サイトロン


光学顕微鏡について

バーチャルスライドってなに?

細胞診に必要な顕微鏡機能

サイトロンが細胞診に適している理由

細胞診にはなぜフォーカスが必要か

フォーカス機能搭載が難しい理由

細胞診に全焦点画像がNGの理由

サイトロンによるリアルスクロール

サイトロンと他バーチャルスライドの比較

モバイルするならサイトロン

サイトロンの操作

私とKITとサイトロン

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光学顕微鏡について

みなさんは光学顕微鏡って使ったことありますか?
たぶん、殆んどの方が使ったことあると思いますよ。
小中学校の理科の授業でたまねぎの皮を見たりしたことあるでしょ。
最近は、全て顕微鏡に光源ランプが搭載されているようですが、
私が使った最初の顕微鏡は下のほうに鏡がついていて、単眼と呼ばれる接眼レンズ1本のものです。
もちろん、細胞診の検査で鏡での反射光を光源にしたり、単眼ということはないですけど、
今も昔も基本構造は同じです。(右の写真みたいなの)
細胞診で使われる光学顕微鏡の特性は、「光を下から透かして見る」ことが前提です。
だから、観察対象は必ず半透明で薄い(厚みがない)ことが絶対条件です。
ところが、細胞を丸ごと顕微鏡で見ようとすると細胞には厚みがあることが解ります。
また、細胞が重なり合っていることも多々とあります。
この時点で、細胞診の観察対象となる標本は顕微鏡が苦手な観察対象だってことになります。
だけどね、私たちガンバッて見てるんですよ・・・

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バーチャルスライドってなに?

顕微鏡の標本っていうのは、基本的に長方形の薄い板ガラスに観察対象を載せて見ています。
ただ、載せるのではなく、カバーガラスといって観察対象の上にさらに薄いガラスを載せると
光の屈折が変わってよりくっきり見えるんです。
実際の標本は、こんなんです。



こいつを、顕微鏡で見ると・・・
こんな世界が延々と広がっています。



結局、観察するのは顕微鏡を使ったミクロの世界ですから、広大な画像データ
を使ってモニタで表示して見てもいいぢゃん!
ということで、ミクロの世界の馬鹿でかい(広領域といいます)画像データを表示するものを
バーチャルスライドといってます。

私個人としては、デジタルスライド・・・というほうが正しいと思っているのですが、
世界規模でバーチャルスライドっていうんですから、仕方ありません。

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細胞診に必要な顕微鏡機能

まず、顕微鏡は光がなければモノを見ることはできません。だから、
【光源】が必要ですね



それから、顕微鏡ですから単純に
【拡大】ができなければいけないですね。



しかも、
【倍率の変更】ができなければいけないですね。



そんで、さらに細胞診ではガラスの広い面積を移動するために
【ステージ(標本を置くところ)の移動】ができなければいけないですね。



細胞診の観察対象物は細胞です。人間様やその他動物から戴いた細胞を
(肉片だったり、注射器で吸ったり、ブラシやヘラで擦ったり、排泄物を使ったりして・・・)
ガラスに塗りつけたものです。
この標本は、全くの平面というものではありません。それじゃあ!
【フォーカスの調節】ができなければいけないですね。



この5つが、細胞診の標本を観察するために最低限必要な機能になります。
逆説的に云えば、これが揃っていないと細胞診には使えないということです。

そして、より詳細にみるために、視野絞りとか、コンデンサーとかフィルターなんぞがあるんですが、
ちゃんとセッティングできないと、顕微鏡の解像力は落ちてしまうのです。

とまあ、たったのこれだけなんですけどね、、、
驚くことに、世にあるバーチャルスライドと称するもので、細胞診で使っていながら
最低限必要な5つの機能を揃えていないものが多いんです。
っていうか、ほとんどの商品が揃えてないんじゃないかな。
まったくもってけしからん話です。

どの機能が欠落しているかもう解りましたか?

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サイトロンが細胞診に適している理由

顕微鏡でみる細胞を写真で表示していると、必ずある壁にぶつかります。
その壁とは、すなわち「焦点合わせをどうするか」です。

写真って、基本的には平面の世界なんですね。

多焦点表示ソフト「サイトロン」は、細胞診のバーチャルスライドとして充分に機能するよう、
顕微鏡で観察したときに見られる映像や操作性を徹底的にこだわって開発された
アプリケーションソフトです。
そこに、デジタルならではの様々な機能を加えました。
国内に、いや世界中にあるバーチャルスライドといわれるものの中で、細胞診で
使用することを前提に開発が始まったものは「サイトロン」以外に存在しないでしょう。
サイトロン以外のバーチャルスライドはほぼ例外なく組織診断用(二次元画像)に開発されています。
二次元を三次元の画像表示ではどちらが難しいか?
当然、3次元です。
もともと二次元用のソフトで三次元表示を組み込めば、莫大な情報処理に追い付けず
動作環境はとても緩慢になり、「実際の顕微鏡操作」とは程遠いものが出来上がります。
三次元表示を前提に開発されたソフトが二次元表示をするならば、
お茶の粉サイサイ出来ないわけがないのです。
サイトロンが、細胞診からスタートした理由はそこにあります。
だけど、ソフト開発は2次元のほうが圧倒的に簡単!!  なんだけど・・・
画像スペシャリストのKITが「より難しいほうが作って面白い!」と思ったそうです。
もともと3D設計ですから、顕微鏡の操作性の再現において「サイトロン」を超える
バーチャルスライドソフトはこの世に存在しません。

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細胞診にはなぜフォーカスが必要か

これまでの説明で「サイトロン」はフォーカス合わせが可能なソフトだということを
お解りいただいた思います。
ではなぜ、細胞診で使うバーチャルスライドにはフォーカスが必要なのか
いまいちど詳しくお話します。

顕微鏡の観察対象は厚みがないことが望ましい。
これは、標本に光を透過させて観察するという特性だからです。
もし、標本上の観察対象物が顕微鏡のレンズがもつ焦点深度(焦点が合っていられる厚み)
の範囲内であれば、フォーカス合わせなど必要ありません。
しかし、細胞診の標本では細胞が重なり合って厚みがあったり、
細胞そのものが大きくて厚みがある場合が多々とあります。
そうすると、フォーカス合わせができないと全ての細胞を観察することができません。
顕微鏡にはフォーカス機能が備わっていますが、
通常の写真ではどうでしょう?
こうなります。



ピントが合っている部分と周辺にピンボケの部分があります。
厚みはピンボケになって見えません。
ピンボケの部分は見えませんから、写真で論議することは不可能です。
実際の顕微鏡ならフォーカスを移動すれば全て観察可能です。
あれ?バーチャルスライドって顕微鏡で観察するように見えるもの
ではなかったの??
「フォーカスなんてなくても診断は充分できますよ!」
フォーカス合わせができないバーチャルスライドのメーカーさんはほぼこのような
返事をします。
ほんと〜〜〜〜に!?
なら、顕微鏡にだってフォーカス要らないぢゃん(笑)
たしかに、ピンボケの部分があれば「この細胞は厚みがあるんだな」という
情報は手に入ります。それで充分なこともあります。
が、しかし細胞の読み(判断)に迷いが生じたとき(しょっちゅうありますよ)
私たちは、フォーカスを頻繁に動かし始めます。
なぜか、ほとんどの方が無意識にそうしています。
つまり、無意識のうちにフォーカスまで使ってより多くの情報を
取り込もうとしているのです。
フォーカスを動かすとこのようにもっと核のシワまで見えるのです。
           (ポインタを置くとロールオーバーします


ね、フォーカス動かすと見えなかった部分が見えるでしょ!
これでも、2枚の画像で3μmピッチ(フォーカス移動距離)です。
サイトロンなら、16層が可能なのでもっと滑らか、もっと厚みをもって
フォーカスを探ることができるんですよ。

では、どのくらい情報量に差があるのでしょうか。
私は調査したことがあります。
標本の厚み全体を100%としたとき、単焦点ではどれくらい見えているのでしょう?
これは、対物レンズの倍率が高いほど少なくなります。
そして、観察対象の厚みが増すほど少なくなります。
私のデータによれば、400倍観察時では腺癌(細胞が塊で出る)のとき
なんとたったの8.7%しか見えません。
残りの91.3%の情報は「見えないから無視!」しています。
その無視が判断の誤りにつながることだってあるのです。
だからこそ、細胞診は3Dなのです。

私たちが勉強を始めたその時代、サイトロンなど存在しませんでした。
通常の写真を見て勉強したものです。
当時はそれしか方法がなかったのですから仕方ありません。
しかし、今ではパソコンが高性能化かつ一般化したおかげで
3Dの画像で細胞を観察することができようになりました。

参考文献:「細胞診における多焦点バーチャルスライドの有用性」:稲垣 伸介ほか
日本臨床細胞学会雑誌第47巻第1号2008:P.25−28


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フォーカス機能搭載が難しい理由

巷に流通しているバーチャルスライドのほとんどがフォーカス機能を持っていません。
なんで、フォーカス合わせができないのか?
それは、もともと組織標本をベースに開発されているからです。
組織標本は基本的に2次元の世界です。
それなら、オートフォーカスで撮影された画像で充分だったりします。
ではなぜ、組織標本をベースに開発されるのか?
市場規模で細胞診より組織診のほうが大きいとか、
細胞診の基礎検討に組織が必須である・・・という前例に
強くとらわれ過ぎていることと、予算の決裁権を握る者との絡みから
でしょう。
まあ、ここは深くは追求しませんが、
組織ベースだからフォーカスを持つ必要がない
というのがメーカーの主張だったりします。

笑止!
ホントはただ単に3Dが・・・おっと、いけない


では、フォーカス機能を搭載するということがどれほど困難なことかお話しましょう。

パソコンで画像ファイルを開きます。
画像の一部しかモニタに表示されていないとき、
上下左右に画像を動かして全体を見渡しますよね。
この画像が顕微鏡写真だったら・・・
これが最も簡単なバーチャルスライド(2次元)です。
(だったらブラウザでも充分でしょ!)
この動作、マウス操作でさっさかさっさか動きますよね。
これは、パソコンが次にくる動きをあらかじめ予測して
情報を先読みしているんです。

えっ!?予測してるの?   そ〜なんです。
ぢゃあ、ハズレることもあるの?  あるんです。

予測がはずれると、動作が遅くなります。
場合によっては完全停止してしまうこともあります。
古いパソコンだと、画像をあまり速く動かすと
一時的にフリーズしたり、モザイク状に画像を開いたり
する現象をしばしば見たものです。
これは、予測が間に合わなくなったから。
今のパソコンならほとんどそんなことないですけど。

それがですね・・・
2次元ならX,Yだけを予測しているのですが、
3次元になるとX,Y,Zを予測しなければならないわけです。
だったZ軸の情報が加わるだけでしょ!?と侮ることなかれ!
実験してみましょうか?どんだけ大変か。
前後左右のどこかからボールが飛んで来る!という情報を与えられた貴方は
ぐるぐると首を左右に振ってどっからボールがくるか探すとします。

そこに、、、
上からもしれないよ?
下からかもしれないよ?
斜め上ってこともあるよ?
ほらほら、斜め下かもしれないし
前後左右も注意しなきゃ!!

って云われたら、どうです?

ざけんな!!できるわけね〜だろっ!
ってキレますよね。

パソコンだって同じなんです
結局、予測しきれないから情報を与えられたとき
から計算がはじまります。
すると、パソコンが「今、計算してるからちょっと待っててね」
といって、中央演算処理装置(CPUってやつ)でカタカタ計算します。
そんでもって、計算中は画像の動きを止めてしまいます。
または、ガクガクと動いたり・・・
だから、2次元表示用に開発されたものに迂闊に3次元表示を後付しても
まともに機能しなくなるんですね。

見たいところが見えないもどかしさ・・・人間は1秒を待てません。


これを解決する方法は2つしかないそうです。
ひとつは、表示する画像データの全てをメモリーに読み込んで、CPUに計算させない
ようにする方法。
メモリー内部の処理速度は、現在最高スペックのCPUをもってしても
ウサギとかめ!?新幹線と徒歩!?並の速度差があります。
だけど、扱える画像サイズはメモリー容量に依存することになります。
この方法は(株)ケーアイテクノロジーのサイトロンが採用しています。

だけど、これでは32ビットのPCの場合4GBが上限になってしまう。
この解決方法としてメモリを沢山搭載したPCIボードを使うという
手があり、これなら理論上無制限(メモリーを積んだだけ開ける)
の画像展開となる。
この方法は、KITのパソグラフとサイトロンのオプション設定で採用しています。

もうひとつは、ハイエンドのPCに高級グラフィックボードを搭載して
予測と画像読み込みを援護する方法。
これなら、メモリーの内部計算速度には勝てないけれども、
画像サイズの制限がHDDに入るまでになるので超大容量の画像を
比較的安価に扱えるようになります。
こちらの方法は、浜松ホトニクス株式会社のナノズーマーが採用しています。

どちらも一長一短あるので、両方あればもう最高!

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細胞診に全焦点画像がNGの理由

そんなにフォーカス機能の搭載が大変なら、全焦点画像って手があるでしょ。
と、思いつく人もいるでしょう。
もちろん、私も考えました。

では、全焦点画像を知らない人のために・・・
普通の顕微鏡なら焦点が合わないところはピンボケになる・・・
これは、既にお話したとおり。
ならば・・・
画像処理技術により、焦点が合っているところだけを合成して画像を作れば
全てにピントがあったように見える画像ができあがります。
これを全焦点画像といいます。
残念ながら、このホームページで使用可能なサンプル画像がないので
提示できませんが、検索すればいろいろなところでお目にかかれます。
ピントが合っているところだけを抽出する方法・・・
なんかとっても難しそうですが、
KITにしてみると、初歩中の初歩・・・のようです。
画像を二値化して隣り合うピクセルの数字が極端に変わる部分
はピントが合っているそうです。
つまり、物体の辺縁がシャープに見えているということになるから。
逆に、ピンボケの部分はボヤ〜っとしているために、数字が緩やかに
変動しているそうです。
だから、変動幅に閾値を設定してそれより緩やかな変動は
削除!ってすれば、ピントが会う部分だけを抽出できます。

この技術を使えば、フォーカス移動なんて必要ないぢゃん!
って思っちゃったりしませんか?
大きな落とし穴があるんです。

全焦点画像って工業製品に多くないですか?
工業用顕微鏡と生物用顕微鏡・・・
形はそっくりなんですが、決定的に違うところがあります。
それは、光源の位置。
生物用顕微鏡は、標本の下から強い光を照らして
透過光で観察してるというのは既にお話しました。
では、工業用は?
観察対象は、基盤だったりハンダの断面だったり・・・
ですので、半透明でもなければ平面でもないのです。
これらのを観察するのであれば、光は下から照らしても意味ありません。
対物レンズ側(上側)から光を照らしてやるのです。
そして、透過ではありませんので物体の表面しか見ません。
それが工業用顕微鏡の特徴です。
これなら、表面のピントがあった部分だけを合成すれば、立体さえも
2次元で表現できるのです。

ところが、細胞診は生物です。
特に、核の中に浮遊している粒子の分布やサイズ、形状までも観察対象です。
これ、焦点があう部分を画像処理でやるとどうなるか・・・
核の中、全部真っ黒になっちゃうのよね〜
全焦点画像には上下の関係が無いために、モノが並んできるのか
それとも、重なっているのかは全く不明になります。
また、顆粒状の対象物が多いと、全焦点ではベッタリ1つに結合
してしまうので、それらを切り離すためには、これまた画像処理で
ある程度の情報の間引きが必要になります。
この「情報の間引き」はソフトの特性(プログラマーの趣味)にも
左右され、細胞の判定や診断に必要な情報を削除してしまう
ことが充分に起こりうるのです。
だから、透過光で物体の内部を観察する全焦点画像ってないのです。
私も、この結論に達するために「画像機器展」に行って、全焦点を
展示している企業のスタッフ(4社)に、細胞診標本の特性を説明
した上で、「全焦点画像作れるか?」を聞いたところ、
全社壊滅でした。
企業のエンジニアは「できません」というのは屈辱そのものですから、
なんとかしようと考えます。
それでも、最後は「できません」と投了するしかなかったのです。

もし、細胞診で全焦点画像を見たら
「作り物の絵」
であると思ってください。
核の内部や細胞集塊の内部まで観察可能な
全焦点画像は理論的に存在しません。

核の内部や細胞集塊を詳細に観察するためには、
実際の顕微鏡と同等の操作性が必要になるのです。

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サイトロンによるリアルスクロール

サイトロンは画像表示のためにCPUを使わないことを前述しましたが、ただ単に
スクロールが速いというだけなら、瞬間移動的に画像が入れ替わる「マップファン」や
Googleマップのような原理のほうが、遠い移動には速いように思うでしょう。
だけど、顕微鏡の世界にそのような移動は存在しません。
あ、いや・・・ないこともない・・・かな。
ステージ(標本が載った台)を動かしている最中にまばたきすれば(笑)。
顕微鏡での映像の移動は、基本的に「十字動ネジ」といわれるX,Y用の2個の
ダイヤルをぐるぐる指先で回して動かします。
だから、移動の初速はゆっくり、中パッパで終わりゆっくり・・・という動きを
繰り返しています。回し方も人それぞれで、大きく速くビュンビュン回す人、
小さく速くチマチマ回す人、ゆっくり大きくズルルル〜っと回す人、、、
サイトロンでは、マウス1つで顕微鏡動作を完結しています。


X.Y(上下左右)、Z(フォーカス)とも手で動かすマウスに連動して動きますので
実際の顕微鏡とほとんど変わらぬスクロールを再現できるのです。
人それぞれに個性あるスクロールまで再現できますよ。


これも、メモリーにあらかじめ画像データを読み込む方式のサイトロンの成せる業。
HDDにアクセスしながら画像データを読み込む方式では
視野の移動はピョンピョンと飛んでいくために絶対に
再現不可能なのです。

フォーカスにしても、単純なアニメーションを使っただけでは顕微鏡とは
全く別物の動作ですし、再現など絶対不可能です。

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サイトロンと他のバーチャルスライドの比較

3D表示機能を備えたバーチャルスライドを比較してみましょう。

KIT
サイトロン
H社
O社
KIT
パソグラフ
構成 ソフト
(撮影装置別)
撮影装置+ソフト 撮影装置+ソフト PCIボード+ソフト
(撮影装置)
スクロール方式1) マウスベクトル入力 画像クリック マウスベクトル入力 マウスベクトル入力
表示倍率変更 固定5段階 多段階・シームレス 多段階・シームレス 固定5段階
フォーカス機能 マルチレイヤー方式 マルチレイヤー方式 マルチレイヤー方式 マルチレイヤー方式
フォーカス可能エリア2)   フルエリア   フルエリア フルエリア フルエリア
スクロール速度3) 高速 低速 低速 高速
モバイル性4) 低(PCに制限あり) なし
遠隔画像診断 環境に影響なく適応 PCに制限あり 現在対応せず PCに制限あり
画像表示限界5) 4ギガ未満 理論上無限 理論上無限 理論上無限
価格 20万円 1,071万円〜 1,100万円〜 100万〜
発売時期(3D機能搭載) 2005年 2007年 2008年 2003年


1) マウスベクトル=マウスの動きに直接反応して動くする方式   画像クリック=画像のクリック部位が中央に表示される方式
2) フルエリアは表示可能とされる全領域で3D表示可能なもの。 ピンポイントは一部の画像領域に限って3D表示が可能なもの。
3) スクロール速度は高速と低速の2段階とし、実際の顕微鏡操作に順ずる動作速度が得られる場合に限り高速とする。
4) 高低無の3段階評価 ノートPCで持ち運びが可能であれば高。 表示可能なパソコンにPCIボードなど特殊環境が必要であれば低。
   事実上同機種のみでの画像表示は無とした
5) 3D画像ファイルの総容量  理論上無制限はHDDの容量に依存する。



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モバイルするならサイトロン

さて、バーチャルスライドが使われる理由ってなんでしょう?
日ごろの仕事をパソコンで??
バーチャルスライド開発をお手伝いさせてもらっている私がいうのもナンですが・・・
顕微鏡で見れる環境なら顕微鏡でみればいいでしょ。
そっちのほうが、断然解像度だっていわけだし早いし正確ですよ。

では、どんなときに使うんだい!?ってことになりますが、
それは、顕微鏡で標本を直接観察出来ないけど、細胞診をしなければならない状況。
例えば、

・別施設とのコンサルテーション。
迅速な検査結果を望むためには、標本そのものを輸送するよりデジタルデータで送ってしまったほうがよっぽど早いですよね。
もちろん、これはサイトロンでなくとも市販バーチャルスライドが得意とする分野ですが、通常は送信側ではサーバーだのソフトだので数十万〜数百万単位の機材導入が必要となりますが、PC環境を選ばないサイトロンなら投資ゼロからOKです。

・遠隔画像診断
これも、別施設とのコンサルテーションと同じ原理です。けど、手軽さでいえばお金を湯水の如く投入した大手メーカーのバーチャルスライドには敵いません。

・症例検討会
サイトロンなら、ノートPCを持ち運ぶことでどこでもすぐに症例検討会ができます。なんなら、CD-RやUSBメモリーなどにデータを入れて持ち運び、移動先のPCに接続してサイトロンをインストールして使えばとっても軽量。ポケットに収まるバーチャルスライドです。

・学会発表
なにしろ、サイトロンはモバイルが得意です。ノートPCを持ち込んで学会や検討会での講演、発表で使えば3Dで顕微鏡観察とそっくりの映像を実際の顕微鏡の動作速度のままでみなさんに供覧することが可能です。大掛かりな機材を必要としないサイトロンの最大の特徴ともいえます。

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サイトロンの操作

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全領域表示エリア内にポインタを持っていってマウスを動かすと、拡大画像エリアの
画像がビュンビュン動きます。フォーカスをドラムを回してください。

左上にボタンが並んでいます。
左側から、【新規作成】を押すとAが開きます。
ここで3Dの画像を生成します。

左2番目 【開く】を押すとBが開きます。
過去に作った3D画像ファイルが並びます。ここで選択すれば過去に生成した
3D画像を読み出せます。

左3番目 【上書き保存】
3D画像の変更(画像入れ替え、テキストなど)の保存です。

左4番目 【タイトル、コメント、マークの編集】を押すとCが開きます。
ここで、タイトル欄やマーク座標のメモ、コメント表示欄などの編集をします。

左5番目 【画像ファイル構成の編集】を押すとDが開きます。
3D画像のレイヤーの入れ替えをしたり、削除・追加ができます。

左6番目(一番右側) 【オプション設定】を押すと、KIT1090ボードを搭載した
PCであれば、NTSC出力が可能です。


参考文献:「バーチャルスライド「サイトロン」の有用性」:稲垣 伸介
Medical Technology第36巻第4号2008:P.385-388

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私とKITとサイトロン

サイトロンを開発した株式会社 ケーアイテクノロジー(以下、KIT)はデジタル画像を扱うことに特化した
スペシャリスト集団です。
しかし、いかにスペシャリストといえども全くの無から全て独自で開発ができるわけではありません。。
私とKITの付き合いはサイトロン誕生より前からありましたが、これは話せば長い事だから
ざっくり省略!(えっ!?まぢっ!?)

だけど、サイトロンを開発したってそれを世間に広めなければ意味がないわけで、
そこで、もともとサイトロン開発の経緯から知っていて、細胞診の世界にいる私が
1枚噛んでいるわけです。

私とKITの関係は
「私(Cyto-Imaging-Lab管理者)はサイトロンユーザーであること」
そして、
「サイトロンに係る権利の全て(著作権、特許、収益などの全て)は(株)ケーアイテクノロジーのものであること」
がきっちりと存在します。

ですがサイトロンの開発に関して
私は「細胞検査士」として、細胞診断学に有用なソフトになるよう
サイトロンを開発しているKITの社長にコンサルトしています。
というか、別に正式に頼まれたわけではないので(契約書なんてありませんから)、
コンサルトの押し売り状態です(笑)。
いや、押し売りも正確ではないでしょう。
KITからサイトロンの提供を受けています。
カーレースでいうなら、準ワークス体制です。
基本は私設チームですが、メーカーがセカンドマシンなどを提供して
くれたりする・・・あれです。

私はサイトロンを提供していただく代わりに徹底的に使い倒します。
徹底的に使い込んで、さらなる注文をKITにオーダーします。
場合によっては、KITさえ気がつかないウラ技を思いついたりもします。
そして、サイトロンの開発をネタにして
NPO法人 日本臨床細胞学会 での学会発表や論文、
その他の機関紙へのテキストの投稿などをします。
こんな面倒なことして何になるのか??

学会発表は出張費を職場が負担してくれるんです!

学術集会は国内を転々としますので旅費がタダなんですよ。
これが、私の収益です。

それに、なにしろ自分の時間を削り込んで細胞診に必要な要素を注文つけて
作りこんでもらっているソフトですから、使ってもらえたらそりゃあ嬉しいに決まってます。
だから、より多くの方に体験してもらいたいと思っています。

そこで、勘違いされる方が多いのですが、
こんな質問をよく受けます。

「コレ(サイトロン)1本売れるとナンボ入るの?」

正解は、
開発にコンサルトしたからといって「報酬は一切ありません」
サイトロンが売れたからといっても「報酬は一切ありません」
そういう契約はありません。
今後契約する予定もありません。

その代わりに、ソフト開発にかかる経費やリスクを私は一切負担していません。
そういう約束です。

たまに、こんなこと云う方がいます・・・
報酬があったほうがやりがいが出る?
報酬があったほうがいい仕事をする?

どうでしょうねえ??
協力関係の期間が限定的であったり、両者の金銭支払いのバランス関係が
それで保てるのであればね。

だけど、バランスってのがとっても難しい・・・

たぶんね、
コンサルト料をいただけば、そのうちきっとこう思うようになるんです
「こんなにアイディア出してるんだから、もっと報酬があってもいいのでは?」
そして、開発企業はこう思うんです
「この程度のアイディアにこんなに報酬払わんといかんのか?」
とね・・・

もう、こうなったら両者の行く先は見えています。

だから、コンサルト料などの報酬なんか無いくらいで丁度いい。

もし、サイトロンで収入を得ようと思ったら・・・
データ作成代行とか、自分で作ったアトラスデータの販売でしょうか。

けど、サイトロンが売れないことにはデータ作成代行なんて仕事ありっこないしな〜
アトラス作るほど症例ないしな〜
ま、いっか
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