ART OF LIFE   (1993.7.25)

 art of life

1.ART OF LIFE















 1曲で29分という大曲で、古典派の交響曲並みの長さである。
 もともと、2ndアルバム『Jealousy』と一緒に2枚組アルバムとして発売される予定だったが、YOSHIKIの体の アクシデント等によりレコーディングが遅れたためJealousyの発売に間に合わず、結局単体で発売されることになった。 このことについてYOSHIKIは、「ART OF LIFEが他の曲との共存を拒んだ。彼は孤立を求めたんです。」 などと、ウソかホントかわからないコメントを発表している。

 ただ、レコーディングに時間がかかったことは事実で、かなりシビアなレコーディングだったらしい。「地獄のART OF LIFE レコーディング」などと言われ、TOSHIのヴォーカル録りはすさまじかったようだ。YOSHIKIの理想の音に近づくために何度も 何度も歌わされ、「言葉の暴力」的なかなりきついことを言われ続けたにもかかわらずじっと耐え続けたTOSHIは、 周りのスタッフから 「TOSHIは悟りを開いている」と言われたという。

 それだけ激しかったレコーディングの甲斐もあってか、本当に素晴らしい曲だ。はっきり言って30分間まったく飽きない。 メロディーの美しさがかなり洗練されている気がした。この旋律の美しさは言うまでもないので、その他の聴き所をいくつか 挙げてみたいと思う。

 ちなみに、この曲はYOSHIKIの半生を表現した曲と言われているが、歌詞に出てくるのは「狂気」「血」「死」「破壊」 などといった物騒な言葉ばかり…。YOSHIKIの半生って一体…

[聴き所]
時間コメント
2:53"If it's all real"の"real"の部分のTOSHIの歌い方がとても感動的。
5:15-5:40極上のメロディー。個人的には、YOSHIKIメロディーの中でも1、2を争うほどの美旋律 だと思う。
9:38-10:17バンドの演奏がカッコいい。4分の7拍子が入ってきたりして、けっこう凝ってる感じ。
10:17-12:40長い間奏だが、2分間猛疾走という感じで飽きない。とてもカッコいい。
ちなみに、12:07から12:23までは、シューベルトの交響曲第8番第1楽章展開部の旋律の引用である。
12:40-13:08ボーカルの裏で奏される弦楽器(シンセサイザー?)のアルペジオの伴奏がとても いい雰囲気。
17:45-23:05YOSHIKIによるピアノの即興演奏。何とコメントすべきか分からないが、 ものすごい爽快感が得られる。
23:05-24:18ピアノソロから弦主体のオーケストラに引き継がれる。この部分のオーケストラのフレーズは 筆舌に尽くしがたい美しさ。それまでのピアノソロの狂気から救われるような感じだ。ショパンの雨だれの前奏曲 で、中間部を終えて冒頭のメロディーに復帰する瞬間と同じような安堵感を感じる。
24:18バンドの演奏が再開されるが、ここのギターの下降音型がやけにしぶい。
25:46-26:105:15-5:40と同じ素晴らしきメロディー。
26:27-26:4312:07〜12:23と同様に、シューベルトの交響曲第8番第1楽章の展開部の旋律を引用。
26:43-27:18同じくシューベルトの交響曲第8番の、今度は第2楽章の中間部を引用している。
オーケストラの旋律がとても切なく、引き込まれてしまう。
28:34-28:37ピアノの分厚い和音の3連符がクライマックスの雰囲気を否が応にも盛り上げている。
28:05-28:50 TOSHIの超高音のハモリ登場。本気でしびれる!鳥肌が立ちます。


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