おもしろいですねぇ。
良いことをしたら、1つシールを貼る。そしてシールが規定の枚数たまったら、良いことが起きるので、みんな「良いこと」を探してシールを増やすんだって。

 昔、私が小学生の頃は、夏休みにラジオ体操に行って、毎日スタンプを押してもらい、そして最終日に欠席していなければノートや鉛筆がもらえました。
私なんか、必死こいちゃって、海にキャンプへ行ったときなども、張りきってラジオ体操の時間に起きて、親にはんこを押してもらってたなぁ〜。
あとは、夏休みの宿題で、決めたお手伝いができたら、スイカの絵を丸ごと塗れる。ちょっとさぼったら半分塗れるとかいうのもありましたねぇ〜。こちらは、私、ズルしちゃって、やらなかったのに4分の1くらい塗ったりしてた。
それから思い出すのは、サーキットコースといって、グランドの周りに作られた丸太の階段とか、平均台みたいなのとか、タイヤを半分土に埋めて、そこを馬飛びするものとかのコース。これを1周すると1つポイントが加算され、今月は誰々さんトップとか、年間1位でメダルがもらえるという 学校をあげての体力作り行事があったんですね。これは、私の最も不得意とする分野だったので、はなっからポイントを集める気がなくて、何周かしかしなかったけれどね。
こういう良いことを視覚的にポイント化するっていうのは、思いかいしてみるだけでも小学生レベルだなぁ〜。
高校生くらいでもこの、良いことシールが流行りだしてるっていうの、どうなのかなぁ? ゲーム世代のゲーム感覚なんだねぇ。で、このシール帳を開発(?!)したのは20代半ばの男性だとか。
あ〜、やっぱりねぇ、小学生の時からずっとポイントをためる喜びに浸って育ってきたせだいなんだなぁ、私と同じく。と納得したりしました。

 さて、この二つは、どちらも似た種類の"微妙な違和感"を感じます。何なんでしょう? それで良いのか! と強く反論することもないし、だって良いことするのが増えるんだから。かといって、この方法や見方ってなんか違うんじゃないかなぁと思ったりもして。
結局、今回は結論が出ないまま、私が流行に浸るお年頃だったら、きっと、「今日は、テレビみたいなシチュエーションに会っちゃって、指一本でボランティアしちゃったから、すっごい良いことしたみたい。これって絶対シールものだよねぇ。」と友達と話しながら、指一本でシール帳にシールなんか貼って喜ぶだろうことは、 想像に難くないのでした。

 ここまで飽きずに読んでくれたあなたには大変感謝します。

 まぁ、こ理屈ですから…、乱文、支離滅裂な思考は勘弁してね。

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