177
106
(cm・g)
起動トルク
回転数
作品#1
ボイラー能力
測定値そのものの信頼性については、なんとも言えませんが、今後のエンジン評価に同様な手法を取ることで、定量的な変化を把握できるかと考えています。 今回の回転数と起動トルクに関する測定データを図3、図4に示します。 測定データによれば、シリンダー直径12mm、ストローク12mmの小型エンジンにおいて、空気庄を上げれば回転数、起動トルクとも上昇するが、空気圧が0.8〜1Kg/cm2 付近で上昇は鈍化する傾向が見られます。 作品#1のボイラー能力が、この飽和点付近にあることから、この小型エンジンと#1ボイラー能力のバランスは、ちょうどいいところにあるのかと思われます。 なお、図に示す「ボイラー能力」については、実際にボイラー#1を接続して回転数を測定し、その実測値からボイラー能力を推定したものです。
回転センサー
起動トルク測定
起動トルクは吊り上げられる最大のおもりの重量を測定する。
単位は「g・cm」で、回転軸の中心から作用点までの距離と作用点にかかる力の積で表示します。
蒸気圧、気筒数、単動/複動駆動方式が、エンジン性能にどう影響するか、回転数と起動トルクについて測定してみました。 本来はピストンのボアとストロークも変化させて実測したいところですが、実際は難しいことから、今回は#3エンジンを使い、ボアとストロークは固定して、蒸気圧(空気圧)、気筒数、駆動方式を変えながら実測しました。 測定は、かなりいい加減な方法で行なっており、信頼できるデータとは言えませんが、およその傾向は掴めるかと考えています。
92
99
152
18
32
46
51
46
60
80
エンジン仕様
ボア:12mm ストローク:12mm
1気筒単動式
単動式
複動式
1気筒
2気筒
50
100
200
起動トルク 測定値
図3 回転数測定値
空気圧 (Kg/cm2)
(rpm)
回転数 測定値
1500
1000
1032
2気筒
1気筒
1351
1195
945
起動トルクに関して、2気筒単動式は1気筒複動式と同程度と想定していましたが、実測すると、1気筒複動式が2気筒単動式よりパワーが高いという結果がでました。 回転数あるいはトルクの高い順に並べると、2気筒複動式>1気筒複動式>1気筒単動式>2気筒単動式という結果となり、予想外に、2気筒単動式が最もパワーが出ないということになりました。 また、同じ駆動方式で気筒数を比較すると、2気筒のパワーは1気筒のパワーの2倍とはなっていないことも意外です。 これは、2気筒の場合は、ひとつの気筒にかかる空気圧は半分となり、充分な力が発揮できないということでしょうか。 複動式は蒸気の消費量は大きいものの、パワーを上げるには効率的な方法と思われます。
測定結果と考察
回転毎にパルスを発生するセンサーを接続し、1分間のパルス数を計測。 単位は回転数/分とします。
回転数測定
おもり
回転伝達アイドラー
起動トルクの測定は、何グラムのお守りを吊り上げられるかという、極めてシンプルな方法で計測しました。 起動トルク計測の詳細はこちらを参照ください。 回転数の測定は回転に応じたパルスを発生するセンサーをエンジン軸に装着し、1分間のパルス数から回転数を算出します。 回転数計測の詳細はこちらを参照ください。 図2に測定の様子を示します。
図1 データ測定(回転数計測)の様子
単動式/複動式の駆動方式のデー
タ採取の為、上記のピストンバルブ
を装着して測定します
単動式バルブ
複動式バルブ
被測定エンジン
エンジンのトルクと回転数は、ピストンの直径とストローク、気筒数、蒸気圧(空気圧)、ピストン駆動方式(単動式:シングルアクティング/複動式:ダブルアクティング)が大きく影響することを体感しています。 今後の製作の参考とする為の定量的なデータと定性的な傾向を掴むこととを狙いとし、作品#3エンジン(ボア12mm、ストローク12mm ピストンバルブ方式の小型エンジン)を使用して、単動式と複動式の2気筒運転と1気筒運転を行い、それぞれの組み合わせで、起動トルクと回転数を測定しました。 ボイラーでは測定の為の安定的な蒸気を供給出来ないことからエアコンプレッサーを使い、レギュレータでその空気圧を変化させてデータを収集しました。 なお、#3エンジンは2気筒構成となっており、1気筒運転すると、もうひとつのシリンダーは機械的な負荷と作用する為、測定結果を多少考慮する必要があります。 測定に使った#3エンジンの詳細はこちらを参照ください。 また、図1に測定の様子を示します。
2気筒複動式
1気筒複動式
2気筒複動式
1気筒複動式
図4 起動トルク測定値
空気圧 (Kg/cm2)
0.8
0.6
0.4
0.2
500
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
エンジン仕様
ボア:12mm ストローク:12mm
1気筒単動式
2気筒単動式
単動式
609
443
379
357
653
639
図2 測定の様子
吊り上げドラム
測定方法
測定条件
2気筒単動式
パルスカウンター
作品#1
ボイラー能力
1
0
複動式
751
913
回路構成