CNCフライス1の続き

このページでは、フライスの改造の様子をUPします。

<スピンドルモーターの改造>
スピンドル用モーターをオリエンタルのブラシレスDCモータユニットBLF5120Aに交換しました。
このモーターは80〜4000rpmの制御ができ、低速でもそれなりのトルクが出せます。
(実用的な低速域は100rpm以上)
変速(低速に)出来るようになったメリットとして、アキューセンターによる芯出しと、タップサイクルが可能になりました。 

<芯出し>
アキューセンターを使うとワークの中心や端面の位置を簡単に出す事が出来ます。
ゆっくりとワークの壁に当てて行き、端子が振れた瞬間の位置を見るという単純な機構ですが
繰り返し精度は0.01に入っています。

<中心を出す場合>
1:ワーク端面に当てて、その位置を0にセットします。(回転数は700rpm)
 

2:反対側も同様に行い、その位置の座標を読み取ります
 

3:座標値を半分にしてプリセットします。
  これで左右の中心が出ます。

<端面を0にする>
中心ではなく、端から寸法を出す場合は
ワーク端面に当てて、その位置でアキューセンターの半径分(5mm)をプリセットします。
 

<タップ加工>
低速でトルクが有るモーターの場合、タップ加工も可能になります。
ドライバーには、正転と逆転を指令する入力端子が有るので
配線とリレーを介してForm-2005基盤に接続して
Machの正転(M03)逆転(M04)の割り当てを行います。



後は、MachのタップサイクルG84でタップ加工が出来るようになります。

但し、主軸と送りが連動しているわけでは無いので、タップのホルダーには工夫が必要です。
市販のタッパーでは大きすぎて使えないので、専用のタッパーを自作する事にしました。
最初は、タッパーの動きが一方向だけだったので
どうしても引っかかって、Z軸のステッピングモーターが脱調してしまい
完成までにタップを2本折ってしまいました。
現在は、2つのバネを使って、5mmのストローク内で中立になるようにしています。
一応、「回転数 x タップピッチ = 送り速度」の式で計算しますが
回転と送りのズレ分と、タップのが最下部まで下がった時の
スピンドルモーターの逆転に掛かる時間のズレ分を、このストロークで吸収しています。
 

<使用したタップサイクルのNCコード>
G90G00X30.Y-16.Z20.
M3(S500)
G84R3.Z-9.F400(P0.8)
X20.
X10.
G80
G00Z20.
M30

下穴加工の様子 (6.26MB)

タップ加工の様子 (3.87MB)

<負荷の確認>(8/10)
このドライバーは、回転数の他に負荷率を表示できます
今回はテストカットとして、以下の条件で加工してみました。

材料     アルミ(17S)
エンドミル  直径10mm
切削幅    8mm
切込み深さ  2mm
回転数    3500rpm
送り      F100

この状態で加工したところ、70%〜85%程の負荷が表示されました。

モータにはまだ余裕が有りますが、フライス本体(テーブルの剛性)の方は限界のようです。 

エンドミル加工の様子(3.93MB)

<5相ステッピングモーターの交換>(8/15)
送り制御部分を、フォルムさんに送って頂いた外部ドライバー駆動用切削基板と
5相ステッピングモーターに
変更しました。
外部ドライバーを使用する場合は、配線や設置場所、価格の面で
CNCフライスにとっては不利な面も多くありますが、使用するドライバーによって更なる可能性が出てきます。
(ドライバーとモーターは自由なサイズで選べますから)

でも、実際に配線やスペースの確保は結構大変でした

↑その大きさから、フライス本体に組み込む事は出来ませんので、専用ケースを作成。

使用したドライバーRKD514L-Aは、モーター停止時に自動で電流を落とす仕組みなので
静止保持力は劣るものの、駆動時のトルクや回転数はかなりのモノです。
モーターはZ軸にRK566AW、XY軸にRK564AWを使用していますが
Z軸は体重を掛けても持ち上げてしまう程のトルクが有りました。

ドライバーは、スムースドライブの機構が付いていて、標準ステップ(0.72度)の設定+低速送りでも
振動は全く発生しません。
又、Machのモーターチューンは、最大まで設定しても脱調する事は有りませんでした
なので、送り速度はF10000超を実現できます。(0.72/step時)

(実際には、必要では無い速度なので0.18/stepに設定しています)

今までに、Machの設定を最大まで上げれた事は無かったので
テスト的に動かした 
最高回転で送った時の様子(1.76MB)をUPしました。

 

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