バラード  (ショパン)

 [個人的ベストCD]

 ペライア  ○マレイ・ペライア (録音:1994年)

番号ごとに私にとってのベストがあるので、4曲ともペライアが最高という意味ではありませんが、 4曲の平均点がとても高いのでおすすめできます。
テクニックは万全で安心して聴けるし、表現も非常に豊かで力強く、聴いていて気持ちがいいです。 時おり見せる、ホロヴィッツ譲りの低音の強調が私にとってはたまりません。第2番で、Agitatoの コーダに入る瞬間の低音部のイ音の強調が特にいい。地獄の底から煉獄火炎が沸き起こってくる ような、すさまじい雰囲気です。
3番は珠玉の演奏。

全曲、テンポを速めにとっている。
1番のコーダで力強さに少し欠けるのが残念。


番号別ベストプレイヤー (私の個人的意見です。2004年1月現在)
第1番アンドレイ・ガブリーロフ(1984年)
第2番シプリアン・カツァリス
第3番マレイ・ペライア
第4番ヴラディーミル・アシュケナージ(1975−85年録音版)



 [他のCD]

○ヴラディーミル・アシュケナージ(1975−85録音版)
上にも書きましたが、第4番が特にオススメ。響きが非常に重厚で、とても雰囲気が出ている。 後半がとくにいいです。
しかし、第1番〜第3番に関しては、録音時不調だったのではないかと思ってしまう箇所がいくつかある。 第1番、第2番のコーダは思わず耳を疑ってしまうほどドタバタしている。とはいえ、さすがはアシュケナージ、 ゆったりと歌うようなフレーズの情感はピカイチ。


○ヴラディーミル・アシュケナージ(1964年録音)

全曲恐るべきテクニックをもって、どんな難所も何事もないかのようにさらりと弾いている。スゴイのだが、 どうも重みに欠ける感じがします。
また、録音があまり良くなく、高音がキンキンと聞こえるのが残念。


○シプリアン・カツァリス

超絶技巧と思いがけない内声の強調で驚かせてくれるカツァリスですが、バラードはわりとオーソドックスな演奏 です。
全編もの凄いテクで押しまくってますが、圧巻は第2番のコーダ。超快速で弾き飛ばし、まさに鬼気迫る形相で 襲い掛かってくる。ぐいぐいと引き込まれてしまう。必聴。


○アンドレイ・ガブリーロフ(1984,85年録音)

エチュード集のカップリングに第1番と第3番が収録されている。
なんと言っても第1番。表情は豊かで、響きもとてもきれい、そしてコーダの迫力はピカイチ。


○スタニスラフ・ブーニン

とてもみずみずしい演奏。すこしやかましい感じも受ける。
第4番のコーダに至るまでの盛り上がっていく場面がとても情熱的でかっこいい。