MS-303 Mk 2 Olson amplifier [August, 2015]

 1972年の夏、秋葉原を歩いていて見つけた6F6-GTを使って、Olson ampを組み上げていました。浅野 勇さんの著書に影響された作品で、長期間田舎のシャックで眠っていたのですが、久々に通電してみたらあちこちに部品の劣化が見つかりました。電源トランスの容量不足の解消も含めて、全面的に改装することにしました。回路図はこちら
 上の写真はMk 2として完成した姿。左がMS-303の原型です。
 改装後のシャーシ内部。CRの大半を交換し、電源トランスを載せ換えたので、かなりの配線がやり直しになっています。初段の6J5が劣化していたので、GEのメタル管に交換。今後、6F6-GTもメタルに交換する可能性があるため、1番ピンを接地しました。
 背面では、入力端子、可変抵抗、電源スイッチを交換。電源トランスの載せ換えに伴い、Fuseを元の電源スイッチの場所に移しました。
 
 大規模な改装になった電源部を眺めています。出力管のバイアス抵抗(300Ω)は元々使っていたものですが、電源トランスに共締めしていた形から、個別にシャーシに固定する形に変更しています。写真では見えませんが、抵抗の上部のシャーシにφ8の穴を二つ開けて放熱経路にしています。ブロック電解コンデンサは撤去して、新たにチューブラ形を実装しました。
 交換したトランスも十分年季が入っています。実装する前にDCの低電圧で水抜きをやっておきました。長いこと放置されたトランスは、湿気で巻線間の絶縁抵抗が下がっているかも知れないからです。
なお、P-44Bは居酒屋ガレージ店主さんからのいただきものです。ありがとうございました。
 計算違いをしていないかと言われるかも知れません。現状の+B電流は127mAほどで、トランスの定格を越えています。それでも、元の100mA規格のSELのトランスよりは楽な動作だろうと考えています。5Vや6.3V巻線の電流容量にはまだ余裕があることだし。
 シャーシの上面を見ると、電源トランスの存在感がわかります。せっかくなので、出力トランスと銘板の向きを揃えました。
 元のトランスの穴に加えて、ブロック電解とhum balancerを撤去した穴をアルミ板で塞ぎ、新しいトランスに合わせて穴加工しました。トランスの端子板がシャーシの深さギリギリだったので、シャーシ上部にナットを一つ追加して厚み分を浮かしています。JIS規格の4mmナットは、どう
にかジャンク箱から見つけることが出来ました。
 電源トランスのビス4本のうち、対角線上の2本は元からあるシャーシの穴にかかってしまい、アルミ板だけに固定されています。少しでも固定強度を増したいと、アルミ板の一辺を直角に折り曲げました。

元のアンプについていた抵抗の実測値です。大半のソリッド抵抗が抵抗値が上昇する方向に劣化していました。

 オイルコンデンサも漏れ電流が増加し、バイアス電圧を狂わせていたので、全部交換しています。

 1972年に買った6F6ですが、"PRC"と表記があるもののどこで作られた球かずっとわからないままでした。2020年になって、ようやく正体が判明。PALS RADIO TUBE LTD という会社でした。
 改装後の周波数特性と歪の測定値です。無帰還なので広帯域ではありません。
topに戻る。
Copyright(C) 2015/2017/2020/2021 CPU.BACH. All rights reserved.