DA・M公演アンケート
トマトをたべるのをやめたとき version3
2003/3/7〜9 麻布die pratze
 
3/7

『前回よりも新しい動きが加わって、ワイルド&セクシイーでよかった。トマトの意味は相変わらずわからない。また楽しみです。』      (30代男性)

『とても面白かったです。「現代劇」という呼び名にふさわしいものを観た気がします。(内容及び形式において)』             (30代男性)
   
『豪快にフランスパンを使っていたのがおもしろかったです。』(30代女性)

『様々な人間の狂気のありようを見たという感じです。深いところから表現が吹き出てきて感激しました。』                 (40代女性)

『何かいつもと違いましたね、9.11のせいでしょうか。見ごたえありました。ちょっと怖かった、みんなセキしてましたね。心理的な現象だと思いました。』(30代女性)

『全体的に「Yes,」の方が良かった。あとなぜフランスパンなのか、あれは何を意味してるのかが「Yes,」の時もそうだったがわからないのが残念だった。』(20代男性)

『門外漢です。初めて見ました、こういうの。(←芝居のアンケートにありがちな言葉ですが、まさか自分が使うとは思わなかった。)で、全くの門外漢なのですが、おもしろかったです。門外漢なのに、自分のめざしているモノが含まれている(芝居やっています。)。瞬間とか、空間と香かなあ。たどり着くアプローチの仕方は、絶対に
違う筈なんですが。ああー、創作の秘密を知りたい。 始めにカーディガン着てた女性の存在感にひかれました、存在感という言葉ってそういう意味か、と考えるほど。たまに唇をかんでいて、おそらく癖なんじゃないかと思うんですが、悪い意味でなく、そういうものが体の中をすり抜けていく体で舞台に立っている。パン放り投げているのに、口開けているのに、パン食う努力はしていなかったり、エプロン付けるのに、付けることよりしばることだけ努力してみたり、軽くショック。←この状態、なんか言葉に出来ないか、考えてみます。フェスの最後の“小鳥クロッ
クワーク”のものです。私たちはちっとも、Mentally Shockじゃないな。とりとめなく。』                         (20代男性)

『パンが出てきたあたりが好きです。みすみの白い粉(?)が踏まれてゆくたび消えてゆく発想も面白いと思います。カラースプレーは日がたつにつれて増えてゆくのでしょうか。』(20代女性)

『ひとりひとりの動きが、互いに絡んでいくところが人生が絡んでいるように見えた。テーブルが出てくるあたりまでの音の少ないところが好みで、その後の大きな音にびっくりしたけれど、見ているうちに馴れた。楽しかったです。今後もがんばって下さい。』 (20代女性)

『Shocking Arts ということで何かばーんとすごいものが来るのかと思っていましたが、それ程でもなく、何をやっているのかな〜、なんでこんなことをやっているのだろうと思っていました。特に思ったこととしては、根元的なところでの人間の欲とか、見たい、やりたいものって、SEXと食うことで、最終的には、男女関係というのが残るんだろう。こういう動きとかをしているとき、何を考え、最後には何が残るのだろう。』                          (30代男性)

『演劇(舞台)というものの枠が広いなと感じました。何となくわかったり、想像をして少しずつ感じていました。残り2日間がんばって下さい。フランスパンの量にはビックリ!!こういうものはどこから作っていくのですか?』(20代女性)

『はじめの方は、眠たかったです〜〜〜。でも、タバコフパフパの女の人は面白い。声も。男の人の動きもわりと好きです。パンがはき寄せられてから、なんかここに世界が見えて来た気がします。』  (40代男性)

『世界がそこにあった。過去であり、現在であり、未来であり、それらのも断片が粉のように拡がっていた。観客に観せる、観せられる、その大きさを感じた。異質な世界ではなく、日常の集積のような舞台だった。』     (20代男性)

『聖さんかっこいい!!今回は小道具がたくさんあって楽しめました。楽器もぴったりだった。さて、先日、ジンジャントロプスボイセイの公演も観に行きました。ジンジャンはジンジャンなりに楽しめましたが、DA・Mは director が「指示している」という感じがなくて、とっても自由な雰囲気で好きです。でも、director 大橋さんのつくった作品も観てみたいです。今年の Asia meets Asia も楽しみにしています。ぜひお手伝いさせて下さいね。』             (20代女性)

『あゆみちゃん、人形的な表情が多かったね、黒服のイメージにあっていたけど。パンをくわえていたとき、変えた髪が肩に掛かっていたのが色っぽかったよ(パンをくわえたときのヘアースタイルはとてもアダルト・)。サキさん、タバコすっているときの表情がキュートで素足が(特にふくらはぎが)とてもセクシーでした。』(30代男性)


3/8

『何だかよくわからないけど、退屈しなかった。すごい集中力とテンションは好きな感じ。ちょっとびっくりした。がんばって。』  (20代男性)

『今までにお金を払ってみた演目の中で、最も不思議なパフォーマンス。』 (40代女性 )

『初めて見ました、これは麻薬ですか?段々面白くなってきて、所々笑いました。ただ、最後の方で飽きてしまったのと下ネタはどうかと思いました。』(20代男性)

『アートという印象を受けた。顔の表情がある人と内皮ととある時と無表情なときハイとがあるのかないのかわからないのが気になりました。空間が怖いと感じることがあり、面白かったです。』 (20代女性 斎藤いずみ)

『フランスパンの演出が意外でした。パンを持ちながらの舞踏がとてもユニークでした。』(?代?性)

『・止まるということが生き物の摂理の中で一番生理に逆らったことなんだなあと痛感い  たしました。 ・ヤエガシさんの存在感、すごみを感じる。いくつかのところは感服いたしました。疑問もいくつか・・・。』            (50代前半女性)

『舞台がすごく近く小さな劇場で、静と動、黒と白とメリハリがあり、何よりフランスパンが振るように大量に宙を舞い、こんなの初めてでとても面白かったです。』 (?代女性 )

『プロトシアターというと、かつて、照明をやりにいって、ゼラを持っていかなかったり、4人のパフォーマーが2時間で競作するシリーズに朗読劇で参加したり、月曜夜のワークショップに参加して、体を教えてもらったりしていた小僧も、今は、都内の小さな小屋のコヤツキをやっています。たまに芝居観に行ってます、プロト。』 (20代後半男性)

『終わりよければすべてよし! 音楽!』       (40代後半男性)

『振幅の大きい芝居と感じました。いろいろな軸がその内にかくされているような。                   ↑ 笑い ⇔ ミリアス    意味 ⇔ 無意味   とかいろいろ。』 (30代前半男性)

『・演技がはじまる前の、「何が始まるんだろう」という、客席の緊張感がよい(いつもながら)。 
・中島君の存在感が、前回観たときに比べて格段に増しているように思いました。 
・中島君が上半身裸のサングラスでパンにヒモを付けて出てきたのは、最高にケッサクだった。 
・全体にできるだけ何も考えないようにして見た。そしたら、あっという間だった。  見入ってしまった。 
・今井ちゃんの「カーッ!」連発のところは圧巻だった。
・白黒の舞台がよかった。薄暗くなったとき、ぞくっとするぐらい格好いいところがあった。
・これからもがんばって下さい。応援しています。」(30代前半男性)

『何だかわからないけど、おもしろい。反復強迫のような動きを見ているとピナ・バウシュ(昔の)を思い出してしまいますが、でもピナじゃないし・・・何も意味していないようで、満ちあふれているようで・・・何も表現していないようで、でもこれがそうなんだと思われるし・・・、こういうの待っていました。』 (40代前半男性)

『岡本章氏の流れからDA・Mを知り、今回初めて見ました。人間が動物のようになってしまう所が身体の点からおもしろい。パンをまき散らして、ヒロシマ・モン・アムールのセリフを吐き、語る所などは美しくさえあり、またこのままでは何かの表象になってしまう所をパンを片づける所があったりして切断してしまうなど(パンはパンであ
る)誠にと思います。音楽もよかった。』 (?代男性 )



3/9

『初めはどこから何が始まっているか分かりませんでしたが、見ていると、何故か見入ってしまいました。』              (30代前半女性)

『お疲れさまでした。おもしろかったですが、もう一つラインを越えてないような気がしました。でも、それが、DA・Mなのでしょうか。少し物足りない。もう一つ深くまでつきささってきてほしい。』              (匿名者)

『ずっと目が離せませんでした。すごいですね。おもしろかったです、ありがとうございました。』                   (20代前半女性)

『パンの使われ方が印象的でした。音楽とのバランスもよく楽しめました。』(30代前半女性 )

『それぞれに何か起こると何事もなくなってしまうような感じ(自分はそう感じました。)が、段々おもしろくなってきました。最初はやや退屈に感じたのですが。何しろフランスパン。あんなに出てくるとは思わなかったので、大変可笑しかったです。その後どうするのかと思えばちゃんと片付けてるのも笑えました。音楽も大変素敵でした。お疲れさまでした。』 (20代後半男性)


『又、来ます。』  (?代女性 )

『上手く言えませんが、感じたのは、普段、私が日常を送る中で観て見ぬふりをしている原始的な欲だとか、わけのわからない衝動のような、危うい部分の露出のようなものかもしれない。ざわざわどきどきしました。あと笑える部分があったけど。もっと気になったところがありますが、まだ2年教務補助やることになったのでいつ
か話しましょう。』   (20代前半女性)

『今回はじめて観ました。斬新な演出に驚きました。』(20代前半女性)

『今回はよりメッセージ性が強かったように感じました。それはよりわかりやすく、入っていきやすいという意味で良かったと思います。DA・Mは俯瞰でみると面白い!』 (40代前半男性 )

『パン登場がとつぜんで良かったです。花登場もすてきでした。』 (?代女性 匿名者)

『やっぱり解釈することによって生まれる面白さでしょうか?身体の即物的魅力は、動きが早過ぎて見えにくかったです。竹田さんの音楽ーかすかに聞こえてくる叙情が美しかったです。』  (50代後半)

『ひとりを見たというか群衆を見たというかやはり群衆なのかな、いや2人かな、みごとだったな。もっと理論に言葉で現さんといかんけれど・・。普通さの中に迫力があった。普通の1人の人が見えてきたけどはかないというかやさしいというか、なまみの生き物、もろいようでしなやかで。全体、白と黒のバランス、すっきりしていて良かった。50本近くのパンがちらばる過程も良かった。』(60代前半女性)

『ムンクのかいた街路の絵を思い出しました。とても密度が濃くて長い時間に感じられましたが、終わって時計を見たら、一時間ちょっとだったのですね。すごいです。』(20代後半男性)

『全て予想を裏切ろうとしているように受け止めました。ケムかった。』 (?代女性)


 

メールにて
昨夜,大橋さんの演出・構成の「トマトを食べるのをやめたとき」,観に出掛けました。面白かったですよ。俳優
さんの即興によって構成されている劇で,ストーリーを再構成するとかいった普通の演劇の目指すものを排除するという野心的な試みです。観ての印象としては,4人の俳優さんのさまざまな身体表現のコラージュのように感じました。最初,4人の動きは,徹底して無意味,相互交渉なし(音楽もそのようになっていた)でスタートして,徐々に破壊,錯乱,対立といったものが表現されてゆきます。ときどき演出されているシーンが折り混ぜられます。印象的だったのは,照明で横になっている俳優の足だけが浮かび上がっているシーンでした。また,いくつもの小道具も楽しかった。
コラージュのように感じたというのは,演出・構成者に失礼な言い方かもしれません。明確な意図をもって作成・
構成されたもののはずですから... でも本来,俳優4人の即興というのは,とてもとても大変なことではないでしょ
うか。例えば,音楽の即興では,メインになる人の即興に他が合わせるという形になる(一種の役割分担が生じる)ことがほとんどだと思うのですが,大橋さんの演劇では,4人の俳優の誰もがほとんどのシーンで背景に退こうとしません。みんなが主役で個性を張り合っています。袖や舞台の白板の裏に入っているときでも存在感を残しています。
そういう集団即興というのの難しさといったら,途方もないものになるのではないでしょうか。それこそこころと身
体を一つにしないと何かを即興で表現することはできないでしょう。これは振りつけとか演出なしにはほとんど不可能なのではないかとも感じられます。私の内部では,即興の部分は何かもやもやした状態のままでのこっている一方で,多少演出の効いたシーンが印象に残っていることが多いように思いました。即興の部分でも,音楽が多少構成度の高いものになって,それに合わせて俳優たちが激しく絡むという場面が印象深かったですね。私のような頭でっかちの人間には,やはり多少とも「意味」的なものが出ているところの方が心に響くのかもしれません。
徹底して意味を排するという意図をもった演出の劇ということだからでしょうか,私は最初から俳優さんたちの動
きが精神病院に入院している特別に重症の患者さんたちの振る舞いや表情との類似性に驚かされていました。患者さんたちの振る舞いはもちろん周囲に意味を喚起しない性質のものになっていますから,当然のことかもしれません。これが演劇にとって,患者さんたちの行動の理解にとってどのような「意味(非意味論的意味)」をもつのかは,問題として面白いかもしれません。(私たちの精神科医療では,患者さんの無意味な行動が周囲にとって何の意味もなくなることが治療の道筋の一つと言うこともできるかもしれません)総じて楽しんで観ることができました。他方,大橋さんとその劇団の取り組んでいる課題の困難さは大変なものだと思いました。その志の高さには,深く敬服いたします。これには当方も啓発されなければならないと感じました。
(40代 男性)