YOSHIKI presents〜
 Eternal Melody

画像じゃ

1.Overture
2.Vanishing Love
3.Amethyst
4.Kurenai
5.Endless Rain
6.Unfinished
7.Say Anything
8.Silent Jealousy
9.A Piano Strings in Es Dur
10.Week End
11.Rose Of Pain
12.Tears


 YOSHIKI自身が企画し、全監修・選曲を担当した、Xの楽曲のオーケストラバージョンアルバム。 プロデュースは、ビートルズを手がけた大物、ジョージ・マーティンという人が担当している(私は全然知らない人ですが)。 さらにオーケストラはロンドンフィルという、かなり金をかけた、YOSHIKIらしい大胆なアルバムとなっている。

 ここでは、主に曲の流れの解説をしながら、感想を随所に入れていきたいと思う。個人的に イチ押しの箇所は、時間の表示を黄色にしています。



 Overture

 ホルストの『惑星』のなかの『木星』の1フレーズと酷似するフレーズで始まり、このアルバムの 何曲かがメドレーのように演奏される。

 順番は、紅→Endless Rain→紅(つなぎ)→Unfinished→Say Anything→Rose Of Pain→Endless Rain(つなぎ) →Rose Of Pain。



 Vanishing Love

0:00-0:30 落ち着いた雰囲気のイントロが奏でられる。冒頭の旋律は一瞬、ラフマニノフが愛用した聖歌「怒りの日」を思わせる。
0:30-0:53 イングリッシュホルン(オーボエ・ダモーレ)がメロディーを担当する。なんと表現したらよいのか分からない、不思議な雰囲気です。
0:53-1:51 沸き立つように奏でられる弦楽器のアルペジオが印象的。その後サビに向かう。
1:51-2:23 サビに突入。オーケストラの総奏で豪華に演奏される。 とてもシンフォニックな響きで、個人的にとても好きな部分。
2:23-2:46 再びイングリッシュホルンによるメロディーが始まるが、 裏でコソコソと動いているヴァイオリンが味がある。
2:46-2:58流れるような雰囲気が魅惑的な箇所だ。とてもクラシカル。
2:58-3:10一瞬、ワーグナーの音楽が始まったのかと思わせるような、盛大で堂々としたフレーズ。 個人的には、何でこんなフレーズを挿入したのかよくわかりません(笑)
3:10-3:40低音弦楽器群でメロディーを奏でる。
3:40-3:52バロック調のメロディーを弦楽器のユニゾンで奏する。 さりげないフレーズだけれど、個人的にはお気に入りの箇所だ。
3:52-4:15最後の盛大なサビに向かっていく。
4:15-サビをオーケストラ全体で盛大に奏でる。 とてもドラマティックなアレンジだと思う。 ただ、、最後の締めくくり方が何となく安っぽく聞こえてしまうのは私だけだろうか…



 Amethyst

 ライヴの最初に流れる曲。



 Kurenai(紅)

0:00-2:10 ガラス水晶のようにきらびやかに始まり、サビのメロディーを弦が演奏する。その後、普段イントロでTOSHIが歌っている メロディーを弦楽器とフルート、オーボエで奏でる。ここの雰囲気がとてもいい。
2:10-3:12オーケストラ全体でメロディーが奏される。
3:12-3:58転調し、金管がメロディーを奏するが、決然とした雰囲気が漂っていて良い。 その後弦楽器が加わり、力強さを増す。
3:58-4:37オリジナルではギターによって演奏される間奏を、そのまま金管などが演奏しているが、 ちょっと滑稽に聴こえてしまった。ピアノのカデンツァが新たに追加されて終止する。
4:37-5:40途中で、再びイントロのメロディーをハープが演奏する箇所があるが、なかなか魅惑的な 雰囲気を醸し出している。
5:40-6:09やっとサビに到達。弦の総奏で展開。
6:09-転調して、サビをオーケストラがドラマティックに総奏。ここが最大の聴き所!しびれます。
ただ、締めくくり方は個人的にはイマイチに感じた。突然のピアノの登場が気にくわない。最後に華麗な パッセージでも繰り広げるならまだしも、ただ単にスケールを奏するだけなんて…。



 Endless Rain

0:00-1:02弦楽器と打楽器のための小品のような可愛らしい雰囲気が展開される。
1:02-2:25オーボエによってメロディー開始。美しい…。やっぱり大事なメロディーはオーボエに限る。
そして途中で弦楽器が加わり、フルートとオーボエによるアンサンブル。この上なく優しく繊細な雰囲気となっており、素晴らしいアレンジだと思う。
2:25-3:35弦楽器のユニゾンでサビの演奏。なんて美しいメロディーなんだ…、と再確認。
3:35-4:20続いてトランペットがサビを奏するが、裏でこっそりと動くピアノ(?)が秀逸。
4:20-弦楽器によって、さっきよりも力強く雄大にサビが奏でられる。
5:13トランペットがトチる。
ラストハープと打楽器のアンサンブルが展開され、終止する。冒頭と基本的に同じだが、こちらの方が 響きが豊かである。



 Unfinished

0:00-1:32コーラングレ(オーボエ・ダモーレ)の前奏の後、クラリネット、フルート、オーボエ、とメロディーが引き継がれていく。
1:32-2:21弦楽器がメロディーを奏する。
2:21-2:52金管にメロディーが引き継がれる。ここの堂々とした雰囲気がとてもいい。
2:52-3:42再びコーラングレが登場。木管群によってメロディーが奏される。
3:42-1:32-2:21と基本的に同じ。

 この曲は妙にコーラングレが活躍します。



 Say Anything

0:00-1:06弦楽器とオーボエによってイントロが奏される。 オーボエの雰囲気がとてもいい。
1:06-1:58木管がリズムを刻むなか、チェロがメロディーを演奏。
1:58-2:23コーラングレがメロディーを引き継ぐ。この上なく優しい雰囲気だ。
2:23-3:23オーケストラの総奏でサビに突入。
3:23-4:00さらに力強く、オーケストラ全体でサビを演奏する。
4:00-5:04金管が間奏を担当。とても勇ましいムードである。
5:04-5:35先ほどチェロとコーラングレが担当したメロディーを、今度はクラリネットが吹く。何か モッサリしている。
5:35-6:41さっきと違って、比較的穏やかにサビが演奏される。個人的にはここが一番好きな箇所。
6:41-7:35再び力強くオーケストラのサビの総奏。どこまでドラマティックに演出したら 気が済むのか。
7:35-クールダウンするかのように、バロック調の穏やかな曲調が展開される。



 Silent Jealousy

0:00-0:46オーボエによるイントロ。素晴らしく美しい響きだ。
0:46-1:37フルートが最初のメロディーを奏するが、ここのフレーズにフルートは合わないと思う。どうも しっくりこない。私としては、サックスなどに威勢良く吹かせたい。
1:37-2:45弦楽器でサビを演奏。オリジナル版ではなかなか感じにくい悲愴感が漂っていて とてもいい。
2:45-3:44先ほどフルートが担当したメロディーを弦楽器が担当する。ピアノのカデンツァも 突如登場。
3:44-行進曲のような曲調に変わり、悲痛なメロディー を勇ましく奏でる。弦楽器のアルペジオがとても雰囲気を高める。
そのまま勢いをつけながら終わる。



 A Piano String in Es Dur

 オリジナル版ではピアノで弾かれる旋律が、木管群によって奏される。



 Week End

0:00-1:29オリジナルを聴くだけでは想像もつかない意外なイントロに驚かされた。
1:29-2:06 スケルツォ的雰囲気でメロディーが奏される。けっこうかっこいいアレンジだ。
2:06-2:35弦楽器にメロディーが引き継がれる。非常に上品。
2:35-3:00サビ登場だが、あまりいいとは思えない。シロフォンの参加はやめてほしかった。 どうも安っぽく聴こえる。
3:00-4:39調を変えて1:29-2:06と同じ展開。サビも登場するが、やはりアレンジが イマイチなため、転調したところでたいした効果を感じなかった。
4:39-イントロと同じフレーズが登場して終止する。



 Rose of Pain

0:00-1:09イントロは、Xの原曲にわりと忠実にアレンジされている。 バッハのフーガト短調をオーケストラバージョンでどうぞ(少しだけですが)。
1:09-2:04フルートによってメロディー開始。裏でコソコソとうごめく弦楽器が何となく不安げで、聴く者を落ち着かせない。しかし、とても美しいフレーズであることには変わりはない。
2:04-2:40沸きかえるような弦楽器の旋律が印象的だった。
2:40-4:06私はここのメロディーのヴァイオリン群の美しさにKOされた(笑)  シビれます! まさにヴァイオリンのためにあるような、驚異的な美しさである。
4:06-4:25細かい音符を木管群が奏でるが、雰囲気がなんとなく、スメタナの「モルダウ」の冒頭のフレーズに似ている。
4:25-4:51Xの原曲でも勇ましさを感じさせるフレーズだが、オーケストラでもその勇ましさは失われていなかった。カッコいい。
4:51-5:30とても力強い。
5:30-Xの原曲と同じく、テンポアップする。
Xの原曲ではテンポアップしたところから異様なほど悲劇的な雰囲気になるが、このオーケストラバージョンではそれがあまり感じられないのが少し残念だった。悪くはないんですけどね…。 個人的には今ひとつって感じ。



 Tears〜大地を濡らして〜

0:00-1:01きわめてクラシカルなフレーズで始まる。弦楽合奏の美しさが堪能できます。
1:01-1:30弦楽器でメロディー開始。クラリネットのさりげないつなぎがとてもいい雰囲気を 醸し出している。
1:30-2:07弦楽器と木管の総奏で、サビを雄大に演奏。
2:07-3:22つなぎのオーボエのメロディーが感傷的な気分にさせる。
3:22-なんとも言い難い幻想的な雰囲気だ。



ページ上に戻る

TOPへ