03.ロザリオ






人というのは面白い物で、今まで全く別の道を歩いていた人同士が偶然出会い、唯一無二の友となったり 恋愛をしたりといろんな関係を持つ。ただ、逆に学校が変われば連絡も取らなくなると言ったような薄い出会いもあったりする。
俺らの場合は どうだろうと柄にもなく人について悩んでみれば悩みの相手である彼女が眉間にしわ寄ってますよと眉間に 指を当てる。




「ホント、眉間にしわ寄せて悩む癖だけは変わりませんね」
「癖がそうそう簡単に直るものか」


少しだけ毒づいてみて、また機嫌を損ねるかと思えば まあそうですが・・・と物分かり良く返され内心妙な気分に陥った。
それが顔に出たかは知らないが‘先輩’は勘のいい奴でじっとこっちを見てフイっと視線を逸らす。
俺に対して背を向けているが、その背中は如何にも俺に対して何かを訴えていて、か細くて、



愛おしい




こうやって考えてるだけで相当いかれてると思いはしたがそんな考えは頭からすぐ消えて彼女を引き寄せていた。
急だったせいか、小さく驚きの声を挙げて何ですか?と聞いてきた。


何となく癪だったので答えはしなかった。



「鳴海さんってば甘えたさんですねぇ」
俺が抱きかかえた体勢で彼女はクスクスと笑った。常に歳の差なんて関係ないように過ごしてきたが時々、彼女は年上ぶって 自分を子供扱いをする。一つしか違わないし、好意を抱いてる相手に子供扱いされるのは男として何とも皮肉な物で悲しさを覚える。 なので太ったか?と禁句を発してみたら案の定、彼女はひよのパンチと称すモノを喰らわせ俺から離れた。



「まったくっ失礼しちゃいますっっっ」
相変わらずと言うか何というかぷうっと頬を膨らませまるで子供のように怒る。




ふと彼女と目が合うと目の前に座り、いつもしない深刻な顔で告げた。




「一人で悩むなんてずるいですよ。話くらい聞きますからそんなに悩まないで下さい」









神様、女神を愛すのは罪ですか





----------------------------
あとがき
えっと、30のお題3,ロザリオより。
ロザリオ→十字架→十字路ってなわけで冒頭へ繋がるわけですよ。何か無性にやりたくなったあーちゃん片思いを 匂わすあーちゃん喋り倒しな話。でも、書いてる側としてはもうすでに付き合ってる状態かと。
お互い好きとか付き合ってとか言わないんだけど自然にその形になったというのが私の鳴ひよ像。 で、最期の言葉は折角ロザリオなのでキリスト風味を入れてみたり。何だかお題無視しまくりな気がしてきた;