エッグマンは研究の末てのひら大の小さなロボットを作り出した。
さてその生態動力の源は一体何にしようか。
あまりに小さすぎて適当な大きさの動物がいない。
何でもいいから試しに入れられるものがないか探した。

引き出しには種があった。

以前何かをロボに命じて捜索させた際に誤認して持ってきたものだ。
見るまでそんなことは欠片も覚えていなかった。
ただなんでも良かった。
植物は初めてだったが生き物に変わりはないだろう。
動力装置の核にそれをセットした。

動いた。

自由に立ち回るほど安定した出力だ。
そのまま種を動力源に決めた。

主に基地施設の整備を行う。
人が手をつけにくいところにも簡単に入り込み修理を行う。
幾つも作り出し施設全体に隈なくロボが行き渡る。
コンピューターの動作不良に悩まされることが無くなった。
効率良く研究がはかどった。
色々な新兵器が出来上がり外へ出撃することも増えた。

世界征服活動が順調に進む中。
基地の場所がついにソニックに知られることとなる。
彼はエッグマンの野望を阻止せんと行動する。
施設は次々と破壊されてゆく。
エッグマンは開発した新戦艦に乗り込み脱出した。

基地は放棄された。
修繕不能の研究設備。
もう誰にも望まれない修理。
無害なロボはそのまま。
動く限りプログラムを実行し続ける。

しかしやがて作動しなくなる。

エッグマンの手元には最初に作った一体だけが残った。
それも動きを止めたままだった。
やはり種ではパワー不足だったのだろう。
処分するでも直すでもなく机に置いたままにする。
そのことも後に忙殺され記憶から追いやられてゆく。

その背中からはすでに芽が出ていた。

長い時を経てようやくエッグマンはそれを見た。
ロボを器にして真っ直ぐ伸びる太い茎を。
鮮やかな緑を。
伸びやかに広がる葉を。

そしてエッグマンはかつての基地のことを想った。





































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地球温暖化対策に貢献してしまうエッ グマンでした。
これならソニックと戯れても環境破壊になりませんね。
ちょっとメガCDっぽいですね。