船外蒸気エンジン#5のバーナーを改良しました

図3 テスト状況

スチールウール

バーナは5mmΦパイプを使用していたが、アルコール気化量を増やす為にパイプを、 8mmΦに変更。

バーナー数は4本+1本

バーナー部の改良

バーナー改良の結果

 火力アップの為にはノズル口の拡大、燃焼における空気(酸素)量の調整、アルコール気化量の拡大等が考えられますが、改造が容易でしかも効果も大きそうなことから、パイプを太くして中に入れるスチールウールを増やすこと、すなわちアルコール気化量を増やすこととしました。 図1参照。

図2 燃焼の状況

蒸気エンジン#5の問題

8mmΦパイプに変更

 蒸気エンジン#5の製作結果については既に報告しているように、エアコンプレッサーを使用したエアテストで、エアーを0.7気圧かけると無負荷回転数は1500rpm近く出ることを確認しまずまずの結果を得ました。 しかし、実際の蒸気発生による運転では発生蒸気圧は0.18気圧しかなく、エンジンの回転状況も弱く残念な結果となりました。 今回、エンジン小型化にともない、燃料消費を抑える為にバーナーの火力を抑制したことも要因のひとつのようです。 ボイラーのパワーアップの為にはボイラーの煙管の数を増やすこと、バーナーの火力を高めることが対策と考えていますが、いまさらボイラー本体をいじる事は出来ないことから、バーナーの火力を高める方向で改良を行うこととしました。

 点火後3分程度で蒸気が発生、エンジンの回転は間もなく安定状態となり、蒸気庄は0.3気圧を示し、改良前の0.18気圧と比較すると、パワーは1.7倍程度に改善しているようです。 このエンジン単体としては、エアーテストで0.7気圧までは確認しており、ボイラー構成に手を加えることで性能はまだ向上する余地があると考えています。 ただし、ボイラー一体型の船外エンジンではどうしても重心が高くなり、運用性を考慮すると、無理があるようです。

改良後のバーナー燃焼状況を図2に示します。 炎は5〜6cm程度で燃焼状況はまずまずです。 発生する蒸気圧は蒸気発生口から分岐する形で圧力計を接続し、エンジン回転状態で蒸気庄を測定しました(図3参照)。なお、改良後の火力では、ボイラーの水量を90cc、アルコール量を40ccで15分程度連続運転できました。
図1 バーナー部分の改良

 

蒸気

バーナー部の改良

図2 船外機 蒸気エンジン#5 外観図
160mm
85mm