・ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18 |
・ パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 |
・ 前奏曲第1番 作品3-2 |
・ エレジー変ホ短調 作品3-1 |
・ 練習曲集「音の絵」 作品33 第6番変ホ長調 |
・ 練習曲集「音の絵」 作品39 第4番ロ短調、第9番ニ長調 |
・ 交響的舞曲 作品45 |
・ ヴォカリーズ 作品34-14 |
私がこの曲を初めて聴いたのは高校2年生のときでした。友人の家にあったCDをたまたま借りたのがきっかけです。 以下は、初めて聞いたときの印象です。 第1楽章、イントロ部分がカッコいいなあと思いながら聴いていたら、第1主題に突入。信じられないほど美しい旋律に、失神寸前にまで追いやられました(大袈裟か?)。私は基本的に暗めの曲調を好むのですが、私の好みに合致しまくっていて、本当に感動したのをよく覚えています。 第2楽章、これまた夢見るような穏やかな美しさに絶句。短調に転じるところで、鳥肌が立つ。 第3楽章、冒頭のカデンツァに感嘆し、コーダの雄大さに脱帽。曲が終わった瞬間再び鳥肌が立ち、かなり長い余韻が残ったことが忘れられません。 高校2年生のときではありましたが、「世界で一番美しい音楽じゃないか!??」などと興奮しまくりました。「よくぞ、このCDを貸してくれた!」って、友人に心の中で感謝しましたし(笑) ただし、このとき借りた(後に買い取った(笑))CDは、ミルカ・ポコルナというピアニストの演奏で、かなり独特の演奏です。当然、借りた当時はこの曲を知りませんでしたから、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はこういう曲なんだ、と思っていました。その後に聴いたアシュケナージの演奏が、異色な曲に聴こえたくらいですからね(笑)。 この曲ほど、初めて聴いたときのインパクトが大きかった曲って他にないかもしれません。音楽自体に感動したのはもちろん、ピアノという楽器の美しさに改めて気づかされた曲でもあります。この曲を聴いて以降、さらにピアノの音色にのめりこんでいきましたから。思い入れの強い作品です。 |
○パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 この曲との出会いは、少し変わっています。 高校2年のときにピアノ協奏曲第2番と出会い、ラフマニノフという作曲家に関心が強まっていた頃、ピアノ独奏用に編曲されたパガニーニの「24のカプリース」をたまたま弾いていたことがあったんです。そんなときに、ラフマニノフの作品でパガニーニの「24のカプリース」を題材にした曲があるとかいうことを知ったもんだから、飛びつくようにCDを買いに行きました。 早速聴いてみると、いきなり聞き覚えのあるリズミカルな旋律が流れ出し、「おぉ〜!」と興奮しました。ただ、最初はそれ以降の変奏になじめなくて飛ばし飛ばしで聴いていたのですが、そこで登場したのが言わずもがな、第18変奏でした。ホントに、鳥肌が立ちましたね。美しすぎる…。嫌なことを全て忘れさせ、傷ついた心を癒し、そして優しくあたたかく包み込んでくれるような、魅惑のメロディーですよね。 それからというもの、しょっちゅうこの第18変奏を聴いていました。X JAPANの「Tears」とともに、私の2大ヒーリング・ミュージックの一つとなっていたわけです(笑) ちなみに、他の変奏(特に第12変奏など)の美しさ、カッコよさに気づくのには少し時間がかかりましたね(笑)。第18変奏の存在が大きすぎる… |
○前奏曲第1番嬰ハ短調 作品3-2 ピアノ協奏曲第2番の衝撃以来、ラフマニノフ作品を漁っていたわけですが、この曲は特別好きで、かつ自分で自信を持って演奏できる数少ない作品の一つです。ラフマニノフのピアノ作品って基本的にレベルが高くて、好きになる曲はたいがい難しすぎて弾けないことが多く、この前奏曲第1番は比較的易しいので貴重なんですよね(笑)。 重々しく沈痛な雰囲気がピアノ協奏曲第2番第1楽章同様、とても好きです。ラフマニノフらしい、分厚い和音でグイグイ押す作品。後半のスフォルツァンドとフォルテ3つのところは、弾いていてスカッとしますね(笑) ![]() ○エレジー 変ホ短調 作品3-1 この曲も上述の前奏曲第1番同様、とても好きで、かつ演奏できる貴重な作品。 初めて聴いたのは高校3年のときで、ガブリーロフの「ラフマニノフ・ピアノ名曲集」というCDでした。いろんなラフマニノフのピアノ作品が収められている中、一番気に入ったのが、この「エレジー」でした。ラフマニノフらしい、哀愁漂うロマンティックな作品です。中間のapassionato部分の沸き立つような音の並びとピアニスティックな響きがたまらない。 |
○交響的舞曲 作品45 第1楽章中間部、オーボエとクラリネットを伴奏に従えて、アルトサックスの奏でる旋律にしびれまくった作品。これぞラフマニノフ!とでも言うべき哀愁の名旋律で、ここばかりリピートして聴いていたこともありました。美しいだけでなく、どこか懐かしさも漂う、魅惑のメロディーです。アルトサックスのソロが終わると、今度はピアノが伴奏を担当し、弦楽器が旋律を奏でます。この楽器構成がまた効果的すぎて感動します。もう、失神しますね(笑) 第2楽章は、何だか難しくていまいち好きになれませんが、第3楽章は大好きです。交響詩「死の島」の一部が流れるシーンや、聖歌「怒りの日」を引用したド迫力シーンなど、聴きどころが満載。全部聞き終えたあとに大変な充実感を覚える楽章です。 この作品はラフマニノフが最後に書いた作品らしいですが、最後の最後に素晴らしい作品を残してくれたことに感謝したいです。 ○ヴォカリーズ 作品34-14 ラフマニノフ屈指の神がかり的超美旋律。日本人でこの旋律が嫌いな人はいないのでは、と思わせるほど物悲しくも優しい、あたたかみのある素晴らしいメロディーだ。 なんか、この旋律を聴いていると、本当に心が穏やかになって優しくなれるような気になるんですよね。それに、天国からこの旋律とともにラフマニノフが私を優しく見守ってくれているんじゃないか、と痛い妄想まで繰り広げてしまいます。 原曲はピアノとソプラノの母音歌唱らしいですが、そちらの方も是非一度聞いてみたいですね。 ちなみに、この曲はピアノ編曲版も出ているのですが(私が購入したのはBoosey&Hawkesのもの)、それは嬰ハ短調になっていました。私が初めてこの曲を聴いたときの管弦楽版はホ短調だったので、かなり違和感を覚えましたね。いったいどちらがラフマニノフ指定の調性なんでしょうかね。個人的には、最初に聴いたからということもありますが、ホ短調の弱々しい響きの方が好みなので、ピアノ楽譜は移調して弾きました… |