船外機#8蒸気エンジン搭載の船体製作 その1

 船外蒸気エンジン搭載のRCボートは4年程前に製作しました。この時はボイラーとエンジンが一体としたことで、重量バランスに係る問題があり、走りも満足な結果とならなかった為、今回はボイラーとエンジンを分離し、船体も少々小形化、スクリューも一回り大きなものを実装するなどの改良を行います。 船の形は、船外蒸気エンジンを搭載した船など実際には無いのですが、川蒸気船をイメージしたデザインとしてみました。 船体構成を図1に示します。

船体の補強板

真ん中の補強板はボイラーの熱を考慮してアルミ板です。

補強板はRC受信機、サーボ等の実装時に外せるようにネジ止めとしている。

カーブをしつけたヒノキ棒をフレームに沿って貼りつける。

バイスを使って仮止めしながら作業を進める。

先端部ブロック

フレーム

図2 フレーム切り出し図面
図7 側板を貼っている様子(船体上部)

フレーム位置(10枚)

先端と後端はブロック材

船体上部カーブ
100mm

塗装はクレオスのMr.カラーを使用。塗装と乾燥を3回ほど繰り返しました。

 最初のヒノキ棒(船体最上部)をフレームに貼った後は、図7に示す状態で船体上部から順に側板を貼っていきます。 側板貼り作業は、初めのうちは図7のようにバイスで止められますが、カーブ部にさしかかるとバイスが入らなくなる為、図8に示すように、フレームにカリ釘を打って接着剤が乾くまで待ちます。 カーブ部ではどうしても隙間ができますが、最終的にはパテで埋めますが、なるべく隙間は細く削った木を詰めていきます。 側板を貼り終わった状態を図9および図10に示します。

16 塗装後
10 側板貼り完成(後端部)  
図9 側板貼り完成(先端部)

 底板をベースにフレームと先端部、後端部ブロックを接着します。 この時、フレームが垂直になることがポイントですが、5mmヒノキ棒でフレームを両側から挟むことで垂直を確保、補強もしています。 図4にフレームを組立ての様子を示します。

図3 フレーム、船底、先端部ブロック部品
図1 船体構想

アルコール

    バーナ

キール

側板の隙間と、でこぼこの対応はパテ(タミヤベーシックタイプ)を使用、紙ヤスリで平に成形した後、下塗りとしてサフェーサ(クレオス Mr.サフェーサー)の塗装と紙ヤスリで成形を3回ほど繰り返す

完成した船体生地

 側板貼りが完成した船体はカンナ、ナイフ、ノミ、紙やすり等で仕上げていき、すきま、へこみはラッカーパテ(タミヤのベーシックパテを使用)で埋め、紙やすりで平にならします。 その後、下塗りとしてラッカーサーフェーサーを数回塗り、耐水紙やすりで水をつけながら仕上げていきます。 完成した生地の様子を図14に、下塗り完了の様子を図15に、仕上げ塗装完了の様子を図16に、船底の様子を図17に、船体の補強板を取り付けた完成の様子を図18に示します。

側板隙間からの水漏れを防ぐ為に暑さ1mmヒノキ棒を内張として貼る(二重となる)。

フレームが邪魔となり、簡単には貼れないが丁寧にはることがポイント。   

 貼り終わった側板に紙ヤスリをかけて仕上げた様子を図11と図12に示します。 なお、この状態では、特にカーブ部については隙間が出来る為、最終的にパテで水漏れを防ぎますが、側板の内側に、幅5mm、厚さ1mmのヒノキ棒を貼ります。その様子を図13に示します。

側板の仕上げ

 側板の組立てはヒノキ棒をカーブさせ、フレームに沿って接着することがポントとなります。

カーブをしつけるには、ヒノキ棒を風呂の残り湯に数時間つければ柔らかくなるので、少しづつ手で曲げながら、作業台に置いた図面のカーブに沿って「カリ釘」で止めていきます(図5参照)。 1〜2時間後に「カリ釘」を外せば、カーブは固定します。 しつけられたヒノキ棒は、図6のようにカーブを手修正しながらフレームに合せ、バイスで止めながらボンドで接着していきます。 

図4 フレーム、船底、先端部ブロック部品
フレームを垂直に接着し、補強する為に角材で挟む
フレームは底板に接着

底板

船底カーブは先端から後端にかけて一様な円弧
切り出したフレーム
上部から船体カーブにかかる部分は直線

 船体は平面方向と上下方向に3次元にカーブしていることから、側面のつくりはかなり面倒です。 急カーブとなる先端部と後端部はブロック材で構成し、側板としてフレーム上を5mm角のヒノキ棒を並べて貼ることで3次元カーブに対応します。 工作のポイントとなるフレーム(骨格)作成は、実寸で船体カーブとフレーム位置を方眼紙に描き、要所の寸法を読取ったフレーム図面から切り出します(船体カーブはフリーハンドで作図しました)。 フレームは6mm厚のシナベニアからバンドソーで切り出しましたが、思ったほどの面倒はありません。 作成したフレーム図面と船体平面図を図2に示します。 作成したフレーム(骨格)と底板、先端と後端ブロックの様子を図3に示します。

ボイラー
13 側板の内張の様子
12 側板仕上げ後(後端部)の様子
11 側板仕上げ後(先端部)の様子
図8 側板を貼っている様子(船底部)
図6 最初のヒノキ棒を貼った様子
側板の組立
フレームの組立

底板

後端部ブロック
キャビン

底板近くではバイス入らない為、カリ釘で仮止めしていく。

最終的な隙間は適当な木片を入れてスキマを塞ぐ。

17 補強板を付けて船体完成
16 塗装後(船底)
15 下塗り後
14 塗装前船体

船体の塗装

図5 ヒノキ棒のカーブをしつける様子

 底板カーブ

フレーム(骨格)の作成
RC受信機 電池
570mm (最大幅 190mm
船外機 蒸気エンジン #8
船体構想
70mm
60mm
100mm