Chartres, France [October, 2008]

首都の西方で仕事があり、早く終わったので遠征を企てました。モンパルナス駅から一時間あまりで行けるシャルトルです。
 須賀敦子さんの著作で知り、Parisからそれほど遠くないし、いつかは行きたいと思っていました。須賀さんは途中のRambouliletで電車を降り、そこから三日間歩く巡礼の旅でした。詳しくは、著書をご参照。



往路の車窓から。のどかな田園風景が続きます。二階建ての近郊電車で、往復とも検札はなく、片道13.3EUでした。帰りはParis市内と違い自動販売機に英語表示の機能がなくて、ちょっと戸惑いました。  Chartres駅に到着。すでにノートルダム大聖堂が見えます。この日は英語が耳に入りました。巡礼と言うよりは観光客でしょう。
シャトレ広場の一角。
駅を少し離れただけで、左のような景観になります。これなら道に迷う心配はゼロ。
大聖堂の手前に観光案内所があると予習しておいたので、最初の目的地はそちら。
茶色の屋根の二階建てが観光案内所。地図をくださいと英語で言ったら、英語の市内案内をくれました。  あいにく正面中央が修復工事中ですが、どこに行っても工事していないのが珍しいくらいなので、今さらがっかりはしません。改めて偉容に息をのむ瞬間です。
左のFulbertさんをWikipediaで調べたら、1006年から1028年まで、ここの司教さんだった方。
この後、街中でFulbertさんの名をいただく店をいくつか見かけました。 

 上は壁面の彫刻、以下あまりに写真が多いので、あまり文章を書かないことにします。
東側の入り口で、どこから入ればいいのか迷っているところ。  入り口の上をじっくり観察。
 
東側の先がどうなっているか観察したところ。  道路の反対側には門前町が広がっています。右端は土産物屋。
塔に上がれるのは1400からだとわかったので、遅めの昼食で時間調整。入ったのは市内地図で紹介されていた店の隣。気取っていない雰囲気で、敷居が低かったのです。左端に見える"シバの女王"という店。  堂内に入るのは無料ですが、塔へは6.5EU払って上ります。時間が来ても入場券(登塔券?)を売る人がいないのは日本と違うところ。そばの売店で、ステンドグラスをはがきでなくフィルムにしたものを買って時間をつぶしました。Lonely planetに、塔の登り口は売店の奥にあると書いてあったので、暗い堂内を探し回らずにすみました。これは、300段以上ある階段を1/3ほど上ったところから撮影。
 まだまだ上らないといけません。
薔薇窓が印象的です。

下界がだんだん遠ざかり、高度を実感し始めました。息切れも...。

 こんな角度で薔薇窓を眺めることは滅多にないでしょう。他に上っている人がいなかったので、途中で足を止めてもはた迷惑にはなりません。
視界が開けました。パノラマ撮影できそうです。  街並みは安野光雅さんの絵本を見る思い。
"須賀敦子のフランス"という本にこれに似たカットがあるのを、帰国後に見つけました。  さっき降りた駅が見えます。市内の方向感覚が身に付きました。
 遂にEFS 10-22mmの出番。不思議な構造体を見ている感じです。
さて、パノラマ写真です。14枚を並べて作りました。クリックで拡大します。
堂内に戻ってこの国で最古と言われるステンドグラスを観察。三脚を立てるわけにもいかず、写真のできはそれなりです。

 Blueがきれいですが、須賀さんは堂内に入れずステンドグラスも見られなかったと書いています。
マリアの木像。右上は正面から(色は補正しませんでした)。
堂外に出て、大聖堂の裏にあるmuseumに向かいます。堂内で見た迷路がここにも。

右は、大聖堂の背中側。
北側から見ていることになります。  世界遺産の標識。
僧院を利用したFine Arts Museum。館内は撮影禁止ですが、絵の他にも見るものがたくさんあって楽しめました。特に気になったのはチェンバロの類。


右は、美術館を出て市内の散歩を始めるところ。Eure川に向かって歩きます。
木の姿が面白いのに、車がじゃま。  ここも車がじゃまですが、独特の木の骨組みが露出した家が目立ちます。同じ場所をスケッチされた方を発見。
街のあちこちで、ふと気がつくと大聖堂の塔が見える光景に出くわします。東京タワーよりはるかに風情があります。  川に沿って散歩。時間が止まっている感じがするのは、ブリュージュに共通するものがあります。
川を渡り、駅側の岸に戻ってピエール教会。ここも修復中でしたが、作業員の姿が人形のようでした。  ほぼ、見るものはこんなところかと、駅への道を探します。
何故か、この街はPNDのGPSも携帯電話も電波が入らないところが多く、戸惑いました。



地図を参照して駅につながるとおぼしき道を歩きますが、いろいろ気の散る風景に出くわしては寄り道。
ますます方角が怪しくなりました。
広い道に出て一安心したところに不気味な像を発見。説明文は読める言語のところだけ拡大していますが、フランスのレジスタンスを記念するものだとわかりました。
この国のレジスタンスと言えば、自動的にギャビン・ライアルの"Midnight Plus One"を思い出してしまいます。
 最後にどうしても左右の塔を高解像度で貼りつけたくなりました。
 駅周辺まで来ると、PNDも携帯電話も受信可能になりました。大聖堂以降の散歩でPNDが使えなかったのはつらかったですが、電話は特に困りませんでした。もっとも、受信可能になったとたんに翌日以降の仕事の連絡が留守番電話に入っていて、hotelに戻ってから深夜まで準備に費やす羽目になりました。昼間の散歩のむくいと言うところです。 
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