●目薬

 手元の作業で近くを注視する事が多い。
「最近目がシパシパするんだ」
 そんなテイルスにさっと目薬を渡すソニック。
「ありがとう。でも随分準備がいいね」
「ああ。まぁ、職業病みたいなもんかな?」
「目薬を持ち歩くのが?」
 少し戯けたように
「いや、走り回ると目が乾くんだ」
 でも恥ずかしそうに答えた。

・音速で目が乾くぜ!・


●尻尾戦争

「俺の方がCoolに決まってる!」
「いや力強さで俺が上だ!」
 ソニックとナックルズが喧嘩している。聞けば尻尾の格好良さについての口論。
「みんなに聞いてみたら?」
 テイルスの案で街頭アンケートで決戦。結果
「触り心地最高!」「ふさふさモフモフ!」
 テイルスの一人勝ち。

・モフモフは正義・


●Emotional Blazing

 バレてはいけない、悟られてはいけない、だから顔に出してはいけない。
 落胆させてはならない、呆れられてはならない、だから不自然な振る舞いをしてはならない。
 予定通りブレイズが部屋へ来た瞬間
「Happy Birth Day!」
 突如祝われ彼女の顔には動揺、照れ、そして最後に喜びが映った。

・ブレイズおめでとうを言いたかったんだ・


●Cosmic Haloween

 ハロウィンだから、と言われるがまま魔女と呼ぶ衣装を着た。
 エミーさんとクリームさんから可愛いと言って頂けた、テイルスさんはどう思うだろう。あちらも衣装を拵えてくるので楽しみ。
 そして現れた彼の頭には
「斧が!だだだ大丈夫ですか!?」
 深く刺さってる、血も沢山!
「ちょ、落ち着いてコスモ!」

・コスモがいる風景が時々欲しくなる・


●ちょっとの疑問

 ソニックは包装された箱を見て訝しんでいる。
「ソニックもエミーから貰ったんだね。僕のは義理だけど」
 うぅむ、唸り声に続けて、なぁテイルス、尋ねてきた。
「俺の好物はチリドッグだ! て言うのに、何でまたチョコレートなんだろうな?」
 更に顔をしかめるソニックに対し、つい乾いた笑い声が洩れた。

・お察しやがれ・


●Like That Blue

 テイルスに置いていかれた。
 誕生日にアイツが来なかったと愚痴を零したら、気分転換にと複葉機に乗せられこの様。散々。
 呆然と眺める空は深い青、広がる珊瑚礁はエメラルド、吹き抜ける海風は爽快だった。
「良い所だろ?」
 その全てを持つ彼は何食わぬ顔で現れた。これでプレゼントのつもりなのかしら。

・物より思い出?・


●口伝

 テーブルには数々の短冊、赤青緑に、黄色や紫と色彩に富む。
 ペンを右手に皆思い思いの願いを書き、笹へ吊した。
「ブレイズは何を願ったんだ?」
 訪ねてきたソニックに、手元の短冊を見せる。覗き込んで来た彼が見たのは、空白。
 訝かる顔をこちらに向ける一瞬を突き、接触することを言葉の代わりとした。

・一年に一回ぐらい触れてもいいじゃん?・


●イブリース温泉

「やっぱ温泉て良いよなぁ……」
 広い浴場、人の気配はなく貸切状態と思いシルバーは、マナー違反にも泳ぎ出した。
「ん?」
 水中で柔らかい感触を掴んだ。
 湯から顔を上げ伝うと、そこにブレイズの――
「はっな、バっ!!」
 目が合った数秒から記憶が飛んだ。後に彼女の勘違いで鉢合わせたと謝罪を貰えた。

・未来の温泉じゃあこうのほほんとしてらんねぇよな・


●魅惑を紡ぐ

 世界中に名は知れ渡り、英雄ともてはやされる彼。当然女達が見逃すハズがないだろう。
「何人としたことあるの?」
「何の話だ」
 唇を指し示して見せた。ソニックはあのバカと違い惚けている。
「もうあの子とは何回――」
「少し黙りな、じゃないとその口を塞ぐぜ」
 彼の視線は私のルージュに注がれていた。

・この二人なら大人な会話をしてくれるハズという話から・


●Aiming Free Run

「よ、シャドウ」
 軽々しく名を呼ぶ彼に、無自覚に冷淡な視線を送っていた。こんな所にまで、仕事ってのは大変だな。
 奔放な性格の彼は任務という概念を理解する気はないようだ。
「君こそ何故ここに?」
「偶々さ」
 軽口を返す彼の目は、反して強い光を隠していた。
「違うな、君は何かを知っている……!」

・目的はエッグマンなのでしょう・


●マイメカニック

 潜水艇の整備ドックを訪れる。大抵テイルスは一人で作業をしている。
 そんな彼を見つけ傍へ行くが、夢中な様子だったので声を掛けた。
「テイルス?」
「わぁ!」
 彼は驚愕し、私はその声に怯んでしまい、空を蹴る足元には水面が。
「危ない!」
 腕を掴まれ引き倒された。咄嗟の事で心臓は早鐘を打つばかり。

・テイブレ増えろよぉぉぉぉぉぉ!・


●Lonely Satelite

 今夜はスーパームーンと呼ばれる天体現象。月が最接近し、大きさと輝きが割増しで見える。
 彼女と一緒に月を見上げた時は、まさに僕らが最接近した時だった。
「…月が綺麗だね…コスモ…………」
 握る手は空を掴み、テイルスは独り月夜を見上げる。

・テイコス定期補充・


●よく恋人同士で分け合えとか推奨されてるアレ

「コレ食べよう」
 と箱から取り出したのは、チューブ?を二本並べた容器。持って、言われ掴むと、冷たい! アイスだ。
「割るよ、せーの」
 パコ。
 綺麗に割れて、テイルスさんは先端を開封して中身を食べ始めた。
「おいしいよ?」
 はい、このアイス、とっても甘いです。手の体温で中身はみるみる融けていく。

・甘ぇんだよお前らがッ!・



































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ツイッターにて公開した、140字の短い話「ついのべ」の ログを置いてます。
一部修正を加えてあります。
2012.5~2014.3