曲率円

y軸上の定点 A(0,a) から曲線 y=cos x (-π/2<x<π/2) 上の動点 P(θ,cos θ) へ到る距離APがいつ最小になるかを考えてみましょう.そのために,緑色表示された円Cを利用します.
高速道路を走っていると,よく「R=180」などという標識を目にします.これは,「その地点の道路はおおよそ半径180mの円と同じ位の“カーブのきつさ”なので,それに合わせてスピードコントロールしてね」というサインです.この円のことを,道路(曲線)のその地点における「曲率円」といいます.(曲率円の厳密な定義などはとりあえずおいといて,ここでは雰囲気だけ感じ取ってね.)
じつは前記円Cは,曲線 y=cos x の点 B(0,1) における曲率円です.曲線 y=cos x (-π/2<x<π/2) は,Bから離れるほどカーブが緩やかに(つまり曲率円の半径が大きく)なりますから,P(θ,cos θ) は P=B のときを除いてすべてCの外部にあります.・・・①
初期設定 (a=0.3) のように 0<a<1 のとき,Aを中心としてBを通る赤色の円は点Bを除いてCの内部にありますから,①と合わせて
AP≧AB (等号はP=Bのとき成立)
となりますね(θ を動かしてみてください).よってAPは P=B のとき最小になります.
次に,a を負の値,たとえば -0.6 にしてみて下さい.今度は曲率円Cが点Bを除いて赤色の円の内部にあります.そして,曲線 y=cos x はBの近くでCとほとんど同じようなカーブを描きますから,点 P(θ,cos θ) の中には赤色の円の内部にあるものも存在します.したがって,APは P=B 以外のときに最小になります.(a=-0.6 の場合,θ が π/4 より少し大きいくらいのときでしょうか)

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