カテナリー&トラクトリクス

y軸対称な曲線 C:y=f(x)=(ex+e-x)/2 は,2点を固定された紐がだらんと垂れ下がってできる曲線として有名で,「カテナリー=catenary(懸垂線)」と呼ばれます.
f '(x)=(ex-e-x)/2 との間に成り立つ関係式:
f(x)2-f '(x)2=1 ・・・(*)
を用いると,様々な美しい性質が容易に導かれます.

C (x≧0)に巻き付けられた赤い糸を,A(0,1) のところからピンと張った状態でほどいて行ったとき,糸の先端Rの座標は,P の x 座標 t を用いて
x=t-f '(t)/f(t) , y=1/f(t)
とパラメタ表示されます.この点 R が描く曲線 T を「トラクトリクス=tractrix(牽引曲線)」といい,こちらも面白い性質をもっています.

非表示になっている「点Q」「線分RQ」を表示してみてください.P,R が動くとき,R における T の接線と x 軸の交点 Q は,
RQ=1 (一定!)
を満たしながら動きます.また,T の接線 RQ はつねに PR と直交しています.(R が瞬間的には P を中心とする円運動をすることからも納得できますね)
さらに「線分PQ」も表示してみると,Q はつねに P の“真下”にあることもわかります.じつはここに現れた直角三角形 PQR の3辺は
PQ=f(t) , PR=f '(t) , RQ=1
となっています.つまり(*)はピタゴラスの定理そのものです.

トラクトリクス T は,xy 平面上に置かれた“重り”R を, x 軸上の Q さんが長さ 1 のロープで引っぱって歩いたときの重り R の軌跡と考えられますね.ちなみに方程式は

んにゃ 

です.

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