雪深い道をふたりで歩く。
まっしろ、やわらか、ひんやりした、もこもこの中。
ぎゅ、ぎゅ、と踏みならしながら進む。
まだだれも通っていない部分がいい。
ふわふわのそれに初めての足跡を、スタンプ。

空もまっしろ、地面もまっしろ。
上を見ても下を見ても同じ色。
不思議。あんな高いところにあったものが
そのままこっちまで届いたなんて。

寒いけど、寒い以上に
うきうきしてわくわくする。
てぶくろ、マフラー、帽子もかぶって
なんてことない、へっちゃらだ。


「あ、雪だるまさんです。」


公園の片すみに見つけたお方。
誰かが作って行ったのだろう。
いちめん銀世界の住人。
堂々とした立ち姿、
でも親しみやすいかわいらしさも備えてる。


「とっても寒そうです。」


自分のマフラーを外しながら歩み寄る。
こんなに寒い中で、
一人じっと外にいるなんて。
せめて少しでもあたたかくしててほしかった。


「あ、クリームちょと待って。それはいらないよ。」


止めるテイルス、戸惑うクリーム。
でも温かいほうがいいはずです。
ちがうよ、彼は寒いほどいいんだ。
雪みたいにふわっと、ひやっとした言葉が降ってくる。


「体が雪で出来ているからね。寒いほど元気になるんだよ。」
「そうなんですか。」


解いたマフラーをまた巻いてあげる。
かけてもらいながらも彼を見たまま。
それじゃ行こう、手を引く。
でも何度も心配そうに振り返る。


「じゃあこうしよう。」


テイルスは雪玉を作るとそれを転がし始めた。
どんどん大きくなっていく。
ごろごろ、両手で押すほどの大きさになった。
それを見てクリームは気が付いた。

同じくもう一つ雪玉を作る。
ころころ、回すほど大きく大きく。
成長して、重くもなる。
それを今度は二人で押して転がす。

まん丸二つの大きな雪玉。
より小さい方を二人でかかえて
より大きい方の上に乗せて
枝をさしたり石をはめたり、どうだ、まるで人みたいだろう。


「完成。」


そして彼の隣にもう一人
新しい雪だるまが一緒に並ぶ。
すこし寄り添うように立つ彼女。
はじめましてとはにかんでるよう。


「これで寒くてもきっと大丈夫。」
「ハイ!」


僕らも冷えてきたね。早く帰ろう。
きっとママがあたたかいシチューを作ってくれてます。
そう、それは楽しみ。
さぁいそいで帰りましょう。

振り返り見た雪だるまたちは
なんだかほんのり暖かそうだった。
吐く息はまっしろだけど
それだけ彼らは元気になるから、大丈夫。

















































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寒いと温かいモノが恋しいですよね。