YOSHIKI ソロ作品

 ここでは、YOSHIKIがこれまでに作曲、プロデュース等を手がけた作品について、ちょろっとコメントしています。


曲 名 アーティスト名 リリース
背徳の瞳
〜Eyes of Venus〜
V2     1992.1.18
今を抱きしめて NOA     1993.11.3
今を抱きしめて
(オーケストラバージョン)
YOSHIKI     1993.11.3
RAIN GLAY     1994.5.25
FOREIGN SAND YOSHIKI &
ROGER TAYLOR
    1994.6.1
moment 西城秀樹     1997.8.6
Begin 北野井子     1998.6.3
I Believe 北野井子     1998.6.3
薔薇と緑 北野井子     1998.10.28
GOOD-BYE
(アコースティックバージョン)
hide     1999.5.1
深紅の花 工藤静香     2000.11.8
seize the light globe     2002.11.27
I'LL BE YOUR LOVE DAHLIA     2003.10.29
Scorpio TRAX     2004.12.15




 背徳の瞳 〜Eyes of Venus〜       (V2)

  作詞・作曲:V2

シングルのジャケット裏面
 YOSHIKIと小室哲哉のユニット、V2のシングル曲。【作詞・作曲:V2】となっているが、完全にYOSHIKIの曲である。イントロを聴いただけではXの曲と見分けがつかない。

 とてもカッコよく、美しい曲だ。「静と動」が同居しているかのような印象を受ける作品である。静に始まり、その後は大方が動であるが、その中に所々、絶妙に静が挿入されつつ展開する。Xの「ART OF LIFE」を縮めたような感じの構成で、 まさにYOSHIKI節が炸裂している。
 また、シンセサイザーが終始使われ、ドラマティックな仕上がりになっている。このあたりも「ART OF LIFE」に通じるものがある。
 ただ、全体として少し軽い感じを受けることは否めないと思う。

 あと、この曲は、ボーカルの重要性を改めて認識させられる曲である。小室のボーカルが強烈にひどい。開始1分33秒で小室が歌い始めるが、本当に衝撃的だった。間抜けというか、気の抜けたというか、とにかくすごい歌声である。ある意味このボーカルでCDを売ろうとしたところがすごい。
 とにかく、美しくてカッコいい曲なのだがボーカルでかなり損をしている曲だと思う。そりゃあ、小室は歌手じゃないから仕方ないかもしれないが、それでもひどすぎる…。ちなみに、この曲をレコーディングする際に、小室はYOSHIKIにもボーカルの参加を要請したが、YOSHIKIは固辞したという。YOSHIKIはよく自分のことを「音痴だ」と言っていたが、もしボーカルで参加していたら、小室のみのボーカルよりもさらにひどいものになっていたのかもしれない(笑)
[聴き所]
時 間コメント
0:00〜1:00ピアノの美しい調べ。
2:22〜2:57優しい気持ちにさせてくれるメロディーだ。私がとくに好きな箇所である。
4:45〜4:47誰かが「たすけてくれ〜」って叫んでいるように聞こえる。
6:48どっちが言ってるのか知らないが、「V2」とささやく。

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 今を抱きしめて   (NOA)

  作詞:白鳥瞳(YOSHIKI)  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

今を抱きしめて  『徹底的に愛は…』というテレビドラマの主題歌だったらしい。見たことないので全然知りませんが…。吉田栄作が男性パートを歌い上げている。
 ちなみに、この曲の歌詞についてどこかの大学の社会学の教授が、社会学的視点から考察していた。  

 曲は、いい曲なのだが、特別コメントすることもないような、「可もなく不可もなく」といった印象を受ける曲である。YOSHIKIの音楽には、どこかに必ず魅力的なフレーズが用意されているものだが、この曲には特にその類のものも見当たらない。ドラマ用主題歌ということで、何となく雰囲気があって、とりあえずメロディーがきれいで、という感じで作られた曲なのかもしれない。
 しかし、下でも紹介しているが、同時にオーケストラ編曲もしているのでYOSHIKI自身はお気に入りの曲なのか?少し謎である。

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 今を抱きしめて (オーケストラ・ヴァージョン)  (YOSHIKI)

  作曲:YOSHIKI

今を抱きしめて
 テレビドラマ『徹底的に愛は…』の主題歌のオーケストラ・ヴァージョン。冒頭のハープの響きがとても幻想的でひきつけられる。ただ、他の箇所については、個人的には可もなく不可もなくという印象を受ける。
 A面の「AMETHYST」が素晴らしすぎるため、「今を抱きしめて」の方はどうしても安っぽく聴こえてしまうのかもしれない。まあ、そもそも「AMETHYST」がオーケストラ曲として書かれたものであるのに対して、「今を抱きしめて」はポップス曲をオーケストラアレンジしたものなのだから、差が出て当然なのだろう。





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 RAIN   (GLAY)

  作詞:YOSHIKI  作曲:YOSHIKI & TAKURO  編曲:YOSHIKI

 YOSHIKIが設立したプラチナム・レコードからリリースされた、GLAYのデビューシングル。

 とてもいい曲だと思う。かなり感動できる曲。
 詞とアレンジは、GLAYの曲でありながら完全にYOSHIKIワールドである。「生まれた意味 問い掛ける」(←『DAHLIA』に全く同じ歌詞が出てくる)とか、「耐え切れない孤独だけが 身体を突き刺して」、「涙に濡れた薔薇を 咲かせて」…など、YOSHIKIそのものですよ(笑)。これをGLAYが歌ってるんですからね。
 メロディーの方は、合作ということもあってさわやかな色も見せていて、YOSHIKIのよさとTAKUROのよさがうまく混ざり合ってる感じ。メロディーは、どちらかといえばGLAY風。

[聴き所]
3:15〜3:30Xではあまりお目にかかれない音型のピアノ伴奏。
3:32〜3:37YOSHIKIお得意の3連符プレイだが、この曲のピアノは誰が弾いてるんでしょうね? YOSHIKI?
4:26〜4:46もともと美しいサビのメロディーに、TERUのハモリとストリングスがかぶさってくる。感動的。
5:00〜5:02「この身を任せても」の歌い方が、X時代のTOSHIにちょっとだけ似ている。

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 FOREIGN SAND   (YOSHIKI & ROGER TAYLOR)  

  作詞:ROGER TAYLOR  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

foreign sand
 クィーンのドラマー、ロジャー・テイラーとの共作曲。作詞とボーカルをロジャー・テイラーが担当し、作曲と編曲、ならびにドラムとピアノをYOSHIKIが担当している。

 非の打ち所のない名曲である。メロディーの美しさは言うまでもない。最初から最後まで、まるでXのバラードを聴いているかのような錯覚に陥るほどで、YOSHIKIのバラードにおける王道中の王道といった構成で展開されている。また、Xの時よりも、ピアノの伴奏がよりピアニスティックな響きをしており(アルペジオが多いので、そう聴こえるだけかもしれないが…)、聴いていて飽きない。

 ロジャー・テイラーのボーカルも、とても味があって好きです。


[聴き所]
1:08〜1:34ストリングスの伴奏が曲の雰囲気をとても盛り上げている。
3:08〜3:11ピアノで単純な音階を力強く弾いている。転調への橋渡し的フレーズだと思うが、Xではこのようなフレーズはお目にかかれないので、貴重だ。
3:11転調する。否応なしに気分がのってくる。
5:10〜5:29曲の力強さが増し、最後のサビの熱唱。感動的なフレーズだ。
5:29〜6:45クールダウンするかのように、ボーカルとピアノ、ストリングスのみでささやかに演奏される。個人的にはここが一番好き。ピアノが終始美しいアルペジオを奏でながら進む。

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 moment    (西城秀樹)

  作詞:松井五郎  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

 私は、YOSHIKIがX以外のアーティストに提供した曲の中で、この曲が最も好きだ。何よりもメロディーが美しいというのはもちろんだが、西城秀樹のボーカルもとてもかっこよくて、メロディーを引き立てている。サビの旋律の美しさはかなり衝撃的であり、感動的でもある。
 また、このシングルのカップリングは西城秀樹のボーカルとストリングス、そしてビブラフォンのような音色のキーボードのみによる演奏。個人的にはこちらの方が気に入っている。  ちなみにこの曲は短期間ではあるが、「HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP」のエンディングテーマにも使われていた。

 最後に、この曲には少し悲しい(?)思い出がある。
 上に書いたリリース日を見てもらえれば分かるが、この曲がリリースされたのはXが解散する1ヵ月半前。そして、実際にXが解散する1週間ほど前に、西城秀樹とYOSHIKIがミュージックステーションに出演していた。YOSHIKIは西城のバックでキーボードを演奏していた。
 別にそれだけならよかったのだが、あの時、タモリがYOSHIKIに向かって「Xの新曲は出ないの?」と訊ねるとYOSHIKIは「年内に(新曲が)出ます」と答えた。もちろん私は、そのテレビを見ていたときはXが解散することなんて知る由もなかったから、とても嬉しかった。しかしその1週間後にXの衝撃の解散発表があり、年内の「THE LAST SONG」の発売が発表された。Mステで言ってた「新曲」とは「THE LAST SONG」のことだったのか…、YOSHIKIよ、そんな言い方ないだろう…って感じで落胆したのを昨日のように思い出す…。

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 Begin    (北野井子)

  作詞:YOSHIKI  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

begin  ビートたけしの娘、北野井子をYOSHIKIがプロデュースした作品。北野井子側の要望で、ギターを多用したサウンドとなっている。

 この曲は、恋愛を歌った歌詞となっているが、私はいつも、YOSHIKIの苦悩を表現している(重ね合わせている)ように感じてしまう。
 そのように感じてしまうのは、この曲がリリースされたのが解散後間もない1998年6月であるからに他ならないが、「流した涙もせつなさも 過去に変えて I'll beginや、「現実がどうなんて 息がつまるよ」といった歌詞を聴いてると、そう思わずにはいられない。辛い現実を考えてるとどうにかなってしまいそうだが、そんな辛さや悲しさも過去のものにして新たな人生を創造していこう、というYOSHIKIの決意表明のようだ。
 また、「いつも強く見せてた 本当は壊れそうだったのに」という歌詞は、X時代のYOSHIKI自身を告白したもののようにも解釈できてしまう。意味深だ…

 ところで、メロディーの方は当然のごとくとても美しいが、Crucify My Loveでも同じようなメロディーが出てくるなど、それほど感動するというものでもない。
 しかし、2:22〜2:24、4:29〜4:31で聴ける美しいバックコーラス、3:59〜4:17で展開されるピアノとストリングスの美しい絡みなど、これぞYOSHIKI!という部分もあるので、やっぱりいい曲です。北野井子の太い歌声もいい味を出してる。

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 I Believe    (北野井子)

  作詞:YOSHIKI  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

 上述の「Begin」のカップリングとして収められている作品だが、この上ない美しさを誇るので、私としてはこの曲をA面に持ってきた方が良かったのではないか、と思っている。
 ただし、後に発売される工藤静香の「深紅の花」と酷似しているフレーズがわりと見受けられる(そもそも作曲時のコンセプトが同じだったように感じられる)ため、A面に持ってきてなくて良かった(?)とも思っている。

 3:20〜3:38のコーラスは、近年のYOSHIKIの作品を象徴するようなコーラス。Violet UKでも多く登場しそうな雰囲気である。

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 GOOD-BYE (acoustic)    (hide)

  作曲:hide  編曲:YOSHIKI

 hideの楽曲を様々なアーティストがカバーしたトリビュート・アルバム「hide TRIBUTE SPIRITS」の中の、YOSHIKI担当の一曲。hideの原曲もとても美しく、どこか懐かしさを感じさせる名曲だったが、YOSHIKI編曲によるこの「GOOD-BYE」も、原曲とはまた違った魅力に溢れる傑作だ。ピアノとストリングスのみで奏でられるが、大変壮大な楽曲になっている。

 執拗にアルペジオで迫りまくるという、まさにYOSHIKIらしいアレンジだが、1:26〜1:56などに登場する、右手がメロディーを受け持ち、左手がその伴奏としてアルペジオを奏でるという基本的な形態をYOSHIKIが弾いているのは珍しいので、少し新鮮であった。また、そのアルペジオも16分音符をだらだらと続けるだけでなく、途中、休符を挟むことによってリズムに変化を持たせているところがたまにあったりして、良いです。
 最後の、ストリングスのみだったところからピアノの急速なスケールで再びサビに入るところが素晴らしい。気分が盛り上がってくる。

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 深紅の花    (工藤静香)

  作詞:TOMOMI TACHIBANA  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

 西城秀樹の「moment」とともに、YOSHIKIの他アーティスト提供作品の中で最も好きな曲。ピアノとストリングス、そしてボーカルの3本立ての構成で、幻想的で美しい世界を紡ぎだす。
 この曲のどこがいいかと言えば、流麗なメロディーはもちろんのことだが、クライマックスで登場する、バックコーラスの衝撃的な美しさだ(3:28〜3:57辺り)。初めて聴いたとき、本当に鳥肌が立ったことをよく覚えている。YOSHIKI史上最高の美をここで表現したのではないだろうか。大袈裟かもしれないが、それくらいのことを感じさせる箇所である。

[聴き所]
1:19〜1:31このフレーズのメロディーが気に入っている。
2:04〜2:22ピアノとストリングスが美しく絡み合う。
3:28〜3:57 上でも書いたが、驚異的な美しさである。工藤静香の声だからこそ成し遂げられたものなのかもしれないが。


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 seize the light   (globe)

  作詞:YOSHIKI & TETSUYA KOMURO  作曲:YOSHIKI
  編曲:YOSHIKI & TETSUYA KOMURO

 YOSHIKI加入後の新生globe第1弾のシングルで、ドラマ「ダーク・エンジェル」のテーマソングとしても流れていた作品。テーマソングとしては、最初のサビの部分のみ流れて、打ち込みとかが入ってきて「ココからやのに!」という感じのところで放送が終わるという悲しい流され方であったことをよく覚えている。
 編曲者の名前には小室哲哉の名前も入っているが、ほとんどYOSHIKI主導で制作されたらしい。YOSHIKIがglobeらしさ(?)を意識して創ったと思われる曲調が印象的。
 しかしながらメロディーに関しては完全にYOSHIKIの世界である。最初の部分からして、YOSHIKIが作ったものであることが瞬間で分かる(笑)。純粋なglobeファンの方々にとっては少々違和感があったかもしれない。

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 I'LL BE YOUR LOVE   (DAHLIA)

  作詞:YOSHIKI  作曲:YOSHIKI

I'LL BE YOUR LOVE  作曲家プロコフィエフはハ長調を溺愛していた。ともすれば軽視されがちなハ長調の美しさを追及したいとして、ハ長調の作品を多く書いている。
 この『I'LL BE YOUR LOVE』は、まるでプロコフィエフの意思を引き継いだかのようなハ長調の珠玉の名曲だ。幻想感、透明感、清澄感といい、これ以上のものがあるのかと問い掛けたくなるほどの美しさを誇る。コード構成も非常にシンプルであり(←まあ、これはYOSHIKI作品全般に言えることであるが…)、「愛・地球博」の公式イメージソングとして聞きやすく、誰からも親しまれる曲作りを心がけたようにも感じられる。
 この曲の持つ比類なき透明感は、ボーカルDAHLIAの恐るべき美声によるところも大きい。4:30以降の打ち込みがなくなる部分の美しさは鳥肌ものである。

 どうでもいいが、ジャケットを最初見たとき浜崎あゆみかと思った。

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 Scorpio   (TRAX)

  作詞:白鳥龍(YOSHIKI) & MacDonald Douglas  作曲:YOSHIKI  編曲:YOSHIKI

Scorpio  韓国のロックバンド「TRAX」をYOSHIKIがプロデュースして世に送り出した作品。まずピアノから曲が始まるという部分がいかにもYOSHIKIらしいが、展開されるメロディーもYOSHIKIらしいゆったりと伸びやかに流れる旋律で、印象的だった。
 「永遠を夢見て」から「さそり座の空の向こうに」の静かになる部分は、歌詞の内容といい、音楽の雰囲気といい、Xの『DAHLIA』の同じく静まり返る部分に似ているような気がする。

 YOSHIKIが掲げていた「100%ROCK」というコンセプトがうまく表現されているのかどうかは私にはよく分からないけれど、サウンド的にはけっこう気に入っている。ただ、若干インパクトに欠けるというか、ラフマニノフの言うような音楽の「ポイント」的な「つかみ」どころに少し欠ける印象は受けた。

 どうでもいいが、YOSHIKIは11月20日生まれのさそり座だが、これはタイトルの「Scorpio」に関係あるのかな…

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