MS-1612  6GA4 push-pull stereo power amplifiler remodel   [December, 2016]

 旧友が1972年頃に組み上げていた6GA4 push-pullアンプの再生を引き受けました。当初は劣化した部品の交換と再調整ですませるつもりだったのが、解体して組み直す結果になりました。その辺の事情は追々説明します。タイトル画像はremodel後の姿です。
 幸い、6GA4もトランスも再利用できたので、当初想定していた出力管の6CK4などへの改装には至りませんでした。下はremodel後のシャーシ内部。回路図はこちら。差動形の位相反転回路を採用し、5814A+5687の構成です。+B, -C電源は安定化して、50Hz地域での調整が60Hz地域で狂わないようにしています。
 上の画像がアンプの原形です。駆動段は12AX7(parallel)と直結された12AU7によるカソード結合形位相反転回路になっていました。当時の標準的な回路構成でしょう。電解コンデンサなど、一部の部品が後から交換された形跡もあります。まずは真空管を実装して通電してみようと思ったのですが、シャーシ前面中央にある電源スイッチが機能しませんでした。どうやってもONにならないのです。
 やむなく、内部点検から取りかかったところ、1本の配線に巡り会って部品交換による再生を諦め、一度解体することに決めました。右の画像右上方にある電解コンデンサと両側の出力トランスを結ぶ赤い線が見えるでしょうか? これがgroundにつながっていることが判明し、これ以上の調査は断念しました。配線の色を辿っても、回路構成がすんなり見えてこないと悟ったためです。
電源トランスの重量でシャーシが変形し、側面の曲げ部分が浮き上がっていました。ビスを追加して締め上げることで修正し、さらに電源トランスに共締めの補強アングルを追加することにしました。
どうせ組み直すならと、トランス類の実装位置も見直しています。電源トランスは180度、出力トランスは90度回転して、配線をやりやすくしました。部品配置の検討は現物合わせで、直接シャーシに書き込んでいます。右が穴を開け直したシャーシの上面で、丸洗いして堆積していた埃を取りました。
 アルミ板を重ね、元の穴を覆う構造にしました。

 上は、真空管socketsを実装したところ。
出力管用はLUX製でまだ十分使えるからと、交換しませんでした。
 シャーシ前面には文字入れがされていたので、それらを隠さないサイズの板を重ねています。
新しい電源switchは右隅に移転しました。RCA端子やRVも交換しています。私の流儀は電源部が左なので、終始どこか落ち着かない改造作業でした。
左が信号系の主要部(組立途中)、上が+B安定化用MOS-FETの実装位置を示します。放熱板の下には元々電解コンデンサがついていたφ30の穴が二つ並んでいるので、風通しは十分です。
 平滑用choke-coilは小さめのinductanceのものに交換し、シャーシ上面の空き地を確保しています。これは、出力管を別の種類に置き換えてheater巻線の容量が不足した際に、追加のheaterトランスが乗せられ
るようにと手回したものです。
出力端子も新しくしました。背面にAC inletを実装。電源トランスの右は+B遅延用のthermal delay管とAC relayです。
 出力管は年齢相応に劣化が始まっていましたが、もうしばらくは活躍できそうです。劣化の度合いを考慮して手持ちの球も動員し、何とかpush-pullの上下段のpairを確保しました。

 左はまだトランス類を養生したままで、初めての音出し。今風の音源です。

周波数特性を示します。無帰還時に見える800kHz付近のpeakはZobel networkを追加して殺しました。
帰還量は6dBです。

 完成直前にAudio analyzerが壊れ、昔ながらの手測に戻っています。

 Ampの話はさておき、私が海外出張を始めた頃に、このampの持ち主がUSに駐在されていて、現地で何くれと面倒を見てくれました。その後、あちこち平気で(?)飛び回れるようになる基礎を築くのに、彼の助けがあったと感謝しています。
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