BLUE BLOOD   (1989.4.21)


BLUE BLOOD
 1.PROLOGUE
 2.BLUE BLOOD
 3.WEEK END
 4.EASY FIGHT RAMBLING
 5.X
 6.ENDLESS RAIN
 7.紅
 8.XCLAMATION
 9.オルガスム
 10.CELEBRATION
 11.ROSE OF PAIN
 12.UNFINISHED



 1. PROLOGUE

 Xのオリジナルの曲ではないが、ライブのオープニングで使われていた。Xとフル・オーケストラによる演奏で、壮大な楽曲となっている。



 2. BLUE BLOOD

 YOSHIKIメロディー炸裂の美しい曲。といってもサウンドは激しいが。
 サビのメロディーはYOSHIKIの作品の中でもベスト5に入る名旋律だと思う。

 それにしても、「涙に溶ける青い血を欲望に変えて 生まれ変わった姿を装ってみても」 て、どういうこと? 全然意味が分からん。詩人YOSHIKI恐るべし…



 3. WEEK END

 この「BLUE BLOOD」に収められているバージョンよりも、後に発売されるシングルバージョンの方がいい。シングルの方が音が格段に良いということもあるが、何よりもピアノとギターの哀愁のからみを魅せる間奏が、このアルバムの方には収められていないので。


 4. EASY FIGHT RAMBLING

 作詞がTOSHIと白鳥瞳(YOSHIKI)で、作曲がXという珍しい曲。まぁ、XといってもPATAはほとんど 参加してなさそうだが(笑)。
 冒頭から歌詞が物騒すぎる。「とどめを刺してもいいんだぜ 俺の前から消え失せろ」 「おまえの顔を 見てるだけで イライラ吐き気がするぜ」…といった歌詞が展開される。笑いそうになってしまった。

[聴き所]
1:48-2:03非常に流麗で美しい。歌詞の内容とメロディーから考えて、この フレーズの作詞作曲は確実にYOSHIKIが一人で担当していると思われる。
 


 5. X

 ライブでXジャンプとともに盛り上がる曲としてのイメージが強いが、メロディーも意外に見逃せない。 サビ以外の旋律の決然とした雰囲気がとてもいい。



 6. ENDLESS RAIN

 Xを代表するバラード。46名のフルオーケストラとの共演が試みられている。この曲についてはもう 何も言いますまい。

[聴き所]
1:45-1:53「薔薇につつむ I keep my love for you to myself」の部分 のハモリが絶品。後の「Until I can forget your love」も同じ。
3:22転調かっこよすぎ。
 


 7. 紅

 名曲中の名曲。いまだにXの代名詞的存在である(と思う)。私はこの曲のせいでXが好きになってしまった。

 この『BLUE BLOOD』に収められている紅には、サビのメロディーの弦楽合奏 が冒頭についている。これはシングルバージョンにはなく、これを聴くだけでも泣ける。その他についてはもう、私がどうこう言えるものではないです。

[最高の聴き所]
5:18〜サビのメロディーが畳み掛けるように3回繰り返され、さらに畳み掛けるか のようにオーケストラがかぶさってくる。怒涛の迫力。涙なしには完聴できない。
クライマックスのかっこよさはX一。


 これだけ有名になり人々に愛され続けている紅だが、作曲当時YOSHIKIはなんと、この紅をボツにするつもり だったらしい。しかし、hideが「いい曲だからやろう」と、強く願い出たためやることにしたという。つくづくhideの 存在に感謝である。  



 8. XCLAMATION

 このアルバムの中でもけっこう異彩を放っている曲。HIDEとTAIJIの合作だから当然といえば当然かもしれないが。

 前半は、インドのボンベイで録音された打楽器をバックに、不可思議なメロディーが展開される。完全に「hideの部屋」 である。  後半は終始TAIJIのベースが活躍する。これまた不思議で幻想的な雰囲気が漂う音楽である。Xの カオス面を表現しているらしい。



 9. オルガスム

 ライブでおなじみの曲。といってもライブは英語バージョンだし、中間部でYOSHIKIのCO2散布があったりするので 、このアルバムに収められているものとはかなり違っているが。

 過激なタイトル通り、歌詞も曲調もかなり過激でド派手。3分弱の曲だが、圧倒的なパワーと迫力を感じずにはいられない曲だ。 作詞はまたもや白鳥瞳(=YOSHIKI)。



 10. CELEBRATION

 まさにhideらしい曲。曲調もhide、歌詞もまさにhide、といった感じだ。

エリート気取りのピノキオの鼻は折れて灰になる
スパンコールの月が笑う街
 hideらしい歌詞だとは思いませんか?
 個人的にとても好きな曲です。

[聴き所]
3:58"世界中にLet it Fall"の"Fall"のTOSHIの声が素晴らしい。



 11. ROSE OF PAIN

 すさまじい作品。とある国の伯爵夫人が自らの美しさを保つため、何百人もの女性を殺したという、400年前にヨーロッパで 実際に起こった話をもとにして作られた曲である。
 そのためメロディーは悲劇的で(TOSHIの歌い方も悲劇的な雰囲気の演出に一役買っている)、歌詞はえげつ ないものになっている。

  「愛をなくした心 殺戮の喜びに燃える
   She will kill to make herself more beautiful 犠牲を宝石に変えても」
  「Slice them! Slice them till they're running in blood
  「Close up! Close up their mouth using thread and needle 裸の体をつるし上げて」

[聴き所]
6:00-テンポが速くなる。メロディーが一層悲劇的になり、断末魔の叫びのような雰囲気のTOSHIの声がとてもいい。 さらにオーケストラがからんできて非常にドラマティックな展開となり、いやでものめりこんでしまう。
アルバムのクライマックスにまさにぴったりなムードで締めくくられる。



 12. UNFINISHED

 VANISHING VISIONで中途半端になっていたものの完結編。
 後に発売されるCrucify My Loveと、作曲のコンセプトが似ているように思う。両曲ともサビらしいサビを作らず、 さらりと流れるように進む、中性的な曲になっている。ただ、Crucify My Loveの方は完全にアコースティックで、 ピアノパートもよりピアニスティックな効果に溢れている。

 とてもせつない曲。歌詞が妙に具体的で、この曲を作った頃のYOSHIKIの状況についてあれこれと妄想を繰り広げたくなる。
  ところで、この曲に関してだけはTOSHIの声に不満がある。「ちょっとかすれすぎ」なのだ。 この曲にあのかすれ声は合わないと思う。




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