聖獣

羽毛を持つ巨獣に身を預ける。これから元の世界へ帰るのだ。
澄んだ輝きを取り戻した宝石を装うその顔は、慈しみと感謝の心に満ちていた。
それだけで十分。心地良い気持と感触に触れられたのが何よりだ。
天は晴れ世界の傷は癒えた。
優しく送り届けられ、ここで得たドキドキを胸に新たな冒険へと向かう。

・ラムネさんのイラストよりインスピを得て・




アルバイト

エミーの紹介でこちらの世界で働くことに。
滞在中の食扶持ぐらい自分で稼がなければ。
後日、初出勤時に用意されていた制服には、袖やスカート裾へフリルがふんだんにあしらわれていた。
「今日からここのウェイトレスになるんだからね、お客様には元気で明るい笑顔よ!」
働き口を間違えたかもしれない。

・皇女様の労働体験・




対決

「スポーツでも究極と言い切れるのか?」
安い挑発に掛かり、1on1に挑む。バスケは甘くないと教えてやる。
ドリブルしつつ、紅い目を睨む。「シッ!」目 線は右、だが体は左だ。
一瞬の隙でもこの足なら十分。跳び、ダンクの瞬間
「グァ」
ボールごと落とされた。
この野郎、今のスピードじゃなかったぜ。

・カオコンは卑怯です・




入れ替え

「ソニック発見!」
という口調に憶えはあるが耳慣れない声。ブレイズが駆け寄って来た。
「大変な事になったの!」
走る勢いそのままにしがみつく振舞いは彼女のものではない。
そう思い辺りを見渡せば、エミーがおずおずと姿を現す。
「……助けて貰えないだろうか?」
ああ、こりゃとんでもない事態だな。

・積極ブレイズと冷静エミー・




四季折々

春コスモ。
桜色の姿は僕の気持ちも浮き立たせる。
夏コスモ。
緑鮮やかでたぶん一番積極的な時期かも。
秋コスモ。
落ち着いたブラウンは大人の雰囲気だ。
冬コ スモ。
雪に咲く姿もまた白。
あれ、その帽子とかはどこから?

・蛍舟さんのイラストからインスピを得て・




勝てない敵

朦朧とした意識でも彼とわかった。
口の中は苦い鉄の味が支配している。
「シルバー……」
「喋らなくていい!」
いきり立つ彼はか細い私の声を聞こうとしない。
違うんだ、仇討ちなど望んでいない。
敵を見据える彼、だが結果が見えている私の目には涙が滲んでいた。
止めたくても手足が言うことを聞かない。

・ラムネさんのイラストよりその2・




にゃん

洗練された軽やかな身のこなしで、だか勝手にスタスタ先を行かないで欲しい。
普通に声を掛けても止まらなそうだから意表を突いてみよう。
「待ってくれ、ブレイズにゃん」
振り返ったのは一瞬、さっきより足を早めてしまった!失敗した。でも何か顔が赤くなかったか?

・だれが「にゃん」と呼んだのでしょう・




相棒の成長

「テイルスの奴、すっかり見違えたよな。率先して何でもするし、機械も凄いの作るし」
グラスに手を掛け赤褐色の液体を煽る。
「……もう後ろ、付いて来ないし
」隣のナックルズは無言のまま、ソニックの肩に手を置いた。
ただクラブオーナーの側にいたシャドウは
「呆れた男だ」
聞こえるように呟いた。

・あこさんの発言を文章化してみた・




勉強(研究?)に集中してるテイルスと彼に用事があって尋ねてきたナコ(リク)

ちょっと、てのはどの位だ。
待たされてから小一時間、テイルスは切りの良いところで呼ぶと言った。
また研究しているのか。だが長い。
待てん。
徐にドアノブ に手を掛けた。
「まだって言ったでしょナックルズ!」
「はいスイマセンでした!」
気圧され戻ってしまった。にしてもあんなに声荒げる奴だったか。

・土佐ねこさんからのリク・




ソニックとルージュの腹の探りあい(リク)

「俺を助けても宝石は出ないぜ」
「たまには人助けも良いじゃないの」
隔壁の向こうにはルージュ。
閉じられてから一分と経たず、彼女はエッグマン基地のシステムを易々と破った。
「ならエージェントの仕事ってか」
返されたのは微笑み。
秘密が女の魅力を引き立たせるのよ、だから二重に厄介なんじゃないか。

・土佐ねこリクその2・




桜の季節

花見の誘いは、断ってしまった。この時期は少し辛い。
木々は彼女に似すぎて、あの美しい姿を思い出すと共に心の疼きを呼び覚ますから。
ただ、このままではいけないよね。
「コスモ……」
見上げれば花弁は顔へ。
そして巻き起こる風に翻弄され木から舞い降る。
「ソニック」
桜吹雪に紛れる彼の姿を見つめる。

・テイコスにプラスソニックとの退治が正義と思うんだ・




肉食獣

「ソニック!」
満面の笑みと共に突如抱きつかれた。
「おわ、テイルス、急になんだ!?」
腹に顔をグリグリ押し当ててきてくすぐったい。
久しく見る無邪気な姿。
「痛っ!」
臍より上に痛みが走った。
反射で目を向けても、テイルスの顔。
「……しい」
今、何て呟いた?しかも口先を紅く染めたままで……

・狐は何でも食べるという話からついつい・




邪悪

「黙ってろと言っただろ!」
「ぐ……貴様、本当にソニックなのか!?」
「あぁそうさ!お前には俺の全てを知って欲しくてなぁ」
暗い笑みに歪む顔。
自由を奪われ、只々彼を全身で教わるのみ。
抵抗の為手には炎がくすぶるが、私の体の中で燃え上がっているコレは……。
彼が放つ熱に浮かされ、身を任せ……
 
・悪意に染まる・




わっふるわっふる

寝ずに機械をいじっているからだ。
テイルスの足取りはフラフラ、目は力なく瞼が降りてる。
なのにコーヒーを飲んでまた戻ろうとするから部屋のベッドへ引き連れ無理矢理押し倒す。
「僕、あの、アレは、未完成だから……」
完成が楽しみだが、未完の魅力も……

・@Ako_2Yskk @sonisoninの喰いつきが良過ぎたから・




テイコス夕日頬染め

太陽は今日の仕事を終えるようだ。
ふとコスモに将来の夢を聞く。
皆が笑顔の世界が実現したら、自分を差し置いて皆の事とは優しい彼女らしい。
テイルスさんは?お返し質問だ。
「それなら僕の夢は決まったよ」
その世界で君の傍に。
彼女の頬に朱が差す様は夕日の中でもわかった。
きっと僕も同じ顔をしている。

・平穏なテイコスが好き・




女の子

水晶かしら、その向こうにある服は鮮やかで幾重も布を重ね、まるで花が咲いているみたい。
女の子はそれを食い入るように見ていた。
高い壁がそびえ立つ石畳の通りの喧騒の中で。
私は彼女にあの人を止める手伝いをお願いしたいのだけれど
「これ似合うかも、ティカルに!」
この時代の感性はわからないわ。

・現代に蘇るティカル・




意識

「僕に?」
不意にライム色の箱を手渡されて当惑した。
「共に冒険をして、助けられたからな」
そのお礼チョコでいいのかな。
頑張ってきた姿を見ててくれたみたい。
「ありがとう、嬉しいよ!」
ソニックも来れたら良かったのにね、でもブレイズは
「いや、また来てもらっていい、お前だけで」
それって……
 
・テイルスとブレイズで勝手に盛り上がった・




月食の時

月が輝きを失う時。
それは太陽光の影響が完全に断たれる瞬間。
「く、チップ、早くおレカラ、ハ、ナレ……ァァァァァァア!!!」
「ソニック!」
暗褐色の下、彼は更なる変貌を遂げる。
全てを紅く染め上げる時間だ。
チップが逃げる直前に見た彼の目は、上空の天体と同じ闇へ落ちた色だった。

・月食は見ものでした・












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ツイッターにて公開した、140字の短い話「ついのべ」のログを置いてます。
一部修正を加えてあります。
~2012.5